中国の1MORE(ワンモア)は、アクティブノイズキャンセリング機能付きの完全ワイヤレスイヤホン・EHD9001TAを1月25日に発売しました。価格は19,800円(税込み)。
アクティブノイズキャンセリング機能(NC機能)を搭載した完全ワイヤレスイヤホンは、ソニーが先駆者となり、今やアップルのAirPodsにも搭載タイプが出てきています。そして、完全ワイヤレスイヤホンが普及しだしたときと同じように、中小メーカーからもNC機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンが出てきています。
今のところ、ソニーやアップルと、中小メーカーのNC機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンを分けるポイントは、ノイズキャンセリング用のチップや回路が、自社開発か、既製品かの違いです。
というのは、中小メーカーのNC機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンでは、Bluetoothイヤホン用のチップ供給メーカーとしておなじみのクアルコム(Qualcomm)製のQCC5100番台シリーズのチップを使っています。QCC5100番台シリーズのチップには、通常の完全ワイヤレスイヤホン用の基本機能を積んでいるだけでなく、ノイズキャンセリング機能も内蔵しています。
このため、中小メーカーでも費用や手間をあまりかけずにNC機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンを発売できるようになりました。
一方、既製品であるがゆえに、ソニーやアップルのような高度で、カスタマイズ性に富んだNC性能までは難しいのが実情です。
さて、このEHD9001TAでは、独自開発の「デジタルアクティブノイズリダクションプロセッサー」を搭載しており、QCC5100番台シリーズを採用した他メーカー機とは異なる性能・動作内容を実現しています。
イヤホン内外の2つの集音マイクを使用する本格的な態勢で、アクティブノイズキャンセルは最大で約40dBまで効果を発揮できると謳う高性能。
本機のNC機能は強・弱の2段階切替可能で、ヒアスルー機能も搭載しています。
また、本機は、ソニーやアップルをはじめとするほかのNC機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンではまだ例のない、ハイブリッド構成のドライバーを積んでいます。これも特筆事項です。
BA型とダイナミック型のドライバーを1基ずつ搭載。これにより、ワイドレンジかつ情報量の豊富な高音質で音楽を楽しめます。
Bluetooth用のチップセットはクアルコムのQCC3034。左右一体型のBluetoothイヤホンでの採用実績があり、Bluetooth5.0に対応し、コーデックはAAC、aptX、aptX HDに対応するハイスペックなチップです。ただ、本機では完全ワイヤレスイヤホンという制約もあり、対応コーデックはAAC、aptXとなっています。いまのところ、aptX HDのようなハイレゾ相当伝送に対応したコーデックに対応する完全ワイヤレスイヤホンは他社にもありません。
QCC3034は省電力が特徴のチップでもあり、本機は、1回のフル充電で、約6時間(NCオフ)、約5時間(NCオン)のロング再生が可能。また、付属充電ケースの併用で最大約22時間再生が可能。充電ケースの充電用端子はUSB-Cです。
操作はNC機能をタッチセンサー、音楽や通話はマルチファンクションの物理ボタンで行います。装着感を高めるシリコン製イヤーチップとイヤーフィンがそれぞれ3サイズ付属。
イヤホン本体重量(片耳):7.9g
充電ケース重量:63.2g
総重量:79g
イヤホンサイズ:30×18×28.5mm
充電ケースサイズ:81.32×30×38.5mm
イヤホンバッテリー容量(片耳):55mAh
充電ケースバッテリー容量:410mAh
Bluetooth:Bluetooth 5.0
Bluetoothコーデック:SBC/AAC/aptX
Bluetoothプロトコル:HFP/A2DP/AVRCP
入力:5V1A
充電端子:USB-C
イヤホン充電時間:1時間
充電ケース充電時間:2時間
連続再生時間:6時間
(ノイズキャンセルOFF50%音量時)
連続再生時間:5時間
(ノイズキャンセルON50%音量時)
インピーダンス:32Ω
通信距離:およそ10メートル
2万円以上か数千円程度に2極分化している完全ワイヤレスイヤホン業界にあって、本機は、2万円程度で、高性能なノイズキャンセリングとハイブリッドドライバーによる高音質が楽しめるという他にはない特徴によって、大いに注目したいモデル。
完全ワイヤレスイヤホンでハイブリッド構成を採らない理由の一つとして、ハイブリッド構成は電力を消費しやすく、つまり、バッテリー持ちが悪くなるからですが、本機ではNCオン時でも5時間と、ソニーやアップルと同等以上の性能なのも立派。さすがはXiaomiにイヤホンを供給している実力派メーカーです(完全ワイヤレスイヤホン+1MORE)。