4K液晶テレビ・「A6H」シリーズはハイセンスの2022年モデルのベーシッククラス。
「A6H」シリーズのラインナップと2023年11月時点での実売価格
75型「75A6H」120,000円前後
65型「65A6H」 85,000円前後
55型「55A6H」 65,000円前後
50型「50A6H」 50,000円前後
43型「43A6H」 45,000円前後
4K液晶テレビ・「U7H/E7H」シリーズはハイセンスの2022年モデルのスタンダードクラス。
なお、「U7H/E7H」シリーズとまとめているのはこの両シリーズは内容は同一で販路違いで型番が異なっているだけだからです(A7Hが家電量販店中心、E7HはECサイト中心)。
「U7H」シリーズのラインナップと2023年11月時点での実売価格
85型「85U7H」 28万円前後
75型「75U7H」 18.5万円前後
65型「65U7H」 12万円前後
55型「55U7H」 8万円前後
50型「50U7H」 7.5万円前後
43型「43U7H」 7万円前後
「U7H/E7H」シリーズは上記のように43型から85型まで6サイズと、幅広いサイズをラインナップしています。「A6H」シリーズは43型から75型まで5サイズ。「A6H」シリーズは85型がないのが違いです。
パネル解像度はいずれのシリーズも4K/3,840×2,160ドット。「U7H/E7H」シリーズの85/65/50/43型はVA型液晶、75/55型はADS液晶(IPS系)を搭載。
一方、「A6H」シリーズでは50V型がVA型のほかは43/55/65/75型がADS液晶(IPS系)を搭載。
「U7H/E7H」シリーズはVA型中心のラインナップ、「A6H」シリーズではADS液晶(IPS系)中心と、まるで住み分けるような違いとなっています。
ADS液晶(IPS系)のほうが視野角が広く、好ましいように言われますが、VA型のほうがコントラスト表現には優れると言われますので、一概にどちらがいいとは言えません。また、映像エンジンや倍速の有無なども関係してきます。
ただ、斜めから見ることが多い場合はADS液晶(IPS系)が有利なのは確かなので、ADS液晶(IPS系)にこだわりたい場合は、両シリーズのサイズごとのパネル種類をよく見て選ぶのがよいでしょう。
「U7H」シリーズのパネルは120Hzの倍速パネルを採用。スポーツなど、動きの速い素材での残像を大幅に低減できます。
「U7H」シリーズでは120Hz駆動を活かす、フレーム補間&3Dノイズリダクションのクリアモーションによる滑らかな動きもポイントです。
「A6H」シリーズは等速60Hz駆動。動きの速い素材ではそれなりに残像感があります。
なお、「A6H」シリーズでは残像を減らすための残像感軽減処理(LEDの点滅コントロールなど)として「SMR120」という回路を搭載していますが、120Hzの倍速パネルの残像の少なさには敵いません。
直下型バックライトに部分駆動非対応は両シリーズとも同様です。
HDRは、「U7H/E7H」シリーズはHDR10をはじめ、HLGとHDR10+、Dolby Vision、Dolby Vision IOなど、さまざまなフォーマットに対応。
Dolby Vision IQでは、テレビ本体の光センサーで取得した部屋の明るさ情報をHDR画質処理に反映。室内環境に左右されることなく常に最適なDolby Vision画質で映像を楽しめます。HDR10+信号を部屋の明るさに応じて自動調整するHDR10+ ADAPTIVEにも対応。
「A6H」シリーズではHDR10とHLGの2つのみに対応。
多彩なHDR規格への対応を望むのであれば「U7H/E7H」シリーズとなりましょう。
テレビの画質を大きく左右する映像エンジンは「U7H/E7H」シリーズは「NEOエンジンPro」を新規で搭載。NEOエンジンProは、2018年に東芝映像ソリューション(現TVS REGZA)と共同開発した映像処理回路の最新進化版。
「U7FG」シリーズの「NEOエンジン 2021」、さらには2021年モデルの上位で使用していた「NEOエンジン plus 2021」からも大幅に向上しているとしています。
最近の4K液晶テレビは4K以外の放送波やネット動画なども4K相当などの高画質にアップコンバートして表示してくれます。両シリーズともそうなのですが、その回路の内容が「U7H」シリーズではさらにグレードアップしています。
同時発表の上位機U9Hにも同じエンジンが採用されており、同社は「ディスプレイ部の性能に差はあるものの、U9HとU7Hの映像処理や基本的な機能は同等」としているほどの性能です。
「高精細ノイズ処理」、「エリア別適性露出復元」、「3段階超解像処理」という従来の処理に加え、
具体的には以下の4つの回路による画像処理が加わっています。
「AI放送高画質処理」
「AIネット映像高画質処理」
「AIシーン別超解像処理」
「AIモーション別超解像処理」
いずれも「NEOエンジン 2021」の内容に加わるものであり、さらなる高品位な高精細画像が楽しめます。
また、「美肌リアリティーPro」回路も新規で追加されています。
カラーマネージメントについても64色軸色彩コントロールが加わっています。
「A6H」シリーズでは映像エンジンは「NEOエンジンLite」を採用。東芝系の高画質な映像エンジンです。
最近の4K液晶テレビは4K以外の放送波やネット動画なども4K相当などの高画質にアップコンバートして表示してくれます。
映像エンジンに含まれる「エリア別クリア復元」「クリアノイズ処理」「テクスチャ―復元」によって高画質化を行います。
「A6H」シリーズの映像エンジン「NEOエンジンLite」も悪くはありませんが、「U7H/E7H」シリーズの「NEOエンジンPro」とは差があると言わざるを得ないでしょう。
スピーカー構成などサウンド面も違いがあります。
「U7H/E7H」シリーズはステレオスピーカー構成(10W+10W)にプラスしてテレビ背面に20W出力のサブウーファーを搭載。実用最大出力は40Wで「従来の薄型テレビでは実現出来なかった迫力の重低音を実現する」としています。立体音響のDolby Atmosにも対応。
「A6H」シリーズはステレオスピーカー構成(10W+10W)に留まり、Dolby Atmosにも対応していません。
音響最適補正技術「Eilex PRISM」やサウンドリマスター「Eilex FOCUS」はどちらも搭載しています。
「U7H/E7H」シリーズのHDMI入力は4系統でeARCに対応。このうちHDMI1~2は4K/120p入力に対応。
VRRやALLMも利用可能。AMD FreeSync Premiumもサポート。
「U7H/E7H」シリーズの「ゲームモード」は4K/120p入力時は約0.83msの低遅延を実現する「ゲームモードPro」に進化しています。
「A6H」シリーズはのHDMI入力端子は3系統。4K/60pまでの対応。HDMI入力は18Gbpsまでで、ARCに対応。HDMI2.1に規定される機能のうちALLMは搭載しています。
「U7H/E7H」シリーズではHDMI入力自動画質調整も備え、HDMI入力の音声フォーマットを解析し、接続したレコーダーで視聴しているコンテンツが録画番組か、Blu-rayかを判断して、適切な画質に自動調整してくれます。
「U7H/E7H」シリーズのチューナー数は、BS 4K/110度CS 4K×2、地上/BS/110度CS×3。別売りのUSB HDDへの録画に対応。4K放送(裏番組録画)や、地上/BS/110度CSの裏番組を2番組同時に録画できます。
「A6H」シリーズはBS/CS 4Kチューナー1基、地デジ/BS/CS 2Kチューナー2基を搭載。別売の外付けUSB HDDを接続すれば、2K放送や、4K放送の番組録画が可能なのも同様。ただし、2K放送の2番組同時録画はできず、視聴中の裏番組録画のみ対応となっています。
ネット動画をはじめ、ネット接続関連の機能性の面では、両シリーズともハイセンスの独自UIである「VIDAA」を搭載。NetflixやYouTube、Amazon Prime Video、ABEMA、hulu、U-NEXTなどのインターネット映像配信サービスが利用できます。
リモコンは「A6H」シリーズはBluetooth非対応ですが、「U7H/E7H」シリーズはBluetooth対応で、テレビの受光部にリモコンを向けなくても操作可能。
「U7H/E7H」シリーズのみ、そのほかスマートフォンの画面をテレビに映し出せる「スクリーンシェア」や、Bluetoothでの音声出力、音声でチャンネル、音量、入力切替などが操作できる「VIDAA Voice」も搭載しています。
「A6H」シリーズはAlexa搭載スマートスピーカーを連動させることで音声操作が可能です。
「U7H/E7H」シリーズの4K/120対応、VRRやALLM対応などは、PS5などの最新ゲーム機を遊ばないのであれば必要性は低い機能です。とは言え、普通にテレビや動画を見る分にも倍速駆動や映像エンジンの向上の恩恵は得られます。
4K/120対応のハイコスパ4K液晶テレビが欲しい向きには「U7H/E7H」シリーズは有力な候補であることは変わりません。
それでも価格と自分の要求する画質との折り合いが重要です。
4K/120と倍速非対応の「A6H」シリーズも、普通にテレビを観る分には不満が出ないほどの品位に達しています。そのほか、内蔵チューナー数の違いによる録画機能の不足、Bluetooth関連や画面キャスト機能などの不足などはあります。
結局は価格と画質、機能に対して個々のユーザーがどのようなバランスを要求するのかによるでしょう。