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Astell&Kern A&futura SE300 レビュー・音質情報

DAP

Astell&Kern A&futura SE300 約33万円のDAP

Astell&KernのDAP(ポータブルオーディオプレーヤー)「A&futura SE300」が2023年6月17日に発売。価格は329,980円。サイズ (W×H×D)は76.45mm × 139.45mm × 17.6mm、重量は約317g。

完全ディスクリートの「R-2R DAC」を搭載

Astell&KernのDAPプレミアムライン「A&futura」シリーズの新世代モデルで、AK初となる完全ディスクリートの「R-2R DAC」を搭載したモデル。

一般的にDAPやDACで用いられる汎用DACチップではなく、アナログの音をより高度に再現するために24bit精度のディスクリート構成のR-2R DACを搭載(いわゆるマルチビット型DAC)。48組(23×R、25×2R)96個の誤差0.01%の超精密抵抗器を1つ1つ厳選して検査、選別、配置し、完全ディスクリート構成の24bit R-2R DACの技術を確立させたとしています。

0.01%抵抗の誤差範囲の温度変化による影響を最小限に抑えるために、超高精度のTCR10仕様(10ppm/度 抵抗器の低温係数)となっているなどの高い技術によって実現。。

さらに、初の自社開発となるFPGA(Field Programmable Gate Array)を搭載。FPGAを用いて最適化した設計により、デジタル信号をアルゴリズムでR-2R DACに中継。

OS(オーバーサンプリング)/NOS(ノンオーバーサンプリング)モードに対応

これによりハードウェアとプログラムに合わせて緻密に設計された最も理想的なOS(オーバーサンプリング)/NOS(ノンオーバーサンプリング)モードに対応できるとのこと。OSモードでは、部分的なデジタル処理により原信号の帯域を拡大し、細部まで鮮明でクリアなサウンドを実現。NOSモードでは、デジタル処理を一切行なわないピュアな原音を再生し、R-2R DAC自身がデコードした真の無加工の音を楽しめると謳っています。

2種類のバランス出力とClass-A/AB Dualアンプモード

3.5mmヘッドホン出力端子に加えて、2.5mmバランス出力端子と4.4mmバランス出力端子も搭載されています。

ヘッドホンアンプ部は、消費電力は大きいながらも歪みの少ない自然なサウンドのA級アンプと、ダイナミックなサウンドを高効率で再生するAB級アンプを切り替え可能な、Class-A/AB Dualアンプモードをブランドとして初めて搭載。

ノーマルゲインとハイゲインの2段階ゲインコントロールを搭載し、さらなる高出力化も実現。

[ノーマルゲイン] アンバランス 2Vrms / バランス 4Vrms (無負荷)
[ハイゲイン] アンバランス 3Vrms / バランス 6Vrms (無負荷),

そのほかの機能・内容

・5.46インチフルHDディスプレイ
・microSDスロット×1 (最大1TB)
・384KHz/32bit、DSD256ネイティブ再生、MQAサポート
・リプレイゲイン機能 ※192kHz/24bitまでの音源に対応
・USB-DAC機能 ※Windows用ドライバーはHPからダウンロード
・USBデジタルオーディオ出力機能
・光デジタル出力機能(3.5mmイヤホンジャック兼用)
・Bluetooth 5.0搭載、aptX HD / LDAC コーデック対応
・Bluetoothレシーバー「BT Sink」機能
・デュアルバンドWi-Fi(2.4GHz/5GHz)に対応
・ワイヤレスでのファイル転送が可能な「AK File Drop」機能
・DLNA強化のネットワークオーディオ再生機能「AK Connect」対応
・YouTube動画/音楽ストリーミングサービス視聴「V-Link(Movie/Music)」機能
・音楽ストリーミングサービスアプリ等をインストール可能「Open APP Service」機能
・AK CD-RIPPER(別売)に対応
・バッテリー再生時間約12時間。充電時間約3.5時間

Astell&Kern A&futura SE300 レビューサイト

Astell&Kern A&futura SE300 レビュー | 様々な音質を楽しめるオーディオプレーヤー
Astell&Kern A&futura SE300をオーディオ専門店スタッフがレビューします。アステルアンドケルンDAPの最新作は、フルディスクリート構成の24bit R-2R DAC回路、デュアルアンプを搭載し、様々な音質を楽しめるオーディオプレーヤーを詳しく紹介します。
【レビュー】 アナログ的な音が新鮮、AK新境地「A&futura SE300」。A級/AB級アンプ切替で音が変わる
Astell&Kernのポータブルプレーヤーの3つのラインの中間であるA&futuraの最新モデル「A&futura SE300」(6月17日発売/直販329,980円)が登場した。大きな特長としては、フルディスクリート構成のR-2R DACと独自開発のFPGAによる新開発のD/Aコンバーター、...
【ミニレビュー】 AK初、ディスクリートR-2R DAC搭載「A&futura SE300」先行試聴してきた
アユートは27日、Astell&Kern初となる完全ディスクリート「R-2R DAC」を搭載したDAP「A&futura SE300」、AKと独Vision Earsとのコラボイヤフォン「AURA」の先行試聴会を秋葉原で開催。注目のサウンドを短時間だが試聴できたので、ファーストインプレッションをお届けす...
【視察レポート】Astell&Kernの新製品試聴会に行ってきました!!
話題のAstell&Kern新製品SE300,AURAを実際に聴いてきました!!   皆様こんにちは、PR部のゆーでぃです!   Follow@eear_Yudy    
独自設計のR2R DACを搭載、Astell & Kernの「SE300」を聴く - 週刊アスキー
R2R形式という言葉を聞きなれない方も多いと思うが、初期のCDプレーヤーなどで採用されていた歴史の長い方式である。

Astell&Kern A&futura SE300 レビュー(ツイッター)

Astell&Kern A&futura SE300 各種レビューから読み取れる評価・考察

R-2R DACに由来すると思われる基本的な音質傾向の評価

R-2R DACによる音質はいずれも高い評価で、伸びやかで豊かなサウンドが特徴と思われます。
音の奥行きや解像度、ニュアンスまで再現する能力があり、音楽の表現力に深みを感じることができるようです。しっかりとした低音と自然な高音がバランスよく再現されるようです。音楽の響きや奥行き、立体感が豊かであり、生々しさとリアリティが感じられるのも特徴のようです。

いわゆるマルチビットDACの特徴と言われる、低域の力強さ、音の迫力と音像の実在感といった従来からの長所に、CD時代のマルチビットDACでは苦手とされていた細かな解像感やニュアンス感、雰囲気感も持ち合わせているようで、かなりハイレベルな万能性を感じます。音のキレのよさや声の再現性の高さを賞賛する人も多く、このあたりはAKのDAPに共通の長所かもしれません。

モード切替による音質の違いについて

以上の基本的な音質傾向のうえで、

NOSモードでは、音が柔らかく自然であり、音が温かみも持ち、中域の表現力が際立つと評価されています。
OSモードでは、解像度と空間表現に優れ、広がりのある音場を実現。
Class-Aモードでは、中域の芯の太さや音の厚み、奥行き感、陰影感が増し、アナログ感が強調。
Class-ABモードでは、低音の迫力やエネルギー感、ダイナミズムが向上し、迫力のあるサウンドに。全体的に整然としたクリアで現代的なサウンドも特徴。

といった違いが生まれるようで、DACのNOS/OSモードとヘッドホンアンプのClass-A/AB切り替えの組み合わせで、個人の好みや音楽ジャンル、音源それぞれに合ったサウンドで聴ける表現力の幅がさらにあると言えそうです。これらの音質傾向の違いは、それぞれの動作における一般的なイメージ・傾向にも合致しており、本機の設計が各動作の特徴を生かした適切なものであることも感じさせます。なお、音の温かみや濃厚さなどの項目は、このブランドにしては、という傾向のようで、基本的にはキレのよいクリアで高解像度系を基本に変化するというとらえ方になりそうです。

音質以外の要素への肯定的評価

インターフェースが使いやすく、直感的な操作が可能と評価されています。
ディスプレイの品質が高く、表示が鮮明で見やすいと評価されています。
高品質な音楽再生を実現する機能が充実しており、ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズが可能と述べられています。
多機能性があり、さまざまなオーディオフォーマットやハイレゾ音源に対応していることが好評とされている。
ヘッドホンアンプのパワーが十分であり、さまざまなヘッドホンやイヤフォンに対応していることが好評とされています。
AB級動作においてはバッテリーの持ちが良く、長時間の音楽再生が可能であると述べられています。
Bluetooth接続の安定性が高く、ワイヤレスでの音楽再生が快適であると評価されています。
多様な接続オプションがあり、さまざまな機器との連携が容易であると評されています。
イコライザーや音場設定などのオーディオ調整機能が充実しており、自分好みの音質調整が可能であると述べられています。

本機への否定的な評価や懸念点

Android OSではなく独自OSのため、機能性やアプリの汎用性・利便性はAndroid DAPに譲る部分もある
ポータブルオーディオプレーヤーにしては大きくて重い
ポータブルオーディオプレーヤーにしては高額
より高額な上位モデル(定価で倍ほど)SP3000SSと比べると音質的な差は感じる
そもそも思っていた音質と違って感じる(R-2Rらしくない音質という意見も)
同ブランドのポータブルオーディオプレーヤーは発売後しばらくしてからの実売価格の下落が大きいことがある
A級動作でハイレゾ音源を聴くとバッテリーがあまり持たない
独自のディスクリートDAC部分の故障時などのメンテナンス性が汎用品に比べて不安があるかもしれない

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