オーディオテクニカは、創業60周年記念モデルの第1弾として、オーバーイヤー密閉型ヘッドホン「ATH-W2022」を発売すると発表しました。発売日や価格などの詳細情報は11月ごろ発表予定としています。
1962年にカートリッジの製造・販売から始まったオーディオテクニカは今年2022年に創業60周年になります。これを記念しての特別モデルを販売するものです。
「ATH-W2022」はMCカートリッジ「AT-MC2022」とともに、創業60周年記念モデルの第1弾として発表されました。60周年記念モデルの追加発表もあるとしています。
「ATH-W2022」はウッドハウジングを採用した「ATH-W」シリーズの最新モデルで。1996年の初代ウッドモデル「ATH-W10VTG」から数えてじつに14代目となります。
これまでさまざまな木材がハウジングに採用されてきましたが、今回、初代モデルで採用されていたミズメ桜をふたたび採用。シリーズ共通の美しい響きが期待されます。
ヘッドホンというと、心臓部はドライバー。今回、バッフル一体型の新開発58mmドライバーを搭載。新開発ということで、大いに注目されます。高級開放型モデルATH-ADX5000の技術も活用し、30 ミクロン (0.03 mm) の厚さにプレス加工された純チタン・センター・ドームで構成。
逆起電力を低減するために、純鉄板を積層した構造のポールとヨークを組み込んだ新しい磁気回路を設計・採用しているのもポイント。
スペックは周波数特性が5Hz~50kHz、感度は98dB、最大入力は2000mW。
ハウジングには越前漆塗りを採用。さらに職人が一筆一筆丁寧に描いた蒔絵が施されるのも大きな特徴。ハウジング左側に日本の象徴ともいえる満開の桜、右側には日本文化において平和の象徴と尊ばれている鳳凰が描かれています。
高純度7N クラスのD.U.C.C. (Dia Ultra Crystallized Copper)を使用した、取り外し可能な布巻きケーブルが2本付属。 ケーブルの長さは3mでA2DCコネクタで着脱可能。 1 つは標準の 6.3 mm金メッキステレオプラグ、もう1つは 4ピン XLRバランス コネクターを備えています。
ヘッドホンアームの入母屋スタイルに合わせてカットした木曽ヒノキの蓋がついた記念の木製収納ケースも付属。
ハイエンドな密閉型ヘッドホンとして大いに期待できます。高級ヘッドホンというと、海外メーカーの平面型も人気を高めているなか、オーソドックスなダイナミック型の正統的な高級機の登場となりそうで、最新・最高のヘッドホンとして注目されます。
国内のヘッドホン愛好家ももちろん、非常な興味を持って製品を受け止めていますが、気になるのは価格。
昨今の世界的な電気製品の値上がりもあり、これまでの周年モデルに比べても高くなりそうというのはあります。
本機に関しては、これまでの周年記念ヘッドホンとは異なり、ハウジングにかけるコストが上昇するような要素となる越前漆塗りと蒔絵が加わっており、このために非常に高価になるのではないかと懸念されています。ネット上では9000ドルという話も出ており、本当なら100万円を超えるヘッドホンになってしまいますが、どうなのでしょう。まだ現時点ではわかりませんが。
越前漆塗りは音質的メリットもありますが、蒔絵に関しては音質とは関係ない要素なだけに、蒔絵のために高くなるのは残念という向きもあるようです。
ただ、本機に関しては記念モデルであり、コレクターズアイテムという面も大きいのでしょう。
できれば、本機のヘッドホンとしての心臓部を維持し、越前漆塗りや蒔絵を省略し、価格を抑えた通常販売モデルの登場も期待したいところです。
国内価格が11月1日に発表されました。税込み132万円。世界限定100台。11月25日発売で、予約開始は11月7日10時。