AVIOTは完全ワイヤレスイヤホン「TE-Q3」を2023年10月2日に発売しました。価格は11,990円。カラーはブラックオニキス、ラピスブルー、パールホワイト、ピンククオーツ、レッドスピネル、ラベンダージェイド。
「TE-D01q2」(2022年6月発売・7,920円)の後継機。外観デザインをはじめ、SoC、設計を一新。「業界最小クラス」という充電ケースを実現したほか、アクティブノイズキャンセリング機能も進化させているとしています。そのほか充電ケース込みでの使用時間が伸びています(34時間から42時間にアップ)。
デッドスペースを徹底的に排除したバーティカルレイアウトにより、従来モデルより約33%の小型化を果たし、業界最小クラスの充電ケースを実現しているのが最大の特徴。
外観デザインも変更するとともに、多層塗装やラバー仕上げにより、高級感のある質感を実現しつつ、「持ったときの滑りにくさ」や「傷に強い」といった実用面でも向上を図っています。
イヤホン本体も小型化を目指しつつ、装着性の向上も図っています。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)を引き続き搭載。新型プロセッサーの搭載により、従来モデル「TE-D01q2」からANC性能をアップ。広帯域にわたりノイズを低減させるとしています。
新SoCの採用で通話時のマイクノイズキャンセリング性能も向上。声以外の騒音を効率よく低減し、通話相手にクリアな「声」を届けられるとしています。
10mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載。フロントチャンバーによって、クセの少ないアコースティック特性を追求したとしています。
サウンド面のチューニングは、「日本語を聞きなれた人が最も心地よく感じるサウンド」というJAPAN TUNEDを引き続き標榜。定評のあるAVIOTのサウンドで楽しめるようにしています。
BluetoothのコーデックはAAC、SBCに対応。独自の低遅延モードも搭載。マルチポイント接続や片耳のみで使用できる片耳モードにも対応。イヤホン本体はIPX4相当の生活防水仕様。
再生基本操作や音量、ANCのオン・オフなどの本体操作はタップ式。
専用アプリ「AVIOT SOUND ME」を利用すると、本体操作のカスタマイズも可能。
本体で最大11.5時間の連続再生が可能。充電ケース併用で、最大42時間再生でき、従来モデルより8時間も長く使えます。急速充電も可能で、約10分の充電で最大90分の連続再生が可能。
イヤーピースには医療用グレードのシリコンを採用し、形状と硬度を再設計。優れたフィット性と遮音性を提供すると同時に、肌に優しい装着感も実現したとしています。サイズはXS、S、M、Lの4サイズ。
充電ケースもイヤホン本体も小さく、デザインやカラーリングも機械っぽさよりもアクセサリーのような方向性。タイアップアーティストには、「あの」を起用しているといったことからも、多分に女性ユーザーも意識した製品なのでしょう。イヤホンの小型化と装着したときに耳から出すぎないことも、女性向けの設計に思われます。従来モデル「TE-D01q2」も女性向けと思われましたし。
一方、音質面では女性向けのイヤホンやオーディオ機器は、高域や低域を弱めて穏やかに聴きやすい傾向にまとめがちな印象もありますが、AVIOTの場合は、しっかりとオーディオ的なサウンドで作りこんでいるのが特徴です。
本機の場合も、ややドンシャリ的な傾向で、高域も低域もしっかり出ているようです。全体としては情報量やワイドレンジ性を追うよりも、自然な傾向のようで、このあたりはやや女性向けの面かもしれません。
耳にしっかりと装着でき、装着感も良好という評価が、男性レビュアーからも多いので、完全ワイヤレスイヤホンは筐体が大きく装着しにくいことが多くて困っているという男性ユーザーも試してみる価値はありそうです。
いまどきハイレゾコーデックに対応せず、ANC性能もそれほどは強くないようで、機能面でのコスパは高いとは言えないでしょうか。aptX Adaptiveくらいには対応して欲しかったところです。
充電ケースが業界最小クラスというのは本当なので、充電ケースも携帯しての使用が多く、その大きさに敏感な人は、この点だけでも本機を検討する価値がありそうです。
従来モデル「TE-D01q2」からの違いとしては、充電ケースの小型化、ANC性能の向上、充電ケース込みでの使用時間、デザイン、そして音質、となりますが、イヤホン本体の機能性やスペックはあまり変わっておらず、これで数千円の価格上昇をどう捉えるかは難しいかもしれません。従来モデル「TE-D01q2」は他メーカーに比べて壊れやすいというレビューが多かったのが気になる点でしたが、本機ではそのあたりも改善されていることを期待したいところです。