アクシスは、同社が取り扱うアメリカ・AyreのUSB-DAC「QB-9」について、従来バージョンの全モデルを対象とした「QB-9 Twenty」へのアップグレードサービスを開始すると発表しました。
価格は部品・工賃込みで210,000円(税込)、送料は実費で別払い。
このアップグレードにより、デジタル再生については最大DSD 11.2MHz、PCM384kHzまで対応スペックを拡大。アナログ系では “Twentyテクノロジー” によるオーディオ回路と電源回路のグレードアップを施し、高音質化を図るとしていて、単に入力できるデジタル信号のスペックが高まるだけにとどまりません。
Ayre QB-9というと、まだUSB接続によるPCオーディオ再生が一般的でなかった2009年に発売され、その音質と完成度の高さから、USB-DAC黎明期のリファレンスモデルの一つとしてオーディオ史にその名を刻む名機です。
USB-DACでは現在では当たり前となっているアシンクロナス伝送を確立したことも大きな功績です。QB-9は、翌2010年には192kHzに対応し、さらに、2013年にDSD2.8MHz対応、さらに2017年にはDSD5.6MHz対応と、着実にバージョンアップしたモデルを出してきました。
(「QB-9 (96kHz version A-E)」、「QB-9 (192kHz version F-H)」、「QB-9DSD(version J-M)」、「QB-9 2xDSD」という流れ)
今回は、新モデルということではなく。既存の、しかも最初のモデルも含めて、最新の内容を纏ったQB-9 Twentyに生まれ変わらせられます。
ノイズ対策やジッター対策、電源対策など、現在も多くのUSB-DACがそれぞれに技術と効果を競い合っている部分ですが、USB-DACの草分けであるAyreによる最新の回答が聴けるという点でも今回のアップグレードは大きな意味を持つでしょう。
なお、Ayreでは2017年にも従来の全てのモデルを「QB-9 2xDSD」にバージョンアップするサービスを行っていました。「QB-9 2xDSD」にバージョンアップさせたモデルを持っている人には今回のサービスはスペック的にはそれほどの変化ではありませんが、DACチップの変更をはじめ、ジッター対策、電源、アナログ回路など、多岐にわたる変更があるため、やはり、バージョンアップの意義は大きいように思えます(USB-DAC:Ayre)。