「BALMUDA The Speaker M01A 」同社初のスピーカーが正式発表
すでにティザーサイトが公開され、4月22日の正式発表も予告されていた、バルミューダ(BALMUDA)初のスピーカー「The Speaker 」(型番はM01A)。
予定どおり本日、4月22日に発表されました。価格は32,000円(税抜)。4月22日より予約が開始され、6月下旬の出荷を予定しています。
有機ガラス製の透明ボディに3基のLEDを内蔵した個性的でおしゃれなデザインが最大の特徴です。
内容の詳細をご紹介するとともに、予想との違いや、もっとこうであって欲しかった点なども含めて解説します。
スピーカー部の特徴
Bluetooth入力にも対応したモノラルタイプのバッテリー内蔵型のアクティブスピーカー。外形寸法は直径105×188Hmm、質量は約1.0kgとコンパクト。
77mm径のフルレンジユニットを1基上向きに搭載し、無指向性による音の広がりを高めたいわゆる360°スピーカー的な設計。
有機ガラス製の密閉型エンクロージャーを採用。強度と硬度を兼ね備えた有機ガラスは、密閉型構造と独自ユニットの採用も相まって、見た目のよさだけでなく閉じ込めた空気がバネのように作用し、「明瞭でキレのある音」を実現するとしています。
「低音は下方から、高音は頭上から、そしてボーカルは目の前から聞こえてくるような、奥行きのある音像を生む」サウンド設計を施していると謳っています。
音楽に合わせて光る3基のLEDも特徴的
また、ガラス製ボディとともに、見た目の大きな特徴となっているのが内部に据えられた3基の筒状LEDライト。
3ピースバンドのミュージシャンをイメージして配置されたもので、再生する音楽を独自のアルゴリズムにより、0.004秒の速さで解析。音を光の輝きへと変換。音楽に合わせて動的に光るギミックとなっています。
まるでミュージシャンが歌い上げるように、LEDユニットの筒が複雑に明滅する様子が楽しめるという趣向としています。
光のモードは、曲に合わせてダイナミックに明滅するアップテンポな楽曲向けという「ビート」、ほどよい抑揚をつけて明滅し、バラードなどの静かな曲にマッチするという「アンビエント」、曲とは連動せず、キャンドルのように揺れ動き、落ち着いて音楽を聴きたい時などにマッチする「キャンドル」の3モードから選択できます。
3つのLEDユニットの光り方は同じですが、色温度に違いがあるとのことで、このあたりもデザイン性やスタイリッシュさにこだわりのあるバルミューダらしいと思います。
なお、音楽再生中に光をOFFにする事はできません。この点には注意してください。
そのほかの仕様
そのほか、アクティブスピーカーとしての仕様としては、音声入力はステレオミニによるアナログ有線AUXとBluetoothからのワイヤレス再生に対応。Bluetoothはバージョン5.0、コーデックはSBCのみに対応。バッテリーも内蔵し、約2.5時間のフル充電で約7時間の再生が行えます。アンプ部最大出力は8W。
操作は本体の下側に集約された物理ボタンで行います。
「The Speaker 」はオーディオ的な追求をしたスピーカーではない?
デザイン家電メーカーとして、今や揺るぎない存在になっているバルミューダ。そんなバルミューダ初のスピーカーだけに、ティザーサイトの公開以降、大きく話題になり期待も集めていました。
事前の予想では、内部の明かりは真空管ではないか、とか、機能面ではハイレゾ対応まではなくとも、スマートスピーカー機能は持っているのではないかなど、いろいろありました。
結果的には真空管は搭載しておらず、スマートスピーカー機能のない、シンプルなBluetoothスピーカーといった製品で、デザイン性を重視したインテリア性の高いスピーカーと言えるものだと思います。
開発の経緯としては、バルミューダの代表である寺尾玄氏は、バルミューダを設立する前はミュージシャンとして活動していたことが関係しているのだそうです。
生音の素晴らしさを知っている寺尾玄氏は、家電で生音を再現するには限界があると考えており、バルミューダでスピーカーを手掛ける考えはなかったそうです。しかし、バルミューダのデザイナーが試作機として開発したスピーカーが、ミュージシャンが音楽を奏でるように光るという“今までにない音楽体験”を実現するものだったことから、製品化を決断したとしています。
どうも、このような経緯から、バルミューダがスピーカーを出すにしても、機能性や音質をオーディオメーカーのようにはことさらには追わない、というコンセプトになるようです。
それでも、バルミューダの既存の家電は、機能性や性能にも優れるものの少なくないため、今後、スマートスピーカー機能を搭載する上位モデルなどは登場するかもしれません。
ただ、コンセプトからするに、真空管アンプを内蔵するとか、ハイレゾ対応スペックの実現、ネットワークオーディオ再生機能やUSB・デジタル入力の搭載といったオーディオ的な追求は難しそうです。
そのような使い方ではなく、あくまで、空間を彩りながら“今までにない音楽体験”を提供できる独自の立ち位置を持ったスピーカーであるととらえるもののようです。
それでも、2台を使用してステレオ再生できる機能くらいは付けて欲しいところです。今後、バージョンアップなどでできないのでしょうか。
※バルミューダと言えば扇風機
他と比較するのではなく独自の存在感こそが価値
内容が判明したあとのネット上での反応も、好意的なものが多く、バルミューダによるコンセプトをよくわかっている人が多いようです。すでにバルミューダの家電を複数導入している人も少なくないようで、確立されたデザイン家電メーカーの強みも大いに感じます。
オーディオ愛好家から見ると、似たような外観やコンセプトのソニー・LSPX-S2とどうしても比較してしまいますが、同列に比較して戦わせるものではないと割り切る必要があるようです。
音質、性能も追求したスマートスピーカーなら、国内のLUXMANや海外のB&OやLINNなども出しています。音質を追求したいのであれば、そういう製品になるのでしょう。
「The Speaker 」が成功すれば、他の家電メーカー(オーディオメーカーというよりも白物的な家電メーカー)が追随するのかも気にはなります。ただ、これまでバルミューダが成功してきたデザイン家電の各製品にも類似品でもっと安いものが出てきていますが、それでもオリジナルのバルミューダの優位性が揺らいでいる気配はあまりないだけに、おいそれと他社も手が出せないかもしれません。
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