Bang & Olufsenは、アクティブノイズキャンセル機能を備えたワイヤレスヘッドホン「Beoplay H9 3rd Gen」を2019年5月30日から発売しています。価格は10%税込み61,000円。
従来モデル「Beoplay H9i」の後継機。そもそも、本製品は、同ブランドのワイヤレスヘッドホンのフラグシップ「H9」シリーズのモデルで、「H9」「H9i」ときて、第三世代モデルとなっています。
では、従来の「Beoplay H9i」と比較して、「Beoplay H9 3rd Gen」はどこが違うのかをご紹介します。
実のところ、ワイヤレスヘッドホンでは重要になる、ノイズキャンセリング機能や性能、また、ヘッドホン自体の音質や設計にはほとんど変更はありません。といっても、以下に挙げるような変更点はあり、チェックは必要だと思います。
変更点としては、まず、新たにGoogleアシスタント機能に対応。音声コントロール専用ボタンを搭載し、Googleアシスタントにすぐに接続することができるようになったことです。そのほか、Siriなど接続デバイスの音声アシスタント機能を有効にすることも可能となっています。
次にBluetoothの対応コーデックですが、これは対応が増えています。従来のSBC/AACに加えてaptX LLもサポート。
機能面での追加はこれくらいです。
次に、バッテリー持ちが良くなっています。Bluetoothおよびノイズキャンセリング(ANC)を同時利用した際の連続再生時間は最大25時間と、「H9i」よりも約7時間長くなっています。Bluetooth使用時で32時間、ANC使用時で33時間の長さ。「H9i」ではBluetooth使用時で23時間、ANC使用時で24時間でした。
充電時間は「H9i」の2.5時間より少し長くなって3時間となっています。充電端子はUSB-C。
ヘッドバンドは頑丈で軽量なアルミニウム製フレームを上質な牛皮素材でカバー。イヤークッションにはラムスキンを採用と、このブランドらしい上質さでモノとしての魅力が高いのも特徴ですが、「H9 3rd Gen」では、パディング部分に改良を施し、より快適な装着感と通気性を実現するとしています。ここは長時間使用する人にとっては実用面で重要な変更かもしれません。
カラバリはArgilla Bright、Black、「H9i」ではNatural、Black。黒系は同じようですが、もうひとつのカラーである「肌色系」の色味が少し異なっています。「H9 3rd Gen」のArgilla Brightのほうが少しピンクよりかもしれません。
ドライバー径が40mm、周波数特性が20Hz~20000Hzという基本スペックも同じ。本体サイズは195(幅)×200(高さ)×52(奥行)mm、重量が285g。も同じ。
右側のイヤーカップにタッチセンサー・コントローラーを搭載しての操作系も同じ。ヘッドホンをしながら周りの音を聞きたい場合に、ワンタッチで外部の音を取り込める「Transparency Made」も搭載。
イヤーカップ内外に内蔵した2つのマイクで感知して騒音を低減する「アクティブノイズキャンセル機能」も搭載。
専用アプリのToneTouch機能を用いて音質の調整も可能です。有線接続も可能で、3.5mmジャックを備えた長さ1.2mのオーディオケーブルも付属。
音質についてはBang&Olufsenの伝統的なサウンド・エンジニアリング技術によって精巧にチューニングを施しているというのがシリーズの売りです。
「H9i」から「H9 3rd Gen」の変更では、特に音質についての変更は言及されてはいません。音以外の変更が主なのはたしかです。
ただ、バッテリー持ちが大幅に向上している一方、バッテリー容量をそれに見合うだけ増やした様子がない(重量が同じ)なので、バッテリー持続時間の向上は、内蔵アンプの省電力化による部分が大きいものと推測されます。
普通、ヘッドホンアンプ部の電力を省力化すると、バッテリー持ちはよくなりますが、音量や音全体のパワフルさが減って感じる場合もあります。
とはいえ、同ブランドはもともと、省電力なD級アンプの草分けでもあるので、音質をできる限り損ねないでバッテリー持ちだけを改善した可能性も十分にあります。それだけの実力を持ったメーカーでもあります。
この両機を聴き比べて、音質が明らかに変化した、という評判も聞きませんので、なんとも難しいところです。ヘッドホンの物理スペックを公開していないだけにいっそうわかりません。
機能面での向上と販売価格(なぜかそれほど違わない)を考えると、やはり新型の「H9 3rd Gen」でいいような気はします(ノイズキャンセリングワイヤレスヘッドホン+B&O)。