BoCoは、鼓膜を使わずに音を聴く骨伝導イヤホン「earsopenシリーズ」の最新モデルとして、世界初・完全ワイヤレス骨伝導イヤホン「PEACE TW-1」を7月30日に発売します。税別価格は1万9800円。
骨伝導技術の専業メーカーであるBoCoは骨伝導かつ、音質にこだわったイヤホンを出し続けてきた注目のメーカー。
これまでも、骨伝導では世界初のハイレゾ対応イヤホンを発売するなど、その高い実力を世間に示してきました。
そして、ついに世界初となる完全ワイヤレス骨伝導イヤホンを商品化。今年2月にはウェアラブルEXPOにおいてデモ機を展示、その後クラウドファンディングを行っていたモデルが市販発売になった形です。片側の外形寸法は36×27×15mm。重量は左右セットで15g。本体カラーはホワイトとブラックの2色。
製品化に至るまでには試行錯誤が繰り返され、振動素子をこれまでの骨伝導イヤホンのようにこめかみにあてるのではなく、耳の軟骨にあてることで音漏れを軽減するといった工夫が盛り込まれています。具体的には従来モデルでネックバンド型の「BT-5」と比較して約50%音漏れ低減を実現しています。
なにより、「世界最小の骨伝導デバイス」を開発できたことが、小型化が求められると同時に、多くの部品が必要となるためにスピーカー部の容積を普通のイヤホンのようには取りにくい完全ワイヤレスイヤホンでの骨伝導の実現に大いに寄与しています。
振動デバイスとハウジング技術の工夫により、、従来の骨伝導イヤホンでは難しかった音の量感と中低音域の再現力も高め、音質的にもハイレベルであることをアピールしています。
本体素材にはポリカーボネイトとエラストマーの複合材を用いて快適で柔らかい装着性と耐久性を両立。耳を挟み込むT字型イヤーカフ構造を採用しており、フィット感の高さと、動いても落下しにくい形状もポイントです。
耳を塞がないため音楽を聴きながらでも周囲の音が聴こえるというメリットはスポーツ時にも活きるため、骨伝導イヤホンをスポーツ時に使うユーザーは多いだけに、この内容はうれしいところです。
IPX7等級の防水設計を備えているため、スポーツ時から雨の中まで、水のかかるシーンでも問題なく使えます。
Bluetooth Ver5.0。対応コーデックはSBCのみ。プロファイルはA2DP、AVRCP、HFP、HSP、SPPに対応。
イヤホン単体での連続再生時間は約5時間、付属の充電クレードル併用で最大約12時間の使用が可能。端子にはUSB Type-Cを採用。
さすがに対応コーデックはSBCのみ。ここは今後、上位モデルや改良モデルが出る際に強化されるか注目のポイントです。もっとも、骨伝導で聴く場合、コーデックの違いを聴き分けられるのかという問題もあります。ただ、BoCoはハイレゾ対応相当のワイドレンジモデルを出しているくらいですから期待はできるでしょう。
音質やデザイン性だけではない独自の付加価値で大いに注目できる完全ワイヤレスイヤホンです。本機はすでに昨年のクラウドファンディングで多額の資金を調達できており、ごく一般よりも完全ワイヤレスイヤホンや骨伝導イヤホンに感度の高いユーザーにとっては大注目の存在であることは周知です。
ただ、国内大手メーカーも含めて、なかなか他社には技術的にも難しそうなタイプなので、本機が成功したからといって、次々に追随するメーカーが現れるとも思えません。
本機の一般販売がうまくいったなら、BoCo自身が、さらなる音質重視モデル(対応コーデックが増える、ハイレゾ対応相当に再生能力を高めるなど)を出してくれるでしょうか(完全ワイヤレスイヤホン+BoCo)?