ボーズ(Bose)は、Dolby Atmosに対応したサウンドバー「Bose Smart Soundbar 600」を2022年10月に発売しました。価格は74,800円。
別筐体のサブウーファーのない一本タイプのサウンドバーで、2022年2月24日に119,900円出発売された、これも一本タイプのサウンドバーである「Bose Smart Soundbar 900」の下位モデル。
「Bose Smart Soundbar 600」の内容を「Bose Smart Soundbar 900」と比較しての違いも加えながらご紹介。
幅70cmと「コンパクトながら比類ないイマーシブオーディオを実現」したというのが売りで、このサイズで左右に加え上下方向の立体音響を楽しめるDolby Atmosに対応しているのが特徴。外形寸法は、69.5×10.4×5.6cm(幅×奥行き×高さ)。重量は3kg。
Dolby Atmosコンテンツ再生時は、チューニングされたデジタル信号処理と5基のトランスデューサー(スピーカー)が連携し、スピーカーを配置していない場所からもサウンドを出力。2基のサイドファイアリングレーストラック型トランスデューサーが相互に連動し、音を水平方向および音を天井に向かって反射させることで、頭上からもサウンドで満たされるような感覚を生み出すと謳っています。
ステレオ、5.1chなどDolby Atmosコンテンツ以外の再生時においても、「TrueSpaceテクノロジー」により、Atmosコンテンツのような、拡がりのあるサウンドを効果的に創り出すと謳っています。
入出力は、eARC対応HDMI入力、光デジタル入力、USB(サービス専用)、有線IRブラスターなど。
HDMI eARCに対応。テレビとはHDMIケーブル1本で連携できます。Wi-Fiに対応しており、Chromecast、Spotify ConnectとApple AirPlay 2をサポート。また、Bluetooth入力にも対応。
Googleアシスタント、Amazon Alexaによる音声操作にも対応。Alexaでは電話の発着信に加え、独自技術「Voice4Video」により、テレビの電源ON/OFFや、チャンネル、入力切替を音声操作で行なえます。
ボーズ製スマートスピーカーやサウンドバーなど、他のボーズ製品と連携可能。専用アプリ「Bose Music」により、デバイス/ボーズ製品同士のペアリングや、設定のカスタマイズ、ソフトウェアのアップデートを行なえます。
オプションのベースモジュールやリアスピーカーを組み合わせることで、システムをアップグレードすることもできます。(Bose Bass Module 500または700や、Bose Surround Speakersを追加可能)
上位モデルの「Bose Smart Soundbar 900」は上記の「Bose Smart Soundbar 600」の機能の全てを搭載したうえで、さらなる高音質のための機能を搭載しています。
スピーカー数は「Bose Smart Soundbar 600」の5つに対して9つと多く、その分基本的な再生能力が高まっています。
「Bose Smart Soundbar 900」のみ同社独自の空間音響処理技術「PhaseGuide」を搭載。従来のDolby Atmos対応サウンドバーが提供する“オーバーヘッド”サウンドに加え、スピーカーがない左右からの、明瞭かつ立体的なサウンドの拡がりを実現するとしています。
さらに、「Bose Smart Soundbar 900」のみ自動音場補正技術「ADAPTiQ」も搭載。室内に設置されている家具やサウンドバー自体の設置場所を変更しても、自動補正で、音響パフォーマンスが最適化されます。
また、独自の低音再生技術「QuietPort」技術により、音量にかかわらず歪みのない低域再生を実現するとしています。
外観に高級感のあるガラストップを備えているのも「Bose Smart Soundbar 900」のみの特徴です。
「Bose Smart Soundbar 900」の外形寸法は104.5×10.7×5.8㎝(幅×奥行き×高さ)。重量は5.75kg。
両者を比べると、サイズも価格も違っており、たしかに「Bose Smart Soundbar 900」は上位モデルではありますが、コンパクトな設置性という点では「Bose Smart Soundbar 600」が優れており、それでいてDolby Atmosには対応しているので、「Bose Smart Soundbar 600」を選ぶのも多いにアリでしょう。入出力やアプリなど、機能面でも同等なのもポイントでしょう。
Boseは人気の高いメーカーであり、音質も納得できる品位を確保していますが、使用スピーカーの細かい内訳(帯域分割はじめ口径や素材など)やアンプの内訳(出力やD級なのかといったあたり)をはじめ、再生周波数範囲なども非公開であり、このあたりが気になる向きにはソニーやデノンといった国内メーカーが適しているかもしれません。Wi-FiやBluetoothがハイレゾに対応していないのも気になるところです(HDMIなら対応できます)。
ただ、Boseの独自音響技術はやはり効果が大きく、いわばブラックボックス的なメーカーながら長年にわたって人気を維持しているのも音質面の実力があるからこそ。音を聴いて納得できれば「Bose Smart Soundbar 600」も「Bose Smart Soundbar 900」も十分に存在価値はあるでしょう。