ボーズは、ワンボディタイプのコンパクトなサウンドバー「Bose TV Speaker」を2020年7月1日から33,000円(税込み)で発売します。
同じくワンボディタイプのコンパクトなサウンドバー「Bose Solo 5 TV sound system」(2016年発売。価格は同じ)の後継機です。
従来と比較して、オーディオ面での性能を強化したのに加え、新たにHDMI接続およびHDMI CEC機能にも対応するなど、価格据え置きで多くの面で内容向上が図られています。
「Bose TV Speaker」の内容や特徴を「Bose Solo 5 TV sound system」と比較しての詳しい違いを交えながらご紹介します。
「トークやセリフがクリアに聞こえ、テレビがもっといい音で楽しめる」というコンセプトを打ち出したサウンドバー。どちらのにも「TV」のモデル名が付いていることからも、薄型テレビの音質強化に最適なスピーカーという位置づけと言えます。
「Bose Solo 5 TV sound system」も同様のコンセプトですが、「Bose TV Speaker」では、人の声を聞き取りやすく調整する「ダイアログモード」の機能を向上。
「Bose Solo 5 TV sound system」ではスピーカーは前面に2つのフルレンジでしたが、「Bose TV Speaker」では、新たに2つのフルレンジドライバーの間にツイーターを搭載。セリフやナレーションなどの人の声がよりクリアで聴き取りやすく再生できるとともに、高域側の再生レンジの拡大による音楽再生時の高音の再現力の向上や、音場感の改善なども期待できます。
リモコンには「BASS」ボタン従来同様に備えており、低音を強めた再生も可能です。
なお、ボーズは従来から、スピーカー製品の内蔵アンプ出力や、再生周波数範囲などの物理スペックを公表しない方針のため、実際にどのような再生周波数範囲の拡大がみられるのかは不明です。
従来同様に光デジタル端子ないしアナログAUXでのテレビとの接続に加え、HDMI接続にも新たに対応。2016年当時はともかく、現在の3万円クラスのサウンドバーとしてHDMI入力がないのは時代遅れと言えるスペックだっただけに、大いに歓迎できる改善です。HDMI入力がないからボーズのサウンドバーを敬遠していたという向きには朗報でしょう。
HDMIはARCに対応。また、HDMI CEC機能により、CEC対応テレビとの連動動作も可能。テレビの電源をオンにすると、サウンドバーにも自動的に電源が入り、テレビのリモコンでサウンドバーの音量をコントロールできるといった利便性が高まっています。
一方、「Bose Solo 5 TV sound system」では搭載されていた同軸デジタル出力は省かれています。これは光端子で代用できるものですから、そう大きな問題ではないでしょう。
高品位なサラウンドフォーマットにも対応できるのがHDMIの一般的なメリットです。ボーズにも対応サラウンドフォーマットの充実を期待したいところですが、ボーズは伝統的に?サラウンドフォーマットの対応には消極的です。
光・同軸端子を搭載していた「Bose Solo 5 TV sound system」では対応音声フォーマットはPCM2.0とドルビーデジタルというかなりシンプルなものでした。どうやら「Bose TV Speaker」でも同じようです。
Bluetooth機能も従来同様に搭載。スマホなどの対応端末と連携してワイヤレスで音楽再生を楽しめます。対応コーデックは従来同様SBCのみです。Bluetooth接続時の対応プロファイルはA2DP。最大2台までのマルチペアリングに対応しています。
ボーズの他のスピーカーとの連携性を高めることにより、低音の増強や、広い空間での複数台接続での再生といった新機能が使えるようになっています。
まず、従来はなかった別途サブウーファーを有線接続しての低音強化が可能になりました。対応するサブウーファーは「Bose Bass Module 500」と「Bass Module 700」。汎用のサブウーファーは使用できません。
また、「Bose SimpleSyncテクノロジー」に新対応。ボーズのスマートスピーカーやサウンドバーとペアリングすれば同時に音楽を再生できます。また、この機能は、「Bose Musicアプリ」で接続元のスマートスピーカーやサウンドバーからコントロールできます。
「Bose Solo 5 TV sound system」にはサウンドバー本体だけでなく、テレビ、ブルーレイレコーダーなども操作できるユニバーサルリモコン(汎用リモコン)が付属していました。「Bose TV Speaker」では8キーのみのシンプルでコンパクトなリモコンに変更。サウンドバーのリモコンでテレビやレコーダーを操作する必要性は薄いというマーケティングの結果と思われます。この簡素化によって、この分のコストを新機能の追加に振り向けられたと考えられます。
軽量・コンパクトが売りの「Bose Solo 5 TV sound system」は外形寸法548W×70H×86Dmm、質量1.7kgでした。
「Bose TV Speaker」では外形寸法594W×56H×102Dmm、質量2.0kgと若干変化。やや幅広になり奥行も少しだけ増加。重さも少し増えています。一方、高さはスリムになっています。
これは、テレビの大画面化と、狭ベゼル化の流れに沿ったものでしょう。最新の薄型テレビとの組み合わせでは「Bose TV Speaker」のほうが違和感なく設置できそうです(サウンドバー+Bose)。