ミックスウェーブは、同社が取り扱うCampfire Audioより、ブランドフラグシップイヤホンの限定モデル「Solaris Special Edition」を3月27日から国内100台限定で発売しました。オープン価格で税込239,580円前後での実売が予想されます。
「Solaris Special Edition」は、同社のフラグシップモデルとなるハイブリッドイヤホン「Solaris」をベースに、新たな独自技術を採用し、さらなる音質向上を図ったという特別モデル。
3Dプリンターで成型したセラミック製アコースティックチャンバーを採用することにより、音場空間再現性の向上と、ボーカル再生が向上しているとしています。
ドライバー構成は、φ10mmダイナミック型ドライバーとBAドライバー3基の合計4ドライバーを搭載するハイブリッド型。ダイナミックドライバーには独自のA.D.L.Cコーティングを施しており、独自技術「Polarity Tuned Chamber」により、ドライバーをチャンバー(空気室)に配置してチューニングを最適化し、低域のパフォーマンスを正確に制御するといった、基本的な内容は従来モデルと同様。
ボティ部分はPVD処理が施されたアルミニウムを、ノズル部はステンレススティールを採用するのは従来モデルと同様。フェイスプレートにはアバロンを全体に用い、さらにアバロンを使用したインレイロゴもデザインされるのが従来モデルとの違い。
ケーブルは脱着可能で、コネクターはMMCX仕様。プラグは3.5mmステレオミニ。通常モデルの付属ケーブルと比較して高純度銀メッキ銅導体の撚線を2倍とした、長さ約122cmのアップグレードケーブル「Super Litz Cable」を付属しているのも従来モデルとの違い。
シリコン、フォームイヤーチップ、 E-Typeを用意したイヤーピースなどが付属。
Campfire Audio Solarisと言えば、使用ドライバーが中国Bellsing製だったことが意外なところから発覚し、イヤホン愛好家にとっては、悪い方の意味で注目されてしまったイヤホンです。
というのは、BAユニットの世界的メーカーであるKnowlesが、Bellsingを特許侵害で訴えたのが事の発端。Bellsingは比較的安価なイヤホンで使われるBAユニット供給メーカーなだけに、これだけでも驚きであり、大変なことなのですが、さらにKnowlesは、Bellsing製ユニットを使用しているイヤホンを個別モデルの名前を挙げて公表したのです。
そのなかに、Solarisがあったわけです。Solarisと言えば20万円税後クラスという高級イヤホンです。しかも、Campfire Audioは中国メーカーでもなく、アメリカに本拠を置き、高級イヤホンメーカーとして確固たる地位を築いたメーカーです。
そんなメーカーが、普通は20万円クラスのイヤホンには載せないであろう原価のBAユニットを載せていた、という点で驚かれたわけです。
たしかに、イヤホンメーカーがどのメーカーのどの型番のBAユニットを使用しているかを明示する義務などはありません。音さえよければメーカーや原価も関係ないのかもしれません。それでも、Bellsingが訴えられたこともあり、Campfire Audioに対する見方が変わったユーザーもいるようです。
そんな、いわばいわくつきのSolarisですが、メーカーは果敢にも?特別モデルを出してきました。特にユニット構成は変わっていないようですが、騒動の前も後も、特にBAユニットの使用メーカーや型番を公表していないので、もしかしてメーカーを変えた可能性もあるのでしょうか?
BAユニット騒動?のあと、Campfire Audioのイヤホンの売れ行きが下がった可能性もあります。実際に、今回は残念ながら?3月27日の発売同時に限定数売り切れとはなりませんでした。
そうなると、これまで、比較的中古市場でも高値が付いていた既存モデルや生産終了モデルなどの価格が下落していくこともあり得ます。
Solarisについては、ユニット問題で名指しされたこともあり、中古価格は低下傾向のようです。使用ユニットのメーカーにはこだわらないという人であれば、Solarisを中古で買ってみて、高級イヤホンの一角を楽しむのもいいかもしれません。Solarisの音そのものの評価は悪いわけでもありませんので。
(イヤホン+Campfire Audio)