Creative Pebble V3 アクティブスピーカー
クリエイティブからアクティブスピーカー「Pebble V3」が発売されます。直販価格は4,378円(税込)。発売を記念し、9月11日23:59までは3,940円(税込)で販売されます。
クリエイティブが誇る人気のPC向けアクティブスピーカーシリーズ「Pebble」の第3世代モデルで、従来の「Pebble V2」(現在の税込み実売価格3千円台前半程度)の後継機的なモデルとなります(今後も併売される可能性もあります)。
「Pebble」シリーズは初代の「Pebble」以来、数千円くらいまでのPC向けアクティブスピーカーの定番的な存在として大変高い人気を誇っています。一部では「クリペブ」などと略されて親しまれています。そんな人気シリーズの最新モデルが登場しました。
「Pebble V3」と「Pebble V2」と比較しての違いも交えながらご紹介
従来モデル「Pebble V2」と比較しての違いも交えながら、「Pebble V3」の内容や特徴をご紹介します。端的に言って、これまで同様のハイコスパを維持しながら、おもに入力面での充実を図り、さらなる使い勝手の向上と音質のアップを果たした意欲作となっています。
シリーズ共通の半球状とユニット配置は踏襲
「Pebble」シリーズは、半球状の独特な形状をしているのが特徴で、立方体形状が多いPCスピーカーのなかでも、その見た目だけでもインパクトがあります。「Pebble V3」もシリーズの形状を踏襲しています。
スピーカーユニットは斜め45°上を向いて取りつけられており、リスナーへの直接音の届き方や間接音の響き方などをうまくバランスさせています。
また、本体後方には低音強化のためのパッシブラジエーターがいずれのモデルでも取り付けられています。
サイズと重量
「Pebble V3」の外形寸法は片側123×120×118mmで、質量は左側が約0.31kg、右側が0.36kg。
「Pebble V2」の外形寸法は片側122×116×115mmで、質量は左側が約0.30kg、右側が0.34kg。
サイズと重量はほとんど変わりません。基本的なデザインも同じですので、置き換えても人に気が付かれないかもしれません。
再生周波数帯域とSN比
「Pebble V3」の再生周波数帯域は100Hz~17kHz、SN比は75dB。このスペックについては「Pebble V2」と全く同じです。アクティブスピーカーであっても、本格的なモデルであれば、低域、高域ともにもっと伸びているものですが、サイズや価格、機能性などを考えると妥当なところでしょう。
一般的な音量で、ハイレベルなオーディオ的音質を求めるのでなければ問題ないレベルです。
新たにBluetoothとUSBでの音声入力に対応したのが大きな違い
「Pebble V3」では新たにBluetoothワイヤレス(SBCコーデック)とUSB Type-C(最大16bit/48kHz)でのオーディオ入力に対応したのが大きな違いです。「Pebble V2」ではUSB-C端子がありますが、給電専用で、端子もUSB-Cではありませんでした。3.5mmステレオミニ入力によるアナログ音声入力はどちらも備えています。
最近のPC向けスピーカーでもBluetoothワイヤレスとUSBオーディオ入力に対応したモデルは増えていますので、「Pebble V3」での対応は幅広いユーザーにとってはありがたい機能でしょう。
注目点は、この価格帯でのBluetoothワイヤレスとUSBオーディオ入力の両方に対応したモデルは少ないということ。この点だけで見ても、従来の「Pebble V2」に限らず、他社も含めた多くの競合機に対する大きなアドバンテージと言えるでしょう。
さすがに、USB入力ではハイレゾには対応していませんが、価格を考えると全く問題ないでしょう。
スピーカーユニット
見た目やサイズはほとんど変わってはいませんが、フルレンジの円形コーン型ユニットは、「Pebble V2」の2インチ口径から2.25インチ口径へと若干大きくなっています。
もともと小さな口径のユニットでしたから、少しでも大きくなることの影響は少なくないでしょう。メーカーも、ユニットの大口径化と、筐体が少し大きくなったことの効果により、より豊かなサウンドが再生できるようになったとアピールしています。
再生周波数は変わっていませんが、聴こえの上で、低音が豊かになった印象になっている可能性が高いでしょう。メーカーも聴き比べて分かる程度には差をつけているでしょうし。
出力は従来同様も凝った内容
電源はUSBポートからの供給という点では従来V2同様。ただ、普通のUSB電源供給スピーカーとは異なり、高ゲインモードを利用することで、最大で8W RMS/ピーク16Wの出力に対応するのは特筆点です。モードへの切り替えは自動判別に対応するほか、手動での切り替えも行えます。
USB-Cポートから従来のUSB電源(5V)を上回る電力が供給される場合は、基本的に自動で高出力モードに切り替えられるということです。
USB-A接続でも5V/2Aが出力可能な電源アダプターを使用し、手動でゲインスイッチを切り替えることで高ゲインモードにできるのも見逃せないポイントです。USB-A接続でもこれだけの大出力を実現できるスピーカーは、ほかにはオラソニックがあるくらいではないでしょうか?
目の前で聴取することが多いPCスピーカーでは、わずか数Wの出力の違いでも、大きなパワー感の差として感じられる場合があります。
この価格、サイズ、そしてUSB電源という条件を考えると、「Pebble」シリーズは従来からかなり凝った、パワー面では有利な機構を備えていたと言えるでしょう。
音質面
音質面では、新たに「クリアダイアログ オーディオ処理」を導入。要は、これまで以上に人の声の聴こえが良くなる処理です。「Pebble V2」はやや声が聴こえずらい、という意見もあったらしいので、このフィードバックが活かされているのでしょうか。
基本的には「Pebble V3」がおすすめ?
全体的に、「Pebble V3」は「Pebble V2」に比べて、大幅に進化した印象。その割に価格の上昇は少なく、両方から選ぶなら、基本的に「Pebble V3」で良いように感じます。
従来の「Pebble」シリーズの弱点はデジタル入力のなかったこと。この点では、名前が似ていて、価格は少し上のJBL 「Pebbles」がUSB音声入力を備えていたこととよく対比された点です。今回のモデルチェンジで、「Pebbles」も備えていないBluetoothまで一気に対応し、音声入力の面では「Pebbles」を上回りました。
「Pebble V2」との比較でも、BluetoothもUSBデジタル入力も不要という人でも、スピーカー自体の音質が良くなっているというアピールを考慮すれば新型でしょうか。
「Pebble V3」の「クリアダイアログ オーディオ処理」によって、声の入っていない音楽などでの再生音がどのような印象なのかは少し気になりますが。
なお、2020年8月末の発売時点では、「Pebble V3」の購入は、メーカー直販サイトのみとなっています。「Pebble V2」はアマゾンほか、通販など幅広く購入できるのとは違います。今後、「Pebble V2」同様に幅広く購入できるようになることも期待します。
なお、「Pebble V3」も「Pebble V2」も高い、BluetoothもUSBデジタル入力も不要という人には、アナログ入力のみで、高ゲインモードも搭載しないながらも、実売価格が千円台半ばになることもあるシリーズ初代機「Pebble 」や、低音がもっと欲しいなら、「Pebble V2」に近いサテライトスピーカーとサブウーファーのセットになっている「Pebble Plus」といった選択肢もあります(アクティブスピーカー+Creative)。
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