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DENON AVR-X2700H 新AVアンプ AVR-X2600Hと比較しての違いは?

DENONの7.2ch AVアンプ「AVR-X2700H」

デノンは、8K/60pやHDR10+、MPEG-4 AACデコードなど、さまざまなホームシアター関連の新規格への対応を進めた7.2ch AVアンプ「AVR-X2700H」を、9月中旬から発売します。価格は90,000円(税抜)。外形寸法は434W×167H×311Dmm、質量は約9.5kg。

「AVR-X2700H」と「AVR-X2600H」を比較しての違いを中心に内容を紹介

昨年モデル「AVR-X2600H」の後継機。おもに「AVR-X2700H」と「AVR-X2600H」を比較しての違い(改良点)を中心に「AVR-X2700H」の内容をご紹介。

7月3日に発表された上位モデル「AVC-X6700H」「AVR-X4700H」に続くモデルで、上位で新たに採用された次世代AV規格への対応のための数々の新機能・新規格対応がポイントです。

HDMI関連の改善が多数

まず新たに、6系統のHDMI入力/2系統のHDMI出力すべてが、現時点で最新の著作権保護技術「HDCP2.3」に対応

うちHDMI入力1系統/出力2系統は8K/60p、4K/120pの映像信号にも対応しており、今後、衛星放送やインターネットなどを通して放送・配信される4K/8K Ultra HDコンテンツの超高精細映像を同時に2画面まで出力して楽しむことができるようになりました。「AVR-X2700H」では8K非対応、4Kも60pまでの対応でしたので、大幅な進化です。

また入力信号を8K/60pや4K/60pなどにアップスケーリングする機能も搭載。これも8K分については新機能です。

HDR規格は従来のHDR10/ドルビービジョン /HLGに加え、新たにHDR10+およびDynamicHDRに対応。こちらも新規格への対応が万全です。

HDMI出力1系統は従来どおりARC/eARCに対応。

さらに次世代HDMI規格「HDMI 2.1」で採用予定の技術「ALLM(Auto Low Latency Mode)」「VRR(Variable Refresh Rate)」「QFT(Quick Frame Transport)」「QMS(Quick Media Switching)」を搭載。

このうち、「ALLM」以外が新搭載。

「ALLM」ではコンテンツに応じて画質優先/低レイテンシー優先を自動的に切り替え、「VRR」は映像ソースとディスプレイのリフレッシュレートを同期しチラつき/カクつきを抑制。「QFT」は映像ソース機器からの伝送速度を上げることでレイテンシーを低減することが、「QMS」は画面のブラックアウトや表示の乱れを起こすことなくフレームレートや解像度を切り替えることが可能となる機能。

「MPEG-4 AAC」のデコードに新対応

サラウンドやデジタル音声規格のデコードにおいては、新4K/8K衛星放送で採用されている「MPEG-4 AAC」(2chと5.1ch)のデコードに新たに対応。高画質な放送波でのサラウンドが楽しめます。

AVアンプとしての基本的な内容は従来同様

そのほか、AVアンプとしての以下の内容は従来同様。

Dolby Atmos、Dolby Atmos Height Virtualizer、DTS:X、DTS Virtual:Xに対応した7.2ch AVサラウンドレシーバー。各chの最大出力185Wのディスクリート構成のパワーアンプを搭載。トップスピーカーやハイトスピーカー、またはドルビーイネーブルドスピーカーを用いる5.1.2ch構成、およびサラウンドバックスピーカーを用いる標準的な7.1ch構成に対応します。一方で、バーチャル構成にも対応します。

Amazon Alexa、音楽ストリーミングサービス、インターネットラジオ、5.6 MHz DSD再生を含むハイレゾ再生、AirPlay 2、Wi-Fi、Bluetoothなどに対応。独自のネットワーク再生機能「HEOS」も搭載。音声入力はアナログに加え、光デジタル、フォノ、USBを搭載。

オーディオ面での改良・変更

AVアンプとしてのオーディオ面での改良・変更は以下のとおりです。

DACチップに上位モデルの「AVC-X6700H」「AVR-X4700H」と同じプレミアムDACを新たに搭載し、さらにポストフィルター回路内の高品質オペアンプをA級動作。また、DACへの電源供給ラインのコンデンサー容量を大きくするなどにより、音質を向上させています。

従来機との比較では圧倒的でしょう。それ以外のライバルは?

同じ価格ながら、とくにAVアンプでは重要になるHDMI関連やアップスケーリング関係、「MPEG-4 AAC」のデコードなど、多くの向上点、新機能の追加があり、両機を比べたら断然新しい「AVR-X2700H」に軍配が挙がります。とくに劣化している部分もありませんし。

強いて言えば、AVアンプを通して映像機器とテレビはつながない、8K環境は当分構築しない、「MPEG-4 AAC」のデコードにはこだわらない、という人で、AVアンプはサラウンドかオーディオ用に特化しているという使い方なら「AVR-X2600H」との機能面での違いは無視できるかもしれません。

なお、「AVR-X2700H」の実際のライバルは同じD&Mグループで同時期に発表された、マランツの「NR1711」でしょう。同じ価格で、内容もほぼ同一(開発が多くの部分で共通化されているからでしょう)ながら、薄型・軽量筐体で人気のシリーズの最新モデルとなっています。小型の分、アンプ出力が最大100Wと「AVR-X2700H」とは大きな差がありますが、普通の環境では100Wでも十分ですし。

ただ、デノンとマランツはアナログ段の味付けの違いにより、かなり音質が違います。伝統的に落ち着いたピラミッドバランス的なデノンと繊細で緻密ながらやや腰高と言われるマランツと、うまく住み分けています。「AVR-X2700H」と「NR1711」を比較検討するなら音質面の違いを考慮に入れることが重要でしょう(AVアンプ+DENON)。

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