オーディオ機器紹介。DCD-50はDENON(デノン)が2015年に税別5万円で発売したCDプレーヤー。
当時発売されていた、プリメインアンプ「PMA-50」(68,000円)と、デザインやサイズを揃えたCDプレーヤー。PMA-50はオーディオコンポとしてはコンパクトで縦置き可能な、いわゆるPCオーディオやデスクトップオーディオ向けの製品。
「DCD-50」もスロットインタイプのCDドライブを採用する事で、縦置き、横置きのどちらもサポート。横置き時の外形寸法は200×240×86mm(幅×奥行き×高さ)、重量は2.4kg。電源ケーブルは着脱タイプで3Pタイプも使用可能。
RCAのアナログ音声出力、同軸デジタル出力を各1系統搭載。
高精度な192kHz/32bit対応DACを搭載と謳っていますが、DACチップのメーカー名や型番は不明。音楽CDだけでなく、ディスクに保存したMP3、WMAファイルの再生にも対応。リモコンも付属。
デノンのCDプレーヤーというと、エントリークラスからお得意の独自のアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing」など、アルファ・プロセッシング系のハイレゾ化アップコンバーターが搭載されているのが普通ですが、本機にはありません。
なんでも、PMA-50とデジタル接続することで、PMA-50側の「Advanced AL32 Processing」が使えるからということであえて省いたようです。
逆に言うと、デノンの単品CDプレーヤーでアルファ・プロセッシング処理が行われないアナログ村政出力を持つ唯一のモデル(2021年現在)という点では貴重(珍奇?)かもしれません。
本機は2021年現在も現行品ですが、PMA-50は生産終了。ただし、PMA-50の後継機・PMA-60が現行機ですので、今度はPMA-60向けの組み合わせ推奨CDプレーヤーとなっています。
あまり単体での音質を云々するようなプレーヤーではないような気もしますが、音質レビューは意外とあり、特に価格コムのは参考になります。それらを読むと、アルファ・プロセッシングはないものの、低音が厚めで、音像の実体感も濃いといういわゆる伝統的なデノンサウンドに仕上がっているようで、こんなに軽薄短小で価格も安めなのに、意外と頑張っているという印象です。
あまり単体としての魅力はデノンのCDプレーヤーとしてはないように思えますが、国内の一流オーディオメーカーによる縦置き可能なコンパクトCDプレーヤー、となると本機くらいしかなく、その点では単体での魅力が出てくるような感じです。
ただ、購入者のレビューで、スロットインメカの耐久性がいまひとつな印象は気になります。購入後1年以内で故障・修理したという報告や、1年を過ぎて比較的すぐに壊れたなどの方向は普通のCDプレーヤーよりも多い印象は受けます。
新品の実売価格は発売当初から3万円台半ばで、2021年現在もあまり変わりません。中古だとしても2万円前後くらいするようです。現行機である以上、この価格は今後もあまり変わらないでしょう(CDプレーヤー+DENON)。