DENON Home Sound Bar 550
「Home Sound Bar 550」は4月23日に税込み実売約88,000円で発売されました。当初は5月下旬発売予定だったものを約1か月早めて発売というところにデノンの本機への入れ込みようが見て取れます。
高価ながら高音質志向のサウンドバー
横幅650mmのコンパクトな筐体ながら、3Dサウンドフォーマット「Dolby Atmos」および「DTS:X」に対応しており、「ワンボディのサウンドバーだけで、包み込まれるような臨場感たっぷりの3Dサウンドを体験できる」と謳うサウンドバー。サブウーファーなどが別筐体ではない一体型のサウンドバータイプにしてはなかなかの価格であり、それだけサイズを超えて、価格が納得できるだけの音質を備えた自信作のようです。
デノンのオーディオ/AVアンプの技術を投入していることも大きいようです。実際に、サウンドチューニングは同社サウンドマスター山内慎一氏が行なっています。氏はデノンの最上級機までの単品コンポの設計やサウンドチューニングに中心的に関わっており、本機のサウンドの仕上がりにも大きな影響を与えているはずです。
「Home Sound Bar 550」の内容・特徴
サイズやスピーカー関係
外形寸法は650W×75H×120Dmmで、質量は3.5kg。消費電力は50W。
専用設計の6つのドライバーを装備(19mmツイーター×2、55mmミッドバス×4)。4つのミッドバスドライバーには、ロングストロークと低歪を実現する真円形状のユニットを採用。さらに、50mm×90mmパッシブラジエーターによって、サイズを超えた低音を再生可能。
ピュアオーディオの知見を活かし、電源回路も新規設計のものを採用。余裕のある電源供給が可能なため、瞬間的な信号入力でもリミッターをかけずに鳴らすことが可能としています。
エンクロージャーは、FEM(有限要素法)による強度解析を用いて設計。ハニカム構造の採用やABS樹脂にポリカーボネートを混ぜての高剛性化により、不要振動を抑えた筐体構造の工夫も行っています。
Dolby Atmosなどの対応サラウンドフォーマット
DSPにAVアンプ「AVC-X6700H」と同系列のアナログ・デバイセズ社「SHARC DSP」を採用。サラウンドフォーマットはDTS:X/MPEG-2 AAC/MPEG-4 AAC/リニアPCMに加え、同社サウンドバー製品として初めてDolby Atmosに対応。
「Movieモード」「Musicモード」「Nightモード」という3つのサウンドモードや、ニュースやセリフなど人の声を明瞭にするダイアログエンハンサー、バーチャルサラウンドなどの機能を搭載。原音をストレートに再現するという「Pureモード」も搭載。オーディオ用としても意識しています。
入出力や音楽再生機能面
入力端子はHDMI/光デジタル/USB-A/3.5mmステレオを各1系統ずつ。出力端子はeARC対応のHDMI1系統を装備しており、4KやDolby Vision、HDR10のパススルー再生が可能。
SBCコーデックでのBluetoothやAirPlay2でのワイヤレス再生も可能。ネットワークオーディオプレーヤー機能を内蔵するHEOSテクノロジーを搭載しており、Amazon Music HDを始めとするストリーミングサービスにも対応。AWA、Spotify、SoundCloudや、インターネットラジオのTuneInから音楽を再生することが可能。USB端子も搭載しており、USBメモリからの音楽再生も可能。
音楽再生機能の対応ビットレートは、PCM系で最大192kHz/24bit、DSDは5.6MHzまで。
サウンドバーの操作は付属のリモコンや本体上部のパネルに加え、Works with Alexa、Siriでの音声操作にも対応。
ワイヤレスリアスピーカー増設対応
「DENON HOME150/250」をリアスピーカーとしてワイヤレス連携することで、4.0ch+バーチャルハイトのリアルサラウンドシステムを構築できるのも大きな特徴。セットアップはHEOSアプリ上より簡単に行えます。
「Home Sound Bar 550」のレビューサイト情報
「Home Sound Bar 550」のレビュー・感想を参照(アマゾン)
レビュー・感想からうかがえる音質傾向など
大手オーディオニュース系サイトのレビュー記事はメーカー提供ということもあり、メーカーが意図した使い方をメインに評価を高くしている面はあるでしょう。それでも一体型サウンドバーとして最高峰の音質を基本的に備えているようです。この点に関してはメーカーへの忖度のない一般ユーザーでも同意している人は多いようです。
一方、本体の横幅が狭いことによる音の広がり感の弱さやステレオ再生時の左右の分離間の弱さといったものが弱点的にあるようです。それは構造的に仕方がない面でもあり、このような高音質志向のサウンドバーで横幅を狭いコンパクト設計にした企画自体を疑問視する声すらあります。それでも、音のレンジ感や迫力、音の情報量、緻密さなどにおいて、サウンドバー離れした再生音であることは確かなようです。
ワイヤレスリアスピーカーの増設がポイント?
ただし、「DENON HOME150/250」をリアスピーカーとしてワイヤレス接続すると、特にサラウンド再生においては、音の広がり感や立体感もハイレベルになるようで、できればワイヤレススピーカーも欲しいとなるようです。
ワイヤレススピーカーも用意するとなると15万円くらいにはなり、それなら単体AVアンプと5.1ch以上のスピーカーを用意したリアルサラウンドが構築できるではないか、となりますが、本機の価値はやはり、コンパクトサイズと手軽さに重点を置いているので、単純に比較できるものではないでしょう。
やはり、メーカーは意図的に本機のサイズを小型にしたようです。コンパクトサイズのサウンドバーで可能な限りの高音質を享受したい方向けのサウンドバーと言えるのではないでしょうか(サウンドバー+DENON)。
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