オンキヨーホームエンターテイメントは、子会社のオンキヨーが運営するハイレゾ音源ダウンロード販売サイト・e-onkyo musicをフランスのXandrie社へと事業譲渡したことを発表しました。
https://onkyo.com/ir/ir_news/date/2020/20210929_e-onkyo%20joto_f.pdf
Xandrie社はフランスのハイレゾストリーミングサービス・Qobuzを運営する企業。グローバルにビジネスを展開するXandrie社の経営資源を活かし、e-onkyo musicのさらなる発展を図ることを目的に事業譲渡の締結を実施するに至ったとしています。
オンキヨーホームエンターテイメントは、子会社のオンキヨーを分割会社とし、新設するXandrie Japanを継承会社とする新設分割を実施。さらに仏Xandrie SA(以下Xandrie社)へとXandrie Japanの株式のうち85.1%を譲渡、オンキヨーは引き続きXandrie Japanの発行済株式の14.9%を保有し、e-onkyo music事業の成長を支えていくとしています。
経営再建中(というか派手に切り売り中…)のオンキヨー。大きくはなくても収益は上がっていると思われたe-onkyo musicも売却。
国内では最大手のハイレゾ音源ダウンロード販売サイトであっただけに、オンキヨーやe-onkyo musicの今後だけでなく、国内におけるハイレゾ音源ダウンロード販売ビジネス自体がどうなってしまうのかも気になります。
というのも、ハイレゾ音源ダウンロード販売は、アマゾンやアップルがハイレゾ音源をも含む定額ストリーミングサービスを月額わずか千円程度で展開。
それらのストリーミングでe-onkyo musicなどで単売されているハイレゾ音源(PCM系で24bit/192kHzまで)の多くもカバーされているだけにです。
それでもe-onkyo musicなどが生き残れていたのは、定額ストリーミングサービスでは聴取できないDSD音源を入手できるから、という理由もあると思っていました。
ただ、今回の譲渡劇を見ても、ハイレゾ音源を楽しむのに、月千円のPCM音源のストリーミングで十分で、わざわざCD1枚分の音源を2千円以上遣う、DSDにこだわるということはやはり難しいのでしょうか。
ハイレゾ音源ダウンロード販売サイトのメリットは、ストリーミングサービスでは不可能な、手元に音源データを所有して好きな機器で聴ける幅が広がることや、データの所有により、ストリーミングサービスの契約終了や、サービス側での急な音源引き上げの影響を受けないこともあります。
ただ、そのメリットを打ち消すほど月千円でのハイレゾストリーミング聴き放題の威力は大きいのかもしれません。
Qobuz自身も月額定額の音楽ストリーミングサービスの大手ですので、e-onkyo musicの買収を足掛かりに日本でのストリーミングサービスを開始するのでしょうか?