EDIFIER INTERNATIONALは、アクティブノイズキャンセリング機能を備えたBluetoothワイヤレスヘッドホン「W820NB PLUS」を、2023年6月4日に発売。カラーバリエーションはブラック、ホワイト、グレー、ブルー、グリーン。価格は10,980円。
ハイレゾコーデックのLDACに対応。最大24bit/96kHzの高品位での伝送が可能になり、とくにハイレゾ音源を聴くときには従来を大きく超える情報量で楽しめます。なお、「W820NB PLUS」はSBCには対応しますが、AACは非対応なので注意してください。LDAC対応にともない、ハイレゾワイヤレス認証も取得しています。
BluetoothはV5.2。接続安定性などが向上しています。プロファイルはA2DP、AVRCP、HFPをサポート。スマホでの通話や各種音楽再生操作がヘッドホンからワイヤレスで可能です。80msまで遅延を低減できる低遅延モードも搭載。動画鑑賞時の違和感を低減して楽しめます。ヘッドホン本体の操作は物理ボタン式。
ドライバーは従来モデルと同じ40mm径のダイナミック型。最大40kHzの高い周波数帯域幅を持ち、有線接続時のハイレゾ認定を従来から引き続き取得しています。ヘッドホンの重量は221g。
アクティブノイズキャンセリング機能のノイズ低減効果は最大約-43dBと高性能。「通勤・通学時の電車内やバス内での周囲の騒音を抑えることができる」と謳っています。搭載マイク数は5基。外音取り込み機能も搭載。
内蔵バッテリーでの最大再生時間はANCオン時で33時間、ANCオフ時で49時間。充電時間は1.5時間で、10分の充電で約7時間再生できる急速充電に対応。充電ポートはUSB Type-C。
アプリ「Edifier Connect」を利用可能で、バッテリー残量の表示やEQプリセット、シャットダウンタイマーなどを利用可能。新モードとして「リラックスサウンド」も追加されています。
EDIFIER W820NB PLUSの各種レビューから読み取れる評価・傾向をまとめ、分析してみます。
再生音質に関しては、多くのレビューで高く評価されています。繊細で迫力のあるワイドレンジなサウンドが十分に楽しめると述べるユーザーもいます。
なお、本機の高音質再生能力を生かすには、LDACコーデックでの接続が前提になることには注意が必要です。
アクティブノイズキャンセリング機能についても、価格を考慮すると十分で実用性が高いと評価されています。
ワイヤレス接続の安定性についても肯定的な意見が見られます。接続が切れることなく、音楽や通話を快適に楽しめるとの声があります。
操作が簡単で直感的であると評価されています。物理ボタンでの操作部が使いやすく、操作性に問題がないと述べるユーザーが多いです。
フィット感や装着感については、多くのレビューで肯定的な意見が見られます。耳への密着性が高く、長時間の使用でも快適に装着できると評価されています。軽量な設計が、持ち運びや旅行に適しているとの意見があります。ヘッドバンドやイヤーカップの調節も容易で、様々なユーザーにフィットすると評価されています。
バッテリー寿命については、一般的に長持ちするとの意見がありました。長時間の使用にも耐えるため、移動中や旅行中などでの利用に適しているとされています。
一部のレビューでは、W820NB PLUSの再生音質について、低音がやや弱いという指摘がありました。低音を重視する向きには向かない可能性もあります。
音の解像度や細かな部分の描写力については、他の競合製品や、より高額な有名モデルなどと比べるとやや劣るとの意見がありました。特に高音域の表現に関しては、クリアさや精度が欠けると感じるユーザーもいました。
アクティブノイズキャンセリング機能については、一部のレビューで効果が限定的であると指摘されています。周囲の騒音を十分に低減できないと感じるユーザーもいました。これも、より高額な有名モデルとは差があるというのが実情のようです。外音取り込み時にホワイトノイズを感じるというネガティブなレビューも気になる点です。
デザインはオーソドックスなものの、全体にプラスチック製の外観が安っぽいという指摘もあります。本体操作が物理ボタン式なことも、タッチ式に比べて安っぽいと感じる向きもあります。
(より高額な有名モデルとしてソニーのWH-1000XM5などがあり、そのような製品とは絶対的な差があるようですが、価格差を考えると無理もないところでしょう)
W820NB PLUSはアクティブノイズキャンセリング機能を備えたBluetoothヘッドホンとしては比較的手頃な価格帯に位置しており、コストパフォーマンスが高いと評価されています。
同等の機能を持つ他の競合製品と比べても、良好な性能と価格のバランスが取れていると述べるユーザーがいます。手頃な価格で魅力的な機能を提供していると感じる人もいます。
特筆できるのは、実売1万円以下でLDACとアクティブノイズキャンセリング機能を両立していることで、この機能・性能に注目する場合は、非常にコストパフォーマンス面でのアドバンテージが高いと言えるようです。また、本機は発売当初に実質7千円台までの安さで販売されており、そこまでではないにしても、常に8千円から9千円程度で販売されるのであれば、相当にコストパフォーマンスが高いモデルと言えるところでしょう。
EDIFIER W820NB PLUSは、1万円未満で、LDACに対応した再生音質のよいアクティブノイズキャンセリング機能搭載型のワイヤレスヘッドホンが欲しいというニーズにもっとも合致していると思われます。価格的な限界によるマイナス点として、本体が安っぽいことや、絶対的な音質・性能を求めすぎないといった判断も前提となります。
総合的に見ると、EDIFIER W820NB PLUSは使い勝手が良く、機能・音質面双方でコストパフォーマンスが高いという評価に落ち着くでしょう。操作性や持ち運びの便利さに加えて、手頃な価格でアクティブノイズキャンセリング機能とLDACコーデックを利用できる点が魅力とされています。ただし、個別のユーザーの好みや要件によって評価は異なるため、自身のニーズに合致するかどうかを検討することが重要です。
注意したいのは、本機はAACに対応しないので、LDACは使えず、AACがメインという環境の方。代表的なのはiPhoneはじめApple機器のユーザーで、その場合は本機の持つ大きな特徴でありアドバンテージであるLDAC受信時の高音質のメリットを享受できません。Apple機器のユーザーは「W820NB PLUS」にするかはよく考えたほうがいいかもしれません。