Android 11搭載の8インチタブレット「EGBOK P803」。ただでさえ少ないAndroidタブレットにして、SIMにも対応、そして新品6,980円(イオシスでの通販)という価格で話題になっています。
「EGBOK P803」の内容や注意したい制約、購入者のレビュー情報などについてはこちらでご紹介しています。
本記事では、サイズや価格的に近い競合機として「Amazon Fire HD 8 Plus」を例にあげ、比較してみます。
EGBOK P803 | Fire HD 8 Plus 2020年モデル | |
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参考価格 | 6,980円 (32GB) | 11,980円 (32GB) 13,980円 (64GB) |
画面サイズ | 8インチ | |
解像度 | 1280 x 800 | |
本体サイズ | 208 x 127.8 x 10mm | 202 x 137 x 9.7mm |
重量 | 380g | 355g |
初期OS | Android 11 | Fire OS 7 (Android 9 ベース) |
SoC | Unisoc SC9863A | MediaTek MT8168 |
RAM | 公称2GB / 実際は3GB? | 3GB |
内部ストレージ | 32GB | 32GB / 64GB |
microSDカード | 対応 (容量不明) | 対応 (1TBまで) |
バッテリー | 4000mAh | 4850mAh |
USBポート | USB Type-C (PD非対応) | |
オーディオ | モノラルスピーカー、 3.5mmステレオジャック、 マイク | ステレオスピーカー、 3.5mmステレオジャック、 マイク |
カメラ | フロント : 5メガピクセル リア : 8メガピクセル | フロント : 2メガピクセル リア : 2メガピクセル |
Wi-Fi | b/g/n (2.4GHz) | a/b/g/n/ac (2.4/5GHz) |
Bluetooth | 4.2 | 5.0 LE |
GPS | 搭載 | 非搭載 |
SIM | 2x nanoSIM | 非対応 |
対応バンド | LTE : 1/3/8/18/19/26/28/41 3G : 1/5/8 GSM : 2/3/5/8 | – |
Widevine | L3 | L1 |
AnTuTu Benchmark | 約105,000 | 約90,000 |
保証期間 | 6ヶ月 | 90日間 |
付属品 | 10W 電源アダプター、 USB(C-A)ケーブル、 SIMピン、 マニュアル | 9W 電源アダプター、 USB(C-A)ケーブル、 スタートガイド |
上記の表を参考に、EGBOK P803とAmazon Fire HD 8 Plusを比較して、EGBOK P803が優位な点と不利な点を考察します。
EGBOK P803とAmazon Fire HD 8 Plusを比較して、EGBOK P803が優位な点としてはまず、EGBOK P803はAndroid OSであり、アプリのインストールや使用の自由度が高いことがあります。
Amazon Fire HD 8 PlusはAndroid 9 ベースではありますが、Fire OS 7という通常のAndroidのようにGoogle Playから自由にアプリを追加・使用はできないことがポイントです。
また、EGBOK P803はAndroid にしても、かなり新しいAndroid 11であることもメリットです。
Androidタブレットとして、Google Playから自由にアプリを追加・使用したいならEGBOK P803を選ぶべきでしょう。
EGBOK P803とAmazon Fire HD 8 Plusを比較して、EGBOK P803が優位な点として、EGBOK P803はSIMカードの使用に対応していることです。このため、携帯電話各社(キャリア)やMVNOなどと契約したSIMカード(nanoSIM)を挿入してのデータ通信(インターネット接続)が可能です。
これはAmazon Fire HD 8 Plusにはなく、そもそもAndroid タブレットでSIMに対応するモデル自体少ないので、非常に貴重であると同時にEGBOK P803の価値を際立たせています。
なお、EGBOK P803のSIM通信は基本的にインターネット接続には対応するものの、SIMでの通話はどうやら難しいようです(全く非対応ではないようですが、これを期待して買うのはやめたほうがいいようです)。
EGBOK P803とAmazon Fire HD 8 Plusを比較して、EGBOK P803が優位な点として、GPSの搭載も挙げられます。
このため、Fireタブレットに限らずGPS非搭載のタブレットでは難しい「Yahoo!カーナビ」アプリをインストールしてカーナビとして使うといったこともできます。
ただし、P803は「電子コンパス(磁気センサー・地磁気センサー)」が搭載されていないため、これらの搭載を必要とするGPS関連のアプリは使えませんので、ご注意ください。
ここからは逆にEGBOK P803とAmazon Fire HD 8 Plusを比較して、EGBOK P803が不利な点です。
DRM(デジタル著作権管理)の「Widevine」のレベルがAmazon Fire HD 8 PlusのL1に対して、EGBOK P803はL3となっています。
「Widevine」のレベルがL3だと、NetflixやAmazon Prime Videoといった一部のネット動画サービスにおいて、画質が制限される(HD未満など)という制約があります(サービスによって制限の有無、画質は異なります。YouTubeは影響を受けません)。
EGBOK P803をNetflixやAmazon Prime Videoの鑑賞用にと思っていた人は要注意です。
なお、廉価タブレットは一般的にWidevine L3のものが多く、Amazon Fire HD 8 Plusが例外と言ったところでしょう。ここはさすがにAmazon Prime Video純正のタブレットということです。
また、Wi-Fiの対応度合いがEGBOK P803はb/g/n (2.4GHz) Amazon Fire HD 8 Plusはa/b/g/n/ac (2.4/5GHz)とAmazon Fire HD 8 Plusのほうが幅広く対応しています。
というか、EGBOK P803の対応度合いは現在の最新Android端末としては心許ないものです。
b/g/n (2.4GHz)程度の対応となると、2.4GHz帯の機器(電子レンジやIHクッキングヒーター、コードレス固定電話、ワイヤレスヘッドホン、Bluetooth機器など身近にありふれています)や他の電波などの干渉を受け、安定的なワイヤレス通信が難しい場合もあるかもしれません。
EGBOK P803の本体スピーカーはモノラル。Amazon Fire HD 8 Plusに比べて劣っています。
EGBOK P803は音声のBlutooth出力もステレオミニ端子からの有線出力も可能なので、音が貧弱だと思ったら外部スピーカーを簡単に追加できます。
Blutooth出力の場合は音声が遅延するので、動画鑑賞用には注意しましょう。
そのほか、サイズは同じ8インチですから顕著な違いはありませんが、携帯性や持ちやすさに響いてくる本体重量はFire HD 8 Plusの355gに対してEGBOK P803とやや重くなっています。
また、バッテリー性能に影響するバッテリー容量もFire HD 8 Plusの4850mAhに対してEGBOK P803は4000mAhと結構な差があります。長時間、充電なしで動画を見続けるといった用途ではEGBOK P803の電池持ちは気になるかもしれません。また、Fire HD 8 Plusで対応しているワイヤレス充電にもEGBOK P803は対応していません。
使用できるmicroSDカードの最大容量についても、Fire HD 8 Plusの1TBに対して、EGBOK P803は不明。不明な以上確かなことは言えませんが、廉価なタブレットの場合、1TBのような大容量には対応せず、256GB程度までということも少なくないので留意してください。
2モデルを比べてみると、それぞれに一長一短あるとは思います。また、想定する用途によってもどちらが有利というのも変わってくるでしょう。
ただ、EGBOK P803はこのタブレットを使う予定だった企業の撤退による払下げ(6000台)という特殊事情による特別な安売りです。Fire HD 8 Plusのようにいつでもいつまでも買えるという商品とは全く異なります。その点も考慮して検討する必要があるでしょう。
EGBOK P803のメリットを活かした使い方で、お得にタブレット生活を充実させたいところです。