エプソンは、3LCD方式のホームプロジェクター「dreamioシリーズ」より4K対応/レーザー光源搭載の「EH-LS12000」を2022年2月24日から発売しました。エプソンダイレクトショップでの販売価格は547,800円(税込)。
従来機「EH-TW8400」の後継機。「EH-TW8400」(2019年・約30万円)と比較してより明るく、高コントラストで見やすい映像を楽しめるようになったのがおもな違いです。以下、「EH-TW8400」と比較しての違いも交えつつ、「EH-LS12000」の内容をご紹介。
レンズシステム、電動ズームやレンズシフト機能は共通、筐体もEH-TW8400を受け継ぎ、高さがわずかに増しました。しかし型番にEH-LS10000/10500(LCOS方式)に連なる同社ハイエンド機の5桁を受け継ぎリニューアルしたことに表れているように、新たにレーザー光源を搭載、家庭用のフラグシッププロジェクターとして大幅にブラッシュアップされています。
本体サイズは520(幅)×170(高さ)×450(奥行)mm(突起部を含まず)、重量は約13.0kg(EH-TW8400は11.2kgでした)。
4K(2軸シフトテクノロジーを採用したスクリーン上の解像度)解像度に対応。パネル解像度は1,920×1,80ドット/フルHD。ガラス製のデバイスを高速振動(斜めに画素シフト)させる画素ずらし技術「4Kエンハンスメントテクノロジー」により、4K解像度を生み出します。
EH-TW8400の4Kエンハンスメントは入力映像の1ピクセルを縦横0.5ピクセルずらして重ねることで4K解像度の映像を出力していましたが、EH-LS12000は、ボイスコイルモーターを使用して従来の4Kエンハンスメントの2倍のスピードで1ピクセルを上下左右4方向へずらし、4K映像を出力と、技術を向上させています。
輝度は最大2,700ルーメンで、レーザー光源によりコントラスト比2,500,000:1を実現。従来モデル「EH-TW8400」に比べ、明るさ、コントラスト比ともに向上(「EH-TW8400」では2,600ルーメンと100万:1)。投写画面サイズは60~300型。ランプ交換不要で長寿命設計となっています。
16枚構成の2.1倍ズーム/フォーカスレンズを採用。上下96%・左右47%とシフト幅が広く、リビングや専用室など様々な設置環境に対応。
HDRはHDR10+とHLGに対応。
新たに、コントラストを自動で調整し、映像の一部分を鮮やかでメリハリのある映像にする「自動コントラスト強調」や、シーンに応じて階調表現を最適化し、メリハリのある映像を実現する「シーン適応ガンマ補正」を搭載。EH-TW8400は4K信号でフレーム補間に非対応でしたが、「4K対応フレーム補間」として、EH-LS12000では4K60Pまで対応しています。
映像入力としてHDCP2.3に対応したHDMIを2系統装備。長距離でも安定して信号を伝送できる光HDMIケーブル用の給電端子も備える。HDMI入力以外には、RS-232C、トリガーアウト、USB mini-B、USB タイプA(2.0)、300mA給電専用端子を1系統ずつ装備。音声入出力端子は非搭載。騒音レベルは最小22dB(「EH-TW8400」では20dBでした)。
3mの電源コードや、イルミネーション機能を備えたリモコンなどが付属。
デバイスの量産性が高く価格を抑えられる3LCDに新技術の2軸シフトを組み合わせることで、低コストでネイティブ4Kと遜色のない画質を得るというのが今回のエプソンの戦略。これにより、家庭用のハイエンドプロジェクターで他社と違った立ち位置を確立しようという意気込みのようです。
価格、内容的には、ファミリーユースとしては価格が高く、ホームシアター愛好家向けとしては安めなゾーンですが、画質のコストパフォーマンスの高さで、本格ホームシアターの構築予算をうまく抑えたい向きに適しているようです。
専用暗室の用意が不要な一般性と、細かな調整項目による、マニアックに画質調整を追い込める上級者向けの面を併せ持っているようで、これまで、エプソンのプロジェクターを本格的な機器として捉えられなかった層にも新たに訴求できそうな優秀機のようです。一方で、基本操作の簡単さなど、これから本格的なホームシアターに挑戦したいという一般的なユーザーの要求にも十分にこたえられそうです。