中国・FiiOは、有線カナル型イヤホンの新モデル「FD11」を2023年7月14日に発売。オープン価格で税込みの実売価格は6,600円程度。
FiiOの有線カナル型イヤホンのエントリークラス機で、ダイナミック型ドライバー1基構成とオーソドックスな構成。
上位モデルである「FH15」や「FF5」と同様のカーボンベースダイヤフラムを採用。口径は10mm径。歯切れ良く、滲みのないクリアーなサウンドを謳っています。ダイナミックドライバーの背面には、特徴的な二層構造のチャンバーを装備。ドライバーから生じる空気圧を適切に制御し、音質のコントロールを行っています。
内外磁気回路設計により、111dB/mW@1kHzの高能率を実現しているのも特徴。非力なヘッドホンアンプを備えがちなスマホなどでも鳴らしやすい設計。
また、筐体内部に設けられたC字型音響管により、ハウジング内の空気の流れを適切に制御。共振周波数を下げることで、豊かな低域を実現しているとしています。
ハウジングは巻き貝をイメージしたという特徴的な形状。素材は亜鉛合金をダイキャスト成形し、研磨と電気メッキを施すことで製造。
明瞭で自然なボーカル表現に拘ったチューニングを謳っており、音質的にはフラットではなく中域に重点を置いています。とはいえ、40kHzの高域特性を実現しており、ハイレゾ認証も取得しています。
周波数特性は20Hz~40kHz。インピーダンスは24Ω(@1kHz)。
イヤホンは0.78mm 2ピンでリケーブル可能。ただし、2ピンコネクター部は円形の凹凸がある独自形状となっているので、使用できるケーブルには注意してください。ケーブル長/約120cm
重量(片側)/約10g(ケーブルを除く)。
付属ケーブルのプラグは3.5mmステレオミニ。3サイズのイヤーピースが付属。
代理店さんに確認しました!
FiiO製品の型番法則について
FD11の場合、「F」=FiiO製イヤホン、「D」=ダイナミックドライバー搭載機種、「1」=新ナンバリングルールに基づいてから一世代目、「1」=(数字が小さいほどエントリーですので、1はエントリークラスの最も安価な製品)
とのことです😎 https://t.co/54TlgeguOj
— ゆーきゃん🍺次回ポタフェス福岡! (@eear_youcan) July 11, 2023
音質については、FiiOらしいやや硬質ながらも精度の高いクリアサウンドを備えているようで、この価格帯としてはレベルの高い音のようです。
メーカーが謳うだけに、ボーカルの再現性は高いようで、ボーカルものをおもに聴くユーザーに適しているようです。ボーカルのなかでは女性ボーカルのほうにより適性があるようです。
フラットではないチューニングを謳ってはいますが、色付けや癖は少ないという、これまたFiiOらしい特徴を備えているようで、安心して音楽に浸れるようです。
低音の質が高く、制動のよいクリアなものであるらしく、価格を考えると立派と思われます。音場も広いようで、高域特性の伸びの効果かもしれません。
音質は間違いなく価格帯の水準を超えたハイコスパモデルと言えそうです。>当然、価格なりの限界はあり、FiiOにときおり見られる質感再現の乾燥感もあり、生楽器の微妙なニュアンスや陰影感のような部分までの表現力は厳しいようです。現代的な明るめのプログラムならこなせそうです。
一方、装着感については、付属イヤーピースでのフィット感がうまくいかないという声があり、イヤーピースは付属品以外からうまくフィットするものを探したほうがよいという意見がありました。音質についても、付属イヤーピースよりもほかのものに変えたほうが良かったという声もあります。
0.78mm 2ピンでリケーブル可能ですが、2ピンコネクター部は円形の凹凸がある独自形状となっているので、使用できるケーブルに制約があることは、リケーブルを簡単に楽しみたい初心者には難しい仕様であり、残念です。しかし、この制約にひっかからないケーブルを見つけられれば、バランス接続対応のリケーブルもできるので、さらなる音質向上も狙えます。
外観については、この価格とは思えないほど立派という意見が多いようです。この価格で金属筐体なだけでも豪華ですが、巻き貝のような凝ったデザインと研磨と電気メッキによる美麗な仕上げで、さらに立派に感じられるようです。
音質・外観ともに、大手メーカーとなったFiiOならではのノウハウや物量が投入されたハイコスパモデルと言えそうです。
音質的にはフラットではなくボーカル重視を謳っているので、万人におすすめできる汎用性の高いイヤホンとは言えないかもしれません。また、装着性やイヤーピースのフィット感にも個人差が大きいようですので、試聴してからの購入検討がよさそうです。