エミライは、同社が取り扱うFiiOのイヤホン “FDシリーズ” より、ダイナミック型イヤホンのフラッグシップモデル「FD5」を2月26日より発売すると発表しました。オープン価格で実売価格は43,000円程度。(FiiOブランドのフラッグシップイヤホンは「FA9」(6BA構成で5.5万円程度))
ベリリウムと、ダイヤモンド並の強度を持つカーボン素材「DLC(Diamond-like Carbon)」を組み合わせた「ベリリウムコーティングエッジ&DLC振動板」を使用したダイナミック型ドライバーを搭載しているのが特徴。口径は12mm。
筐体は円筒形のスチール素材。ハウジング構造は半開放型。イヤホン片側の質量は11g。
異なる帯域間の時間遅延に伴う問題を解決するための機構「アコースティック・プリズム・システム」を搭載。振動板の前端近くに円錐形状のディフューザーを設置することにより、音波の音導管内での伝わり方を正確にコントロールすることによって、高域の定在波を排除し、全体的な音の拡散性の改善などが可能だとしています。
背面には低域の定在波と歪みを低減、拡散性を改善するための機構「ボルカニック・フィールド」を搭載。セミオープン構造により鼓膜にかかる圧力を緩和し、快適な長時間のリスニングが可能としています。
音導管は交換可能で、大/小の2つ付属。大はバランス重視、小は歯切れの良い低音重視のサウンドというように音の違いで使い分けられます。なお、音導管の違いにより、フィット感にも違いが出ることには留意してください。小はより深く挿入することになるため、、トリプルフランジのイヤーピースと合わせることが推奨されています。
再生周波数帯域は10Hz – 40kHzで、感度は109dB@1mW、インピーダンスは32Ω@1kHz。
8本組単結晶銀メッキ銅ケーブルを使用した改良型MMCXリケーブルを付属。プラグ部は2.5mm/3.5mm/4.4mmの交換が可能。標準状態で主要な接続方式に対応できるのもうれしいポイント。
シリコン製イヤーピースは低音重視型/バランス重視型/ボーカル重視型と3種類用意し、いずれもS/M/Lサイズを付属。ほかメモリーフォーム製イヤーピース4組、トリプルフランジイヤーピース(S/L)、収納ケース、上述した交換用の音導管とプラグなどが付属。
こう言っては語弊があるかもしれませんが、高音質志向のイヤホンとしてははっきり言ってそれほど高い部類にはもはや入らない価格帯ですが、そのなかで相当に工夫されているように思えます。
ダイナミック型1基というだけで、市場に溢れるマルチユニットやハイブリッド型に比べても、異なる帯域間の再生上の違和感が少ないアドバンテージがあるものですが、本機ではその点をいっそう突き詰めた印象で、技術内容や謳い文句が本当であれば、非常に音の定位感や空間表現力に期待が持てるイヤホンになりそうです。
イヤホン筐体内での定在波の除去に腐心しているのも特徴的で、このあたりは、設計・試作に関して、大がかりなシミュレーションを行える体制を持っている、今や世界的大メーカーと言えるFiiOの利点でしょうか。
本機については国内発売決定の前から海外から購入してレビューや感想をネット上で述べている人が結構おり、すでに音質傾向はつかめる状況です。
ツイッターや2chまとめなどから推察すると、やはり基本的なコスパは高く、価格に対する満足度は高いようです。
音質についてはフラットではなく、低音が多めという意見が多いです。高音にシャリつきはないため、いわゆるドンシャリというわけではないようです。ボーカルが遠いという感想も見られます。
意外なのは、いかにも音漏れしそうな半開放型を謳っている割に、音漏れは少ないという感想が複数見られることです。過信は禁物ですが、本機を屋外でも使ってみたい人には参考になるでしょう。
イヤーピースが音質別なども含めて豊富、プラグ付け替えでのバランス接続標準対応なども評価できるポイントのようです(中華イヤホン+FiiO)。
https://twitter.com/samurairocket/status/1365160221945917442″ >2021/02/26 13:42:15
https://twitter.com/naohisa_h/status/1365316028394180613″ >2021/02/27 00:01:22
FiiO FD5は振動板の材質や磁気回路の磁力だけでなく、振動板の前に位置するディフューザーという、スピーカーでは既に使われている技術をイヤホンに応用した、ある意味画期的な製品と言えると思います。
新しい技術に積極的に挑戦しなお… https://t.co/idbrgqJOnl