FiiO FD7 / FDX 比較・違い、レビュー・音質情報など

FiiO FD7 / FDX ピュア・ベリリウム振動板搭載イヤホン

エミライは、FiiOブランドより、ダイナミックドライバーを1基搭載したイヤホン「FDシリーズ」のフラッグシップモデル「FD7」と、FD7をベースとした世界1,000本限定のリミテッド・エディション「FDX」を、10月15日に発売しました。いずれもオープン価格で税込みの実売予想価格はFD7が79,200円前後、FDXが107,800円前後。

アメリカのマテリオン製ピュア・ベリリウム振動板を採用

“究極のシングルドライバーIEM”を目指して、アメリカのマテリオン製ピュア・ベリリウム振動板を採用した12mmダイナミックドライバーを新開発して搭載。ピュア・ベリリウム素材は、スピーカー用振動板として理想とも言うべき素材とされており、最近、イヤホン用のピュア・ベリリウム振動板が開発され、いくつかの製品が他社から出ている状況。本機では既存のピュア・ベリリウム振動板ではない、新開発品を搭載しているようです。

意欲的で独創的な高音質化の工夫

異なる帯域間の時間遅延に伴う問題に対処するため、ドライバー前にディフューザーを配置する「アコースティック・プリズム・システム」を搭載しているのも特徴。ドライバーから放射される音波の音導管内での伝わり方をコントロールし、高音質化につなげます。

背面には、低域をコントロールする独自の排圧コントロール機能「ボルカニック・フィールド」機構も搭載。低域の定在波、歪みを低減し、低域の拡散性を全体的に改善したと謳っていまs。

セミオープン構造を採用。鼓膜に掛かる圧力を緩和し、より快適で長時間のリスニングが可能になったとしています。音響的には好条件ですが、音漏れや遮音性の面では注意が必要かもしれません。

黒々とした広大な山々に囲まれた黄金の川を描いた、古の中国の風景画を連想させるというブラック仕上げの筐体は片側11g。FiiOが言うほど中国風の雰囲気は外観からは受けず、むしろオーソドックスなイヤホンに見えます。

FiiOでおなじみの交換可能な音導管で音質調整可能

これまでのモデルで採用されてきた交換可能な音導管を、過去最多となる3バリエーションで用意。一番内径の大きいものは広大なサウンドステージを、やや狭い内径のものはバランス重視のサウンドを、最小の内径では低域を重視したサウンドが特徴で、好みなどに合わせて使い分けられます。

仕様・付属品など

再生周波数帯域は10Hz~40kHzで、インピーダンスは50Ω(@1kHz)。感度は111dB/mW(@1kHz)、最大入力は100mW。

ケーブルは合計224本の高純度単結晶純銀素材による芯線を用いたものを標準で付属。TPU被膜により絶縁されたケーブルを4本編み込み。イヤフォン側コネクターはMMCX。プラグは3.5mmステレオミニ、2.5mm/4.4mmバランスに交換可能な仕様。ケーブル長は約120cm。

バランス/低音/ボーカル重視のイヤーチップが各3ペア(S/M/L)が付属するほか、SpinFit製イヤーチップ×3ペア、トリプルフランジ・イヤーチップ×2ペア(S/L)、メモリーフォーム・イヤーチップ×2ペア、キャリングケースなどが付属。

FiiO FD7 / FDX 比較しての違い

リミテッド・エディションのFDXはピュア・ベリリウム振動板のダイナミックドライバーなど、基本構成はFD7と同一ながら、シェルは24金メッキが施され、イミテーション・ダイヤが60個使われたフェイスプレートを採用。個体ごとに個別のシリアル番号が付与されます。

ケーブルも、高純度の金メッキ銅、銀メッキ銅、銅の芯線をハイブリッドで採用した撚り線が採用され、編み込まれた4本のケーブル合計で240本の芯線で構成されている。被膜は長時間使用しても黄変せず、低温環境下でも硬化しにくい医療グレードのTPU素材が使用されています。

FD7同様、プラグは3.5mmステレオミニ、2.4mm/4.4mmバランスへと交換可能で、各パーツには24金メッキが施されています。

本体はシリアルナンバーが刻印されたプレートとともに、専用の木製ケースに収められ、FD7と同じく各種イヤーチップや、キャリングケースなどが付属。

要はFDXはイヤホンとしての基本はFD7と同様ながら、外観面で装飾品的な付加価値を付けるとともに、イヤホンとしても付属ケーブルやプラグのグレードも上げています。

FDXはアクセサリーのような外見もあり、コレクターズアイテム的な面が強いのは確かでしょう。ただ、付属ケーブルの違いだけでなく、筐体自体の仕上げもそれなりに違うため、ケーブルを同一条件にしても何等かの音質的違いはあるものと推測されます。イミテーション・ダイヤが60個使われることによる音質的影響がどのようなものかは興味深いところです。

FiiOからもついにピュア・ベリリウム振動板イヤホンが登場

FDXの話は置いておいて、FiiOからもついにピュア・ベリリウム振動板イヤホンが登場。

いわゆる中華イヤホンの範疇にあるメーカーによる廉価品(KBEAR Believe、NICEHCK lofty これらは本当にピュア・ベリリウム振動板なのか不明点もあります) は除いて、世界的な大メーカーが発売するピュア・ベリリウム振動板イヤホンとしては、これまでで最も安価な製品でしょう。

大手メーカー品による既存のピュア・ベリリウム振動板イヤホンとして、finalのA8000、DUNU LUNAがあります。いずれも税込み20万円ほどと、今回のFD7とはかなりの価格差があります。

FiiO FD7 感想・レビュー(ツイッターから)

FiiO FDX 感想・レビュー(ツイッターから)

FiiO FD7 各レビューから受ける音質面での印象

この価格でピュア・ベリリウム振動板ということで、イヤホン愛好家の多くの方が国内発売と同時に購入され、ツイッターにも多くの感想が上がっています。

音質は価格を考慮すると極めてハイレベルで、傾向としては色付けの少ないリファレンス的なもののようです(以下、音質の話題については基本モデルのFD7についてです)。

ベリリウム振動板というと、ワイドレンジで音の情報量が多いものの、高音が強そうという先入観のある人がいるようですが、本来、理想的な振動板から発せられる音はどちらかというと自然で強調感や誇張のない音のはずです。

つまり、生の音が実際に持っているワイドレンジ性と情報量をありのままの姿で提示してくれる傾向のはずです。

このような基本条件もあってか、有名レビュアーの方は本機に100点を付けています。なかなか付かない点数ですので、本機の実力の高さがうかがわれます。

Fiio FD7のレビュー 高解像度でタイト、伸びやかでクセの少ない音でとにかくスゲェ〈PR?〉 : メタラーのヘッドホンブログ
Fiio FD7というピュアベリリウムドライバを使ったダイナミック1発構成のイヤホンのレビューです。こちらの製品は国内価格では現在88,000円(EイヤホンWEB)ですが、輸入価格は599ドル~629ドルくらいと大分安く買えます。今回は629ドルと最安では無いのですが、実績が多く安

final A8000とも比較しうる実力?

また、他社の有名機種のfinal A8000が(価格は相当違いますが)、同じピュア・ベリリウム振動板搭載機(なんでもA8000もFD7と同じアメリカのマテリオン製振動板(振動板そのものは違います)を使っているとか)として比較対象になります。結果、FD7のほうがより自然なサウンドとも言えるようです。

A8000のほうが音のエッジを感じさせる硬質感があるようです。また、録音された音のすべてを克明に情報量として提示する能力もA8000のほうがあるようです。このような傾向はいわゆるオーディオ的な観点では優れた性能とされますが、実際の生の音や音楽に近い印象としてはFD7のほうがより近い可能性もあります。

新たなリファレンス的イヤホンの登場?

オーディオに無色透明的な再現性を求める向きには非常に有力なイヤホンが登場したようです。

反面、このイヤホンならではの突出した個性とか、いかにもハイファイ的なオーディオ感は薄いとも言え、実際、そのあたりに不満のあるユーザーもいるようです。

ただ、本機の場合、音質傾向を変えられる音導管交換機構に加え、付属イヤーピースの違いによる音質の違いもあるようなので、ある程度、音を好みに追い込むこともできそうです。

弱点としては遮音性の低さ、音漏れの大きさ、筐体が大きく、装着性にも難がある場合もある、などが挙げられるようです。

正直、購入者やレビュアーの方々の感想を見ると、極めてニュートラルでリファレンス的な意味で素晴らしいイヤホンが登場したように感じます。しかも、高額すぎないのも大きなポイントです。

avgadgetken

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