中国のFiiO(フィーオ)は、BAドライバーを搭載した完全ワイヤレスイヤホン「FW1」を9月11日より発売します。オープン価格で、実売予想価格は9,000円前後。
FiiO専用に特注仕様とした米Knowles製BAドライバー1機を搭載しているのが特徴。入念に調整された周波数特性とインピーダンス整合の組み合わせにより、優れた音質に仕上げたとしています。再生周波数帯域は20Hz – 20kHz。
また、ノイズを低減する、DSPリコンストラクション・テクノロジーを採用。BAドライバーとBluetoothのオーディオ特性の両方を調整することで、BAドライバーの能率の高さに由来するバックグラウンド・ノイズを低減したとしています。つまりは、Bluetoothイヤホンで起こりがちな、音楽再生時の弱音や無音時のいわゆるホワイトノイズを抑えているということです。
Qualcomm製のSoC「QCC3020」を搭載し、Bluetooth 5.0に準拠。コーデックはSBC/AAC/aptXに対応。プロファイルはHSP/HPF/S2DP/AVRCPをサポート。また、LDSアンテナを実装し、接続安定性の高さもアピールしています。左右同時伝送で安定した接続を実現するTWS+にも対応しています。
操作はタッチセンサーに対応。音量操作も可能です。DSP技術の「cVc noise cancelling technology 8.0」と高感度マイクにより鮮明な通話音質も備えています。
連続音楽再生時間、および通話可能時間は約7時間。付属充電ケースとの併用により、最大21時間の音楽再生が行なえます。充電時間は2時間以下。充電ポートはUSB-C。
イヤホン重量は、片側約4.3g。シリコン製イヤーチップ×3ペア(S/M/L)、充電用USB-Cケーブルが付属。
実売1万円以下の完全ワイヤレスイヤホンとして、機能面では最新モデルとして際立った特徴やスペックは備えていません。
このモデルのセールスポイントは、BA型ユニットを採用していることによる音質面ということになるでしょう。
完全ワイヤレスイヤホンのジャンルにおいては、BA型ユニットを採用したモデルはまだまだ少なく、また、有名大手メーカー品による1万円以下の製品となるとかなり限られるからです。
たとえば、実売1万円程度の有名メーカー製BA型採用完全ワイヤレスイヤホンとしては、
「Shanling MTW100-BA」 「Astrotec Astrotec S60」の2つ程度。
この2つに対するアドバンテージとしては、本機のみaptXにも対応している点が挙げられます。
なお、「Shanling MTW100-BA」もKnowles製BAドライバーを使用していますが、特にカスタム仕様などではなく、本機「FW1」とは異なるものです。
本機「FW1」の使用しているKnowles製カスタムBAドライバーは、FiiOの有線イヤホン「FA1」(国内価格約1.1万円)に使用されたKnowles製カスタムBAドライバーと同等品ではないかという情報もあります。本当ならかなりお得ですが、確かな情報ではありませんので、参考程度に留めてください。
本機は1万円程度の予算で音質重視の完全ワイヤレスイヤホンを求めており、BA型ユニットのサウンドを特に欲している、できればaptXにも対応していて欲しい、という方にぴったりでしょう。
そのほかにも、漠然と音質のよい1万円クラスの完全ワイヤレスイヤホンが欲しいというニーズも広くカバーできる高音質モデルであることも期待したいところです。
現時点では少なくとも、BA型採用の完全ワイヤレスイヤホンとしては業界最新モデルであり、内容と価格のバランスの点から、「BAドライバー搭載の完全ワイヤレスイヤホンのおすすめ機」という一つの定番の座に付ける可能性を大いに感じさせます(完全ワイヤレスイヤホン+FiiO)。