Fire TV、Fireタブレット、Echo ShowなどのAmazonデバイスには、AndroidをカスタムしたOSが搭載されていますが、Linuxベースの独自OS「Vega」に2024年にも移行。OSの移行計画はFire TVシリーズから始まり、将来的にはすべての製品で採用されるとの報道が出ています。
Amazonが独自OS「Vega」に移行するAmazon側のメリットは、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
Androidは、Googleが開発・提供しているオープンソースOSです。そのため、AmazonはAndroidをベースにしたFire OSを開発・管理する際に、Googleの開発方針に従う必要があります。しかし、独自OSであれば、Amazonが自社のニーズに合わせて自由に開発・管理することができます。これにより、OSの開発と管理の効率化が図れると考えられます。
Androidは、スマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスに採用されている広く普及したOSです。そのため、マルウェアや脆弱性などのセキュリティリスクへの対策が重要となります。しかし、Androidはオープンソースであるため、セキュリティ対策が追い付かないケースも少なくありません。独自OSであれば、Amazonが自社でセキュリティ対策を強固にすることが可能です。
Androidは、さまざまなメーカーのデバイスに採用されています。そのため、Amazonのデバイスは、Androidを搭載している他のデバイスやテレビの内蔵機能と差別化することが難しいという課題がありました。独自OSであれば、Amazonは独自の機能を追加したり、デザインを変更したりすることで、デバイスの差別化を図ることができます。
具体的には、Vegaは以下の機能を備えているとされています。
低遅延の動画再生
高いセキュリティ
デバイス間の連携強化
これらの機能を活用することで、Amazonはユーザーエクスペリエンスを向上させ、競合他社との差別化を図ることができるでしょう。
なお、独自OSへの移行には、開発やテストにかかるコストや、既存デバイスのサポート終了などの課題もあります。しかし、長期的な視点で見ると、Amazonにとって独自OSへの移行はメリットが大きいと言えるでしょう。
Amazonデバイスが独自OS「Vega」に移行した場合、ユーザー側のメリットとしては、以下のようなものが考えられます。
Vegaは、低遅延の動画再生を実現する機能を備えているとされています。これにより、動画配信サービスのコンテンツをより快適に視聴することができるようになります。
Vegaは、高いセキュリティを実現する機能を備えているとされています。これにより、マルウェアや脆弱性などのセキュリティリスクからデバイスを保護することができます。
Androidの場合は、オープンソースであるため、マルウェアや脆弱性などのセキュリティリスクへの対策が追い付かないケースも少なくありません。Vegaは、Amazonが自社でセキュリティ対策を強固にすることで、デバイスをより安心して利用することができます。
AmazonVegaは、デバイス間の連携を強化する機能を備えているとされています。これにより、複数のAmazonデバイスをシームレスに利用することができるようになります。
Amazonには、Fire TVやEcho Showなど、さまざまなデバイスがラインナップされています。Vegaでは、これらのデバイス間の連携を強化することで、複数のデバイスをシームレスに利用することができます。例えば、Fire TVで再生している動画を、Echo Showで音声で操作して再生したり、Fireタブレットで作成したメモを、Echo Showで表示したりできるようになります。
なお、これらのメリットは、Vegaの開発と改善が進むことで、より大きくなることが期待されます。
一方、考えられるユーザー側のデメリットとそのデメリットにより予想されるユーザー側の動向もあります。
Amazonデバイスが独自OS「Vega」に移行した場合、ユーザー側の想定されるデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
Androidは、スマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスに採用されている広く普及したOSです。そのため、Android系アプリの選択肢は豊富で、さまざまな用途に対応したアプリが提供されています。しかし、VegaはAndroidをベースにしていないため、Android系アプリをインストールして使うことができなくなります。
これは、ユーザーにとって大きなデメリットとなります。例えば、動画配信アプリやゲームアプリ、ビジネスアプリなど、Android系アプリを頻繁に利用するユーザーにとっては、Vegaへの移行は大きな不便となります。
Vegaは、Amazonが自社のニーズに合わせて開発した独自OSです。そのため、Vegaに搭載されるアプリや機能は、Amazonが提供するものに限定される可能性があります。
これまでもAndroidそのままとはいかないFire OSでしたが、それでもかなりの数のAndroid系アプリを使用できており、汎用性は高いデバイスではありました。こうしたAndroid系アプリの多くが使えなくなる可能性があります。その代わりとなるであろう、Amazonが独自に開発したアプリや機能が、ユーザーのニーズに合わない可能性もあります。
Vegaは、まだ開発途上にあるOSです。そのため、セキュリティや安定性に関するリスクが存在します。
例えば、脆弱性が発見されてセキュリティリスクが高まる可能性があります。また、バグや不具合が発生して、デバイスが正常に動作しなくなる可能性があります。
これらのデメリットにより、ユーザー側の動向としては、以下のようなものが予想されます。
Android系アプリを頻繁に利用するユーザーは、Android系アプリが使えるデバイスに乗り換える可能性があります。例えば、ChromecastやAndroid TV搭載テレビなどに乗り換える可能性があります。
Amazonデバイスの利用を減らすユーザーも出てくる可能性があります。例えば、AmazonデバイスでAndroid系アプリを利用する頻度を減らす、Amazonデバイスを別のデバイスと併用するなどの対応をする可能性があります。
なお、AmazonはVegaの開発と改善を進めることで、ユーザーのデメリットを解消していくとしています。しかし、完全な解消は難しいと考えられます。
このニュースが報じられた当初の一般ユーザーの反応としては残念ながらユーザーのデメリットが多いように受け取っている人が多いように感じられました。Amazonデバイスはどこに向かっているのでしょうか?Apple TV?