FOSTEX AP15mk2 手のひらサイズの超小型プリメインアンプ
フォステクスカンパニーは、手のひらサイズの超小型プリメインアンプ「AP15mk2」を7月下旬より発売します。オープン価格で、税込11,800円前後での実売が予想されます。
2014年に税抜き9,800円で発売され、現在は税抜き10,700円に値上げされている「AP15d」の後継機。「AP15d」に改良を加え、さらなる高音質化を実現したというアンプ。
「AP15d」と比較しての違いも交えながら、「AP15mk2」の内容・特徴をご紹介
「AP15d」と比較しての違いも交えながら、「AP15mk2」の内容・特徴をご紹介します。
「AP15mk2」は、15W+15Wのデジタルアンプ(D級アンプ)を搭載するコンパクトサイズのプリメインアンプ。出力の同じだった「AP15d」をベースに、部品やレイアウトまでにわたって大幅な変更を施し、歪み率と残留ノイズを改善。より一層クリアで良質なサウンドを実現したというのがモデルチェンジでのポイント。
再生周波数帯域は20Hz-20kHzで適合負荷インピーダンスは4-8Ω、S/Nは90dB以上、全高調波歪率は0.05%(出力10W、4Ω負荷、1kHz)。
「AP15d」ではS/Nは85dB以上、全高調波歪率は0.1%(出力10W、4Ω負荷、1kHz)であったので、たしかにかなり改善されています。
「AP15d」では能率の高いスピーカーをニアフィールドで聴くと、残留ノイズが聴こえるような場合でも、「AP15mk2」では改善していると思われます。
特に残留ノイズが聴こえない環境でも、音全体のクリアネスが上がる、細かい音が良く聴こえるようになるなどの改善も期待できます。
オートスタンバイ機能を新たに搭載
欧州の環境配備設計エコデザイン指令に適合したオートスタンバイ機能を新たに搭載。入力が無信号かそれに近いレベルの状態が続くと自動的にスタンバイモードになり、消費電力を0.5W以下に低減します。
本機能は底面のディップスイッチを操作することで、機能のオン/オフや、スタンバイまでの時間を1分から12分に設定することが可能です。
オートスタンバイ機能自体は下位モデルの「AP05」「AP05mk2」でも搭載されています。「AP05」ではオートスタンバイのオン・オフが選べず、スタンバイまでの時間も設定できませんでした。しかも、クラシックなどの弱音が続く曲で勝手にオフになることがあるなど、一部では不評な内容でした。
そこで、「AP05mk2」では機能を改善。「AP15mk2」と全く同じ内容に変わりました。これにより、意図しないオートスタンバイを防止できるようになっています。「AP15mk2」でのこの改善はすでにユーザーの間でも好評なので、「AP15mk2」でも使い勝手のよい機能として重宝できそうです。
入力と付属品は同様
入力は従来同様に、背面にRCAピン、前面にステレオミニ端子を1系統ずつ装備。入力信号はステレオミニが優先。ステレオミニとRCAピンの同時入力はできません。
外形寸法は110W×30H×75Dmm(最大突起物含む)で、質量は約250g。サイズと重量も従来と全く同じです。最大消費電力も約45Wと同じ。
1.5mのステレオRCAケーブルと0.8mのステレオミニケーブルを1本ずつに、1.5mのスピーカーケーブルを2本、ACアダプター1つが付属。この付属品のパターンも従来と同じです。
デザインと端子レイアウトは少し変わっています
デザインと端子レイアウトは少し変わっています。どちらも前面パネルの真ん中にボリュームが配置されていますが、「AP15d」ではボリュームの左にステレオミニ入力、右に動作状態を示すLEDが、「AP15mk2」ではこの逆となっています。
また、メーカーのロゴと型番の印刷は、「AP15d」では天板にありましたが、「AP15mk2」では前面パネルの左上に移動しています。
背面も変わっています。「AP15d」では真ん中にDC入力端子とRCA入力端子があり、その両側にスピーカー端子がそれぞれのチャンネルごとに配置されていました。「AP15mk2」では左からDC入力、RCA入力、スピーカー端子、というようになっています。内部回路の配置も結構変わったことをうかがわせます。
「AP15d」同等以上の音質と使い勝手が期待できそうです
「AP15d」も国内メーカー製では珍しい、超小型かつリーズナブルなプリメインアンプとしてニアフィールドリスニング用から一般的なオーディオ用まで幅広く人気を集めていました。
中国メーカー製ならより安い製品もありますが、日本メーカーの信頼と、フォステクスというメーカーへの評価という点で、高い支持があります。
音もこの価格とは信じられないくらいよく、はるかに高価なフルサイズ機に匹敵するという意見もあるほどです。
「AP15d」では、よほどの低能率スピーカーを離れて聴くのではない限り、オーディオ用のプリメインアンプとして、音質、音量ともに十分な実力を持っているという評価も多く見受けられます。
たしかに、国内メーカー製の他のエントリークラスプリメインアンプと比べると、価格は1万円くらい安いですが、入力が少なく、出力も小さい、ヘッドホン端子やトーンコントロール、さらにリモコンがないといった点がマイナスと言えます。
一方、国内メーカー製の他のエントリークラスプリメインアンプもフルサイズが基本で、本機は圧倒的なコンパクトさと軽量は魅力です。使い方をよくわきまえて活用すれば、とても役に立つ小さな巨人と言えそうです。
「AP15mk2」では「AP15d」でもすでに確立されている音質やコンパクトさへの評価、ハイコスパぶりを継承し、しかも、価格据え置きで音質と機能性のアップが見込まれますから、さらに素晴らしい製品と言えるような印象です(プリメインアンプ+FOSTEX)。
コメント