FX-AUDIO- TUBE-P01J シングルエンド純A級動作の真空管プリメインアンプ

FX-AUDIO- TUBE-P01J シングルエンド純A級動作の真空管プリメインアンプ

ACアダプターからの電力供給で動作するシングルエンド純A級動作の真空管プリメインアンプ。プリ管(6J1)/パワー管(6P1)それぞれ2本ずつ、計4本の真空管を使用しています。外形寸法は184W×89H×158Dmm(真空管/突起部除く)、質量は約1.7kg。

付属する真空管のグレードによって、2種類の価格のモデルをラインナップ。

プリ管(6J1)/パワー管(6P1)それぞれ500本の真空管からマッチング選別を行い、左右の出力差を1.5dB以内にまで追い込んだ「チューニングモデル」(31,800円/税込)と、マッチング選別を行わない標準真空管を付属して価格を抑えた「ベースモデル」(予価18,800円/税込)。電源はACアダプター方式で、ACアダプターは別売り。

「チューニングモデル」初回30台の予約販売を、3月20日から3月24日まで実施しているそうなので、「チューニングモデル」が欲しい人はお早目に(現在予約は一旦停止となっています)。

シングルエンド純A級動作の真空管アンプを低価格かつ気軽に

取り扱いが難しくやや専門的な知識を要し、また高額になりがちで一般・ライトユーザーが手の出しにくいシングルエンド純A級動作の真空管アンプを、現代的な新発想に基づく設計により、低価格かつ手頃で簡単に扱えるようにしたというコンセプトのモデル。

プリアンプ段/パワーアンプ段ともに1チャンネル1真空管のシングル構成を採用することで、真空管の音色や雰囲気を色濃く感じられるアンプに仕上がっているのが特徴。

真空管アンプながら、取り扱いやすいACアダプター電源を採用。真空管アンプでACアダプター電源を採用するのはいろいろと難しい問題があるのですが、この点を真空管の動作用電源は交流100Vからではなく、ACアダプターの直流からトランスを介して生成するなど、いくつかの技術的テクニックによって、問題を回避しています。

真空管の状態が安定するまで出力動作を待機する「オートディレイスタート」、内部回路の電流以上を検知し電力供給を制限する「オーバーカレントプロテクション」といった保護機能も備えているため、知識のない初心者にも扱いやすいように入念な配慮がなされているのもポイントです。

MMカートリッジ対応のフォノイコライザー、スピーカー出力信号をそのまま調節したヘッドホン出力(6.3mmジャック、対応インピーダンス16~300Ω)なども搭載していて、普段はシンプルな入出力のアンプを得意としているメーカーとしては、なかなか多機能で便利なアンプになっています。

定格出力は2.5W×2、対応スピーカーインピーダンスは4~8Ω。入力端子はLINE/PHONE各1系統。周波数特性は20Hz~20kHz、THD 0.3%、SNR 90dB。

幅広いユーザーが簡単にシングルエンド純A級動作の真空管アンプが楽しめる

シングルエンド純A級動作の真空管アンプは一般に、出力は小さいながらも、真空管ならではの温かみのある芳醇なサウンドを楽しめると言われており、根強い人気があります。ただ、扱いの難しさなどもあり、真空管オーディオ上級者向けの印象もあります。

本機の場合は、上述の特徴や工夫により、幅広いユーザーが簡単にシングルエンド純A級動作の真空管アンプが楽しめるとも思います。

長所を生かした使いこなしのポイント

ただ、出力が弱いという弱点はそのままですので、組み合わせるスピーカーや使い方には注意が必要でしょう。

まず、できればスピーカーに近づいて聴くようなニアフィールドリスニング用が基本でしょう。それならばスピーカーの能率にあまり左右されずに音楽を楽しめるでしょう。

スピーカーから距離を取って、音量も出したいというなら、高能率のスピーカーを用意する必要があるでしょう。JBLのホーンタイプなどで、90dB以上の能率は欲しいところです。

オーディオ上級者なら、自分で好みの真空管を用意して、真空管の交換による音の違いも楽しめそうです。そういった上級者の方なら、スピーカーも往年のアルテックなどの高能率なビンテージスピーカーも用意して(すでに持っているような方もおられるでしょう)楽しめるのではないでしょうか。

なお、チューニングモデルは左右の出力差を1.5dB以内にまで追い込んだ真空管のマッチング選別が違いですが、この効果は、おもに定位の向上に表れるとメーカーの公式ブログでは書かれています。自分で真空管を選ぶ場合の参考になるでしょうか。

インテリア性の高い点も魅力

普段のFX-AUDIO-ブランドのアンプと言えば、市販のアンプチップを使ったD級タイプが多く、たまに真空管プリアンプがあるような印象。

見た目もシンプルで素っ気ないいかにも工業製品というものが多いのですが、TUBE-P01Jは4本の真空管が露出したデザインにより、レトロさと最新工業製品の雰囲気が交じり合ったような佇まいで、インテリア性の高い点でも魅力があるように思います。

なお、通常モデルについても、生産国で新型肺炎で工場が回っていなため、工場が正常稼働して生産に余裕が出てから正常供給となるとしています。これはいろいろなメーカーのいろいろな製品でも同じでしょうが、正常化の見通しはなかなか難しそうです(真空管プリメインアンプ+FX-AUDIO-)。

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