HIFIMANの平面磁界駆動型ヘッドホン「ANANDA」。税込みの実売価格は約7.7万円。
「Edition XS」(約6万円)の上位に当たり、「Arya」(約12万円)の下位に当たります。
最新の超薄型平面型ドライバー「NsD」(NEO supernano Diaphragm)を採用。従来の設計よりさらに薄く、素早い信号応答と、豊かで精細な音楽の再現が可能としています。
特殊な形状で歪みの少ないサウンドが得られるという、「ステルスマグネット」も採用。
これら2つの技術は上位「Arya」でも採用されています。
一般に駆動が難しいとされる平面駆動型ヘッドホンですが、本機では高感度設計により、スマートフォンやポータブルプレーヤーでも駆動できるというのも特徴。
感度は103dB、インピーダンスは25Ω。再生周波数特性は8Hz~55kHz。
ハウジングは大型のオーバーイヤー型で、HIFIMANの平面駆動型ヘッドホンに共通の意匠。ヘッドバンドはアルミと革のハイブリッドで装着感と外見に配慮しています。開放型設計で余計な反響音を抑制するハウジング設計としています。
ケーブルは3.5mm端子/両出しのケーブル着脱式。ヘッドホンケーブル(1.5m)、6.3mmステレオ標準変換アダプターなどが付属。
なお、同じ「ANANDA」でもステルスマグネットを搭載していない従来モデルと、ステルスマグネット版があるので要注意です。ステルスマグネット版のほうが音の立ち上がりの向上や低域の改善など、明らかに音質が良くなっているとされていますので、中古を買う場合などに気を付けてください。
ヘッドホンとしては一般的には高額ですが、これでも高級ヘッドホンとしてはコスパの高いお買い得機と評価されており、定番モデルのひとつとなっています。
下位の「Edition XS」がややまじめでオーソドックスなモニター系に振っているのとは異なり、本機では高域の煌びやかさや、低域の充実など、いわゆるリスニング寄りの味付けがあるとも言われています。
「Edition XS」の内容はこちらで紹介しています。
それほど高額ではないポータブル機(エントリークラスのDAPなど)でもうまく鳴らせるという評判もあり、上流機器にまだそれほど予算をかけられない向きにも適していそうです。上位の「Arya」は感度が90dBと、まさにアンプを選ぶモデルなだけに本機のメリットは大きいでしょう。
HIFIMANの平面駆動型ヘッドホンに共通の、サイズや重量がそれなりにあるというデメリットもあり、開放型設計も相まって、室内でじっくり音楽を鑑賞する用途に向いています。ただ、大きいとはいえ、装着感は快適との声は多く、このあたりはさすがにHIFIMANのノウハウを感じさせます。
アマゾンのタイムセール祭りなどの常連であり、そのときには6万円未満で購入できます。ぜひそのタイミングで狙いたいところです。
HIFIMANの平面駆動型ヘッドホンは、本体とは3.5mm端子/両出しのケーブル着脱式を採用しているため、リケーブルが可能です。標準装備のケーブルはアンバランス専用なだけに、4.4mmや2.5mm径のバランス接続を実行したい場合はリケーブルが必須です。
HIFIMANの平面駆動型ヘッドホンは世界的に人気が高いだけに、サードパーティー製のリケーブルも選択肢にあるので、リケーブルによる音質変化も楽しめるでしょう。