HIFIMAN JAPANは、有線ヘッドホン「HE-R9」と、Bluetoothモジュール「BlueMini R2R」をセットにした「HE-R9(BT)」を2022年7月15日に発売しました。価格はHE-R9が85,800円、HE-R9(BT)が99,880円。
「HE-R9」は独自のトポロジー振動板を採用したオーバーイヤー密閉型の有線ヘッドホン。トポロジー振動板は、幾何学模様の振動板表面に特殊なナノ粒子コーティングを施したというものでHIFIMANのオリジナル製品。「様々な音色に応じて幾何学模様の形状、配合物、厚さを調整することで、周波数応答の完璧なコントロールを目的としている」と音質上のメリットを謳っています。
大型のイヤーカップによって、強力なドライバーの動作に十分な大容量の内部空間を確保。優れた音質を兼ね備えながら、密閉型と開放型の両方の良さを併せ持つというのも特徴。
ケーブルは着脱可能で、端子は3.5mmステレオミニ。片出し、両出しのどちらにも対応し、左側のみ3.5mm TRRS端子でバランス接続に対応可能。
周波数特性は15Hz~35kHzで、インピーダンスは32Ω。感度は100dB。重量は328g。バランス対応3.5mm端子付き標準ケーブルが付属。
HE-R9(BT)は、HE-R9にBluetoothレシーバー兼USB-DACの「Bluemini R2R」を付属したモデル。Bluemini R2Rは、USB-Cケーブルを用いることでUSB-DACとしても使用可能。
Bluetooth 5.0準拠で、コーデックはSBC、AAC、aptX、aptx-HD、LDACに対応。再生時間は8時間。
「Bluemini R2R」はR-2Rラダー型のマルチビット型DAC「HYMALAYA DAC」を搭載。USB有線接続時には48kHz/16bitまでの対応となります。
ソニーの伝説的な高級密閉型モデルMDR-R10をリスペクトして作ったと公言していた「HE-R10」(約14万円)の下位モデル。そのため、MDR-R10に酷似しているデザインも踏襲しています。
HE-R10とドライバーの特徴は同じ。仕様は異なっており、イヤーカップやフレームの素材(HE-R10はMDR-R10を彷彿とさせる木製ハウジング。フレームも航空機グレードのアルミ)も異なり、主要パーツはできるだけ維持しながら、音質に影響の少ない部分をうまくコストダウンした弟機といったところ。
HE-R10の周波数特性は10Hz~35kHzで、インピーダンスは32Ω。感度は100dB。重量は337g。そのほか、バランス接続にも対応するケーブルが3つ付属。
「HE-R9」のデザインはMDR-R10をリスペクトしていますが、内容は振動版の独自性をはじめ、ケーブル着脱機構対応と、バランス接続への対応、専用モジュールの接続によるBluetooth/USB接続対応化など、全く異なっており、むしろHIFIMANの独自性が際立っています。
Bluetoothモジュール「BlueMini R2R」をセットにした「HE-R9(BT)」については、HE-R10に付属している同様のモジュール「Bluemini」と異なる点があるのは要注意です。
どちらもSBC、AAC、aptX、aptx-HD、LDACに対応する高機能なBluetoothレシーバーですが、USB接続時に「Bluemini」は192kHz/24bitまで対応。USB-DACとしては「Bluemini」のほうがハイスペックです。ただ、DAC機構としてはR-2Rラダー型のマルチビット型DAC「HYMALAYA DAC」を搭載しているのは「BlueMini R2R」のみです。そうなると、CD品位までの音源を楽しむなら「BlueMini R2R」のほうが上手になるのでしょう。
HIFIMAN HE-R9 の音、凄く良い
HIFIMAN HE-R9は、どうも発売直後のタイミングでは、まだあまり購入している人はいないようです。試聴環境も整っていないのか、ツイッターでは試聴感想も見かけません。
HIFIMANというと、ラインナップの多い平面駆動型ヘッドホンのイメージが強いことも影響しているのでしょうか。
しかし、数少ないツイッターのレビューからは、極めて満足度の高いヘッドホンであることがうかがえます。HIFIMANはダイナミック型も優れた、しかもコスパの高いヘッドホンをモノにしているようです。