HIFIMAN JAPANは、ヘッドホン4製品を2020年4月8日受注分より値下げします。
対象となるヘッドホンは、「HE400i」「HE400S」「SUNDARA」「Arya」の4機種。改定前と改定後の価格は下記の通りです(価格はいずれも税抜)。
・「HE400i」35,370円→17,000円
・「HE400S」35,926円→12,000円
・「SUNDARA」50,000円→34,500円
・「Arya」170,000円→132,000円
びっくりするくらいの値下げです。特に、「HE400S」は、従来価格35,926円から12,000円へ約67%の大幅値下げ。
いずれもHIFIMANのヘッドホンの特徴である、平面駆動型を採用したモデル。
平面駆動型は一般に、ヘッドホンアンプに負担がかかることが多いため、一般的なダイナミック型と異なり。面で駆動されることによる数々の音質的メリットがありながらも、どうしても幅広いライトユーザー向けではない点があります。要は、単体のヘッドホンアンプがないと音質的なよさを引き出せないばかりか、まともに音量も取れない可能性さえあります。
そこで、ポータブル機器でも実用的に平面駆動型ヘッドホンを鳴らせるように設計したのが「HE400i」と「HE400S」です。
先に発売された「HE400S」は、高能率な新型平面磁気ドライバーを採用したというモデルで、インピーダンスは35Ω、感度は94dB/mW。周波数帯域は15Hz~50kHz。重量は360g。
「HE400S」はさらにライトユーザーに向けたモデルで、インピーダンスは22Ω、感度は98dB/mW。周波数帯域は20Hz~35kHz。重量は350g。
どちらも、ポータブル機器でも鳴らせるスペックにまとめていますが、「HE400S」のほうがより鳴らしやすい性能になっています。
一方、「HE400i」のほうがイヤーパッドやケーブルの品位が「HE400S」よりも高く、明らかに上位モデルです。でも定価が同じ?
実は、「HE400i」が2014年に国内発売された当初、定価は50,740円だったのです。その後、一度価格改定があって、35,370円に値下げされ、さらに今回大幅に下がったものです。
他方、「HE400S」は最初から35,926円だったわけです。
こう見てみると、HIFIMANの平面駆動型ヘッドホンでポータブル駆動にも対応できるエントリーモデルで、なおかつ、コスパも追求すれば「HE400i」のほうがお得なのではないかと思います。
2モデルとも、海外では極めて人気が高く、多くのレビューが得られる点でもこれらのヘッドホンの高い実力がうかがわれます。国内ではリーズナブルな平面駆動型ヘッドホンの定番であるFOSTEXの存在も、この価格なら脅かせるでしょう。
一方、ヘッドホンでは初という“薄さナノメーター”の振動板を採用し、また、振動板からの音を阻害しにくいという非対称マグネットを採用。さらに、ドライバー保護と、オープンバックタイプの最適化のために開発された特許技術のウインドウ・シェードシステムも採用するなどした、堂々たる上級モデルが「Arya」。
周波数特性は8Hz~65kHz、インピーダンスは35Ω、感度は90dB、重量は404g。
ワイドレンジ性など申し分ありませんが、据え置きヘッドホンアンプで楽しみたいハイクラス機と言えそうです。
さすがに安くなかっただけに、中古で入手して楽しみたい人もいることでしょう。ほぼ確実にヘッドホンアンプを要求するヘッドホンだけに、思うように鳴らせずに手放す人もいるようなだけに、ある程度中古市場での取引もあるタイプです。今回の値下げで、当然、「Arya」の中古価格にも影響があるでしょう。