ファーウェイ・ジャパンは、アクティブノイズキャンセリング搭載完全ワイヤレスイヤホン
を、2023年5月24日に発売しました。オープン価格で税込みの実売価格は21,800円前後。
曲線のみでデザインしたというインナーイヤー型というデザイン面でも仕様面でも特徴的なモデル。
完全ワイヤレスイヤホン「HUAWEI FreeBuds 5」の内容・特徴は以下のとおりです。
・インナーイヤー型のアクティブノイズキャンセリング対応完全ワイヤレスイヤホン
・トリプルマイクノイズキャンセリングとアダプティブイヤーマッチングテクノロジーを搭載し、ワングレード上のノイズキャンセリング体験が可能
・イヤホン自体は光沢感のある仕上げ。ケースはマット仕上げ
・人間工学に基づいて曲線のみでデザイン設計されており、耳にしっかりとフィット
・11mm径のマグネットダイナミックドライバーを搭載し、迫力のある低音を再生可能
・Bluetooth 5.2準拠で、LDACとL2HCコーデックによるハイレゾ認証を取得
・再生周波数帯域は16Hz~40kHzと広帯域
・イヤホンのアーチ型ステムにより、タッチ式の操作性が向上
・マルチポイントにも対応
・ファーウェイ製品の共通アプリ「HUAWEI AI Life」対応
・10段階のカスタイマイズEQが利用可能
・Harmony OS 3以降を搭載したHuawei製デバイスではドラッグ&ドロップで接続できるスーパーデバイス機能が利用可能
・トリプルマイクとディープニューラルネットワークアルゴリズム(DNN)を搭載し、クリアな通話が可能
・ケースで5分間充電するだけで2時間音楽再生ができるスーパーチャージ機能
・イヤホンのみIP54の防塵防水仕様
・イヤホン単体での連続再生時間はANC ON時で最大3.5時間、ケース併用時は最大20時間
・外形寸法はイヤホンが約17.6×22.8×32.4mm、ケースが約50.1×27.3×66.6mm
重さはイヤホン単体5.4g、ケースが約45g
一般的にインナーイヤー型のオープン型イヤホンは、外部の騒音を遮断する能力においてはカナル型などのクローズド型イヤホンに比べて劣る傾向があります。オープン型イヤホンは外部の音を一定程度通すため、完全なノイズキャンセリングを実現することは難しいためです。そのためか、オープン型を採用する完全ワイヤレスイヤホンの代表格であるAppleのAirPodsはアクティブノイズキャンセリング機能を搭載せず、密閉カナル型のAirPods Proにアクティブノイズキャンセリング機能を搭載するという住み分けを行っています。
しかし、HUAWEI FreeBuds 5は独自技術や工夫を用いてオープン型イヤホンでも実用的で効果的なアクティブノイズキャンセリング機能を実現しているようです。購入者などのレビューではカナル型のアクティブノイズキャンセリング搭載型モデルと遜色のない強力な騒音低減性能を示しているようです。
そのうえで、インナーイヤー型のカナル型に対するメリットとされる軽快な装着感と、ヌケのよい爽快なサウンドは備えているようですから、まさにオープン型イヤホンとクローズド型イヤホンのいいとこどりを実現している注目モデルと言えそうです。
ただし、インナーイヤー型の特性上、自然に外音が入り込んでくることと、大音量で聴くと音漏れしやすいという点には留意が必要でしょう。
ファーウェイは、インナーイヤー型のアクティブノイズキャンセリング対応完全ワイヤレスイヤホンを、FreeBuds 3といったモデルですでに挑戦しており、これまでのノウハウの蓄積が本機に生きているようです。
また、音質面においてもLDAC接続時にはハイレゾ音源ならでの情報量や空気感も引き出せるほどの品位を備えているようで、高音質志向の完全ワイヤレスイヤホンとしても存在価値を感じさせます。
装着感のよさにも貢献しているという、独特なデザインと光沢のあるカラーリングも、モノとしての価値を高めており、高く評価する人が多いようです。
イヤーピース交換により個人に合った装着性を追求できるカナル型とは異なり、基本的にはイヤホン本体をそのまま耳に入れることになるインナーイヤー型ゆえ、人によっては装着感というか、高音質に聴こえるポイントにうまく耳を合わせこむことが難しく、本機の音質的ポテンシャルを生かせない場合があるようです。イヤホンに被せるゴム製のカバーが付属していますが、滑り止め目的が主で、装着感の調整用ではないようです。本機を購入検討されている方は実機を試聴・装着してみたほうがよさそうです。
ファーウェイ製品の共通アプリ、「HUAWEI AI Life」をApple端末では普通にAppStoreからインストールできる一方、Androidではapkでのインストールが必要となるのはAndroidユーザーにとっては面倒という評価があります。簡単にアプリを導入できるApple端末ではLDACは使えないという問題もあるので、LDACの高音質で本機を楽しみ、機能も活用しないならAndroid端末でひと手間かける必要があります。本来的にはファーウェイ製の端末との組み合わせが理想なのでしょうが、現在の日本国内ではファーウェイ製の端末の利用は一般的ではありません。
留意したい点もいくつかあるものの、HUAWEI FreeBuds 5はデザイン性に留まらず、本質的な高音質を備えた、しかも騒音低減機能も備えたインナーイヤー型の完全ワイヤレスイヤホンと言えそうです。とくにインナーイヤー型にこだわるユーザーにおすすめのようです。