中国のiBasso Audioから、USBバスパワー電源の小型USB-DAC/ヘッドホンアンプの新モデル「DC06」が本国で発表されました。価格は119ドル。
USBメモリサイズで、スマホとも接続できるUSB-DACで、最近増えているタイプ。USBドングル型DACと括られることもあります。
iBasso Audioは現在のように多くのポータブルオーディオメーカーがUSBドングル型DACに参入する前からこのタイプを手掛けており、初期の「DC01」「DC02」の内容の品位の高さとコスパの高さ(バランス接続タイプでも国内価格8,000円程度と数年前としては安かった)から、このジャンルの代表的なメーカーです。
3.5mmステレオミニ接続タイプと、2.5mmないし、4.4mmバランス対応モデルを世代ごとにそれぞれ用意するラインナップも特徴で、第3世代の3.5mmステレオミニタイプに相当する「DC05」(2021年12月国内発売。税込み実売価格9,000円程度)が発売された一方、「DC06」という型番のバランス接続対応タイプが発表されることは予想されていました。そして、この予想通りに「DC06」が発表されたというわけです。
「DC06」はこれまでのDCシリーズとは異なり、着脱式のケーブルとなっています。これまでは直出しであり、初心者にも使いやすい面はありましたが、やはり、ケーブル接合面での耐久性が気になるところでしたが、この点の不安が改善されました。
また、「DC06」はDCシリーズでは初の3.5mmアンバランスと、4.4mmバランス接続に両対応となっています。これまでのDCシリーズは、ヘッドホン端子は1つだけという基本をはじめて打ち破りました。これで、3.5mmユーザーもバランス接続ユーザーもそれぞれに対応するモデルを買う必要がなくなりました。既存の「DC05」の存在意義も脅かすほどの装備と言えるでしょう。
搭載DACチップは「DC05」と同じESS「ES9219C」x2。MQAデコードもできるチップであり、「DC06」もMQA対応を謳っています。MQAデータのレンダラーとして機能し、「コアデコード機能」をもつソフトウェアと組み合わせて使用することで、16倍まで展開できます。384kHz/32bitまでのPCMと、11.2MHzまでのDSDに対応。
このあたりのDACチップや対応ファイルスペックは「DC05」と同じです。
ヘッドホンアンプ出力は強力。320mW@32Ωと謳っています。「DC05」では140mW@16Ωでしたので、大幅に出力がアップしています。スマホとの接続で実際にこれだけの大出力を実現できるのか、実現できたとして、そうなるとスマホのバッテリーを消費してしまうのではないかという疑問も出ます。使用状況に応じて、出力や消費電力を抑えるモードもあったほうがいい気がします。
これまでのDCシリーズ同様に、Android端末接続時には、64段階のハードウェアボリューム調整ができる専用アプリ「iBasso UAC」の使用ができるものと思われます。