iFi Audioブランド初のスティック型(USBドングル型)ポータブルDAC/ヘッドホンアンプ「Go bar」が2022年5月27日に発売されました。価格は税込み49,500円。
Bluetoothレシーバー「GO bul」に続く小型・軽量なGOシリーズの第2弾。
筐体は堅牢かつ軽量な合金製。ポケットに入るサイズ(W65×H22×D13mm)で、重さも28.5gとUSBメモリサイズの小型の筐体ながら3.5mmアンバランス出力と4.4mmバランス出力を搭載。このサイズにして左右対称デュアルモノ出力段をもつトゥルーバランス回路設計もポイント。最大384kHz/32bitのPCMとDSD256に加え、MQAフルデコードに対応。
4つのデジタルフィルター(スタンダード、ビットパーフェクト[NOS=ノンオーバーサンプリング]、ミニマムフェーズ [最小フェーズ・スローロールオフ]、GTO[ギブス・トランジェント・オプティマイズド 352/384kHzへのアップサンプリング])を好みに応じて選択できます。
高感度なイヤホン向けに手動でゲインを下げるiEMatchと、ゲインを大きい値にするTurboモードを備え、高感度イヤホンや低能率ヘッドホンを使う場合でもそれぞれに最適な出力調整が行なえ、ホワイトノイズの発生も抑えられます。
また、低音増強のXBass+、音場補正のXSpaceの2種類のiFi独自の音質補正機能(併用可能)も搭載し、イヤホンのバランス接続や、DSD・MQAにも対応するなど、最近のUSBドングル型DACのトレンドもしっかり押さえています。
アナログ回路は左右対称デュアルモノチャンネル出力段を持つバランス設計。また、省スペース・低コストなワンチップIC回路ではなく、高品質なディスクリート部品を採用しているのも特徴。電源のフィルタリングにも注力し、USB端子から混入する信号ノイズを大幅に低減したとしています。
3.5mmジャックは通常の3極シングルエンドプラグでもクロストークと歪みを50%低減するというiFi Audioの独自技術「S-Balanced回路」を搭載しているのもiFiならではです。
入力 | USB-C | 対応フォーマット | PCM 44.1/48/88.2/96/176.4/192/352.8/384kHz、DSD 2.8/3.1/5.6/6.1/11.3/12.3MHz、DXD 352.8/384kHz、MQA フルデコード |
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DAC | Bit-Perfect DSD & DXD DAC | ヘッドフォン出力 | 4.4mm バランス出力、S-Balanced 3.5mm 出力 |
出力パワー | バランス:475mW@32Ω; 7.2V@600Ω、シングルエンド:300mW@32Ω; 3.8V@600Ω | 周波数特性 | 20Hz – 45kHz(-3dB) |
サイズ | 65 x 22 x 13.2 mm | 重量 | 28.5g |
価格、サイズ的には、DACプリアンプ・Bluetooth機能も搭載した全部入りのバッテリー駆動対応ポタアン「xDSD Gryphon」(約8万円)と、Bluetoothレシーバー「Go bul」(約3万円)の間に収まるモデル。見事に機能的にも価格、サイズも両方の中間に位置しています。
「xDSD Gryphon」から見ると、大幅に小型・軽量化の一方、Bluetooth機能やプリ機能、バッテリー駆動機能がなく、次に、「Go Blue」から見ると、Bluetooth機能はないものの、「Go blu」では24bit/96kHz PCMまでの対応に留まるUSB-DAC機能が大幅に強化されています。
本機はいわゆるUSBバスパワータイプのUSBドングル型DACという範疇のなかで、有線接続前提・イヤホン、ヘッドホン聴取前提で最高レベルの音質を追求したような製品。「xDSD Gryphon」はポータブル環境でもサイズ・重量の制約をUSBドングル型以上でも構わないというユーザー向け、あるいは据え置きとポータブルを一台で賄いたいといったニーズ向け、「Go blu」は高音質な小型BluetoothレシーバーがメインでUSB-DAC/ヘッドホンアンプ機能はオマケでもいい、というようなユーザーに向いているのではないでしょうか。
他社製の高級USBドングルDACと比べても本機は、MQAフルデコード機能を有しているのは特筆点で、そのほかの独自機能もすでに定評のあるものばかりで、高級USBドングルDACの本命機として注目できる内容に思われます。
xDSD GryphonとGo bluについては以下の記事でそれぞれ詳しくご紹介しているので参考にしてみてください。