iFi AudioのポータブルUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「hip-dac3」約3.5万円

iFi AudioのポータブルUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「hip-dac3」が2023年10月13日に発売。オープン価格で、税込みの実売価格は35,200円前後。

従来機「hip-dac2」(2021年・1.8万円)の後継機 比較しての違いは?

従来機「hip-dac2」(2021年・1.8万円)の後継機。従来同様、バッテリー駆動に対応するコンパクトなポータブルUSB-DAC/ヘッドホンアンプという基本を踏襲しつつ、新たにデータ転送ポートにUSB-Cを採用。また、独自のアッテネーション技術の「iEMatch」も新搭載。また、GMTクロックシステムの改良により、ジッターの排除と音質の向上を実現しているとしています。利便性と機能性、音質のいずれにおいてもさらに磨きをかけた改良モデルとなっています。

そのほか、機能・音質には関係ありませんが、hip-dac3 は、ブロンズやヴィンテージ・ゴールドを思わせる温かみのある微妙なグレーのノブと落ち着いた暗めのチタニウムカラーを採用している一方、hip-dac2 は鮮烈なサンセット・オレンジを採用しているといった本体カラーの違いがあります。

※「iEMatch」とは

iEMatchは、ヘッドホンとアンプの間に挟むことで、ヒスノイズを除去し、ダイナミックレンジを改善するアッテネーション技術。

iEMatchの機能は次のとおりです:
バックグラウンドノイズを大きく削減する
ダイナミックレンジをさらに広げ、透明にする
ボリュームコントロールの範囲を広げる
感度の高いインイヤーモニターのボリューム調整の最適化(最小でも大きすぎたり、少しボリュームを上げただけで一気に音が大きくなるなどを改善)
アンプの出力レベルとイヤホンの感度のゲインマッチングを取る

iFi Audio hip-dac3 内容・特徴

筐体はアルマイト仕上げのアルミニウムで、チタニウムカラーを採用。外形寸法は102×70×14mm(縦×横×厚さ)で、重量は135g。「hip-dac2」の外形寸法は全く同じで重量は125gでした。

バーブラウン製のDACチップと16コアのXMOSチップが組み合わされており、PCMは384kHzまで、DSDは11.2MHzまで再生可能。MQAにも対応。PCMとDSDを別々の経路で伝送することで、PCMとDSDをネイティブな状態でアナログ変換可能。USB入力で受信したオーディオ・データを処理するXMOSチップのプログラムを、iFiが作成することで音質を高めていることも特徴。

ヘッドホンアンプ回路はバランス設計。iFi特製OVオペアンプ、TDK C0G Class1セラミックコンデンサー、テキサス・インスツルメンツ社製高精度ローノイズ電源IC、高品質なアナログボリュームポットなど、高品質な部品を採用。

独自のアッテネーション技術の「iEMatch」のほか、低域調整機能の「XBass」も搭載。「PowerMatch」と名付けられているゲインの切り替え機能を搭載。ヘッドホンの負荷に駆動レベルを合わせられ、入力感度を調節することによって信号の強さを調節します。4.4mmバランス端子は400mW@32Ωのハイパワーを実現。

ロータリー式のボリューム・コントロールを採用。本体に搭載されたLEDによって再生中のフォーマットとサンプリングレートが表示されます。

ヘッドホン出力端子は、4.4mmバランスと、3.5mmシングルエンド。USB端子は、オーディオデータ入力用のUSB-Cと、充電用のUSB-Cの2つ。バッテリーは2,200mAh。7~12時間の再生が可能。

付属品として USB-C to C OTG(On-The-Go)ケーブル、USB-A to USB-C ケーブル、アップル独自のコネクタを備えた、iOSデバイス用のUSB-C to Lightningケーブルが付属。

iFi Audio hip-dac3 レビューサイト

iFi-Audio hip-dac レビュー一覧 / e☆イヤホン

iFi Audio hip-dac3 レビュー(Xから)

iFi Audio hip-dac3 各種レビューなどから読み取れる傾向

先代から倍くらいに高くなったにもかかわらず音質面は高評価

先代から倍くらいに高くなったので、価格だけを見て否定的な意見も見られました。

しかし、試聴や購入者の感想からは、価格が高くなったマイナスを吹き飛ばすような高評価が見られます。

端的に言って、ポータブルオーディオ業界で定評のあるiFi Audioのサウンドをしっかりと、それもハイレベルに備えているようです。ワイドレンジで情報量豊富ながら、自然で滑らか、穏やかな傾向がiFi Audioの近年の傾向ですが、本機もその流れにあるようです。

なにしろ、これまでに実績のあるバーブラウンのDACにiFi Audio独自の技術を加えるというやり方を今回も踏襲しているだけに、いきなり音が変わるということもなく、むしろこれまでのベースにさらに円熟したものが加わっているようです。

同社の「xDSD Gryphon」にも遜色ない実力?

本機の実力の高さを示す評価として、これもポタアン界では評価の高い同社の「xDSD Gryphon」と本機を比べても遜色がないほどというレビューがあるほど。さすがに「xDSD Gryphon」と全く同一ということではなく、本機のほうがやや低域が多い感じはあるようですが、価格差や筐体サイズの違いを考慮すると、本機の音質面でのコスパはかなり高そうです。

もちろん、「xDSD Gryphon」と比べると、本機には「xDSD Gryphon」にあるBluetooth受信機能や空間性を調整できる「XSpace」、ライン入出力がないなど機能面での違いもあります。

ただ、機能を絞って、USB入力専用のバッテリー内蔵ポタアン機能があればいい、という向きには「xDSD Gryphon」よりも半額くらいで小型・軽量なので、本機も大いに魅力がありそうです。

実力派のバッテリー内蔵型のポタアンが登場?

近頃はバッテリー内蔵型のポタアンが減っており、そのかわりにスマホから電源を取るバスパワー型の小型アンプ(ドングル型DACなどと呼ばれる)が増えています。本機はそれらよりもバッテリーの分、大きく重いですが、スマホからの弱い電源とは比較にならない電源条件により、音質的には同価格帯やそれ以上のドングル型DACも上回っているはず。本機のサイズ・重量が気にならないのであれば、スマホなどとの組み合わせで屋外で高音質を楽しみたいなら、有力な選択肢が登場したと言えるのではないでしょうか?

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