INNOCNの27型4K液晶モニター・M2Uは2022年6月ごろに発売。定価は69,800円。実売価格は6万円程度でセールなど安いときは5万円少し程度。
最大の特徴は、Mini LEDバックライト技術を採用し、384分割のバックライトによるダイナミックなコントラスト表現が可能なこと。この価格での採用も驚きです(大手メーカーなら10万円超と言われます)。
画面サイズは27インチで、解像度は3840×2160ピクセルの4K品位で鮮明な映像を提供。リフレッシュレートは60Hz。
IPSパネルを採用しており、広い視野角と正確な色再現性を実現。ノングレア表面処理により、画面の反射を軽減して視認性を向上させています。
色域はDCI-P3 99%、sRGB 100%、Adobe RGB 99%をカバーし、色彩の豊かさと正確さを実現。VESA DisplayHDR 1000認証を受けており、高い輝度レベルと広いダイナミックレンジでリアルな映像を再現します。
最大輝度1000Nits。上部に搭載されたセンサーにより、自動輝度調整機能が備わっており、環境の明るさに応じて輝度を調整します。ブルーライト軽減モードが搭載されており、目の疲れを軽減することができます。
ステレオスピーカーを内蔵。3.5mmステレオジャックも搭載。
映像端子はHDMI2.0x2(HDCP2.3に対応)、DisplayPort、USB Type-Cを搭載しており、さまざまなデバイスとの接続が可能です。USB Type-Cポートは最大90Wの給電に対応しており、ノートパソコンやスマートフォンの充電に便利です。
背面にはアンビエントライトが搭載されており、視聴環境をより一層華やかに演出します(オン・オフ可能)。
スタンドはピボット、チルト、スイーベル、昇降の機能を備えており、自由な角度調整が可能です。
VESAマウントに対応しており、壁掛けやアームなどでの設置も可能です。
チルト角度 下5度~上20度
ピボット / スイーベル ±90度 / 左右22.5度
高さ調節機能 0~120mm
VESAマウント VESA100
モニター本体のサイズは幅613.9mm×高さ518.7mm×奥行き228.8mmで、重量は6.6kgです。
INNOCN M2Uは、高解像度の4K映像、広色域、Mini LEDバックライト、自動輝度調整、給電機能など、高性能な特徴を持った4K液晶モニターです。この内容で実売6万円、安いときには5万円少しとなればかなりコストパフォーマンスの高い4Kモニターと言えるでしょう。
「INNOCN M2U」のレビューサイトから読み取れるポジティブな評価ポイントでまとめます
コストパフォーマンスの高さ:価格に対して提供される機能や品質が優れており、他の高価なモニターよりもコスト効果が高いと評価されています。4K/60Hzに限って言えば、HDM2.1搭載4K/144Hzゲーミングモニターを上回る性能という意見もありました。
高解像度と広色域:4K解像度とDCI-P3 99%、sRGB 100%、Adobe RGB 99%といった広い色域を高解像度でカバーしており、実際に鮮明でリアルな映像表現ができると評価されています。
Mini LEDバックライトの採用:384分割のMini LEDバックライト技術により、ダイナミックなコントラストと明暗の表現を実現していると評価されています。
自動輝度調整機能への評価:上部のセンサーによって明るさを検知し、自動で輝度を調整する機能があり、視聴環境に応じて最適な映像表示を実現することが評価されています。
USB Type-Cの多機能性:最大90W給電対応のUSB Type-Cポートを搭載しており、ノートPCとケーブル一本でつなげるなど、充電やデータ転送に便利であると評価されています。
スタンドの調整機能の多彩さ:ピボット、チルト、スイーベル、昇降の多機能スタンドが付属しており、自由な角度調整が可能で使いやすいと評価されています。
これらの評価ポイントから、「INNOCN M2U」はリーズナブルな価格にもかかわらず、高解像度、広色域、Mini LEDバックライト、USB Type-Cの多機能性など、優れた機能と品質を提供していることが評価されていることがわかります。
「INNOCN M2U」のレビューサイトから読み取れるネガティブな評価ポイントをまとめます。これは単に否定するためではなく、本機の特徴をとらえることで、より適した用途を見極めるのに役立てるためです。
リフレッシュレートは60Hz:リフレッシュレートは60Hzなので、PS5などの120HzやPCなどの144Hzといったハイリフレッシュレートのゲームをスペックどおりに楽しむことはできません。VRRにも対応していません。価格からしてそこは求めるポイントではなく、PCワークやクリエイティブ用途、動画鑑賞に適したモデルと言えるでしょう。
DisplayHDR 1000の性能の発揮について:
「INNOCN 27M2U」はコンテンツによってはDisplayHDR 600相当の性能しか発揮できないと指摘をしているレビューサイトがあります。ただ、800nit程度の高輝度は確保しているとのことですので、総合的には十分に高画質であり、そうかもしれない程度に思っておけばよさそうです。
なお、HDRメタデータ編集機能を使用することで、1000nit以上のディスプレイ輝度を発揮させることが可能との指摘もあります。ディスプレイの能力としてはDisplayHDR 1000の性能を備えているのは確かなようです。
品質の一貫性の問題:一部のレビューでは、製品の品質の一貫性についての不満が挙げられている場合があります。画面の均一性、バックライトの漏れ、色の一貫性など、品質にばらつきがあるとの指摘がある場合があります。これはINNOCNがいわゆる世界的大手メーカーではなく、中国の新興メーカーであることも関係しているかもしれないことです。価格の安さと引き換えになる点かもしれません。
調整範囲の限定性:一部のユーザーは、スタンドの調整範囲が限られていると感じているかもしれません。特定の角度や高さでの調整が難しいとの指摘があります。エルゴトロンlxモニターアームと一緒に使用しようとたところ、スタンドを引っ掛ける部分が出っ張っていて取り付けられなかったという具体例が報告されています。この場合スペーサーを使うなどで解決できたそうです。
接続オプションの制限:一部のユーザーは、接続オプションに関して制限があると感じているかもしれません。特定のポートが欠けていたり、必要な接続に対応していなかったりすると感じる場合もあります。これも価格や用途を考えると本質的な問題ではないでしょう。
操作性やユーザーインターフェース:一部のユーザーは、メニューの操作性やユーザーインターフェースに対して不満を抱いているかもしれません。設定の切り替えがわかりにくかったり、使い勝手に問題があると指摘される場合があるかもしれません。インターフェースの操作が直感的でないという否定的な意見もありました。また、省エネモードからの復帰でモニターの電源を入れ直す必要があり一度電源が切れるとパワーデリバリーが切れてしまうという指摘がありました。
総じて、本機は、この価格でMini LEDバックライト技術を採用していることや、VESA DisplayHDR 1000認証を受けていることからの画質性能を安く実現していることが最大のメリットであり、そのメリットを享受できる使い方(ゲームよりもPCワークやクリエイティブ用途、動画鑑賞)が向いているモデルと言えるでしょう。