ハーマンインターナショナルは、同社取り扱いブランドのJBL製品の価格改定を2021年10月1日(金)より実施することを発表しました。
JBLブランドのパッシブスピーカーの多くが値上げとなります。
原因としては「世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響による電子パーツの大幅な価格上昇、並びに金属パーツ、木材などを含む原材料費の高騰、それに加えて輸送運賃の大幅な上昇」が影響し、「自助努力だけではコスト吸収の限度を超える状況」のためとしています。
以下が、今回の価格改定対象製品と改定前→改定(値上げ)後の価格(すべて税込)の一覧となります。
■JBL
「EVEREST DD67000」(1本)3,300,000円→3,630,000円
「K2 S9900」(1本)2,035,000円→2,200,000円
「S4700」(1本)528,000円→583,000円
「S3900」(1本)363,000円→396,000円
「L100CLASSIC」(1本)250,800円→275,000円
「L82CLASSIC」(ペア)275,000円→297,000円
「4367WX」(1本)792,000円→880,000円
「4349WAL」(1本)440,000円→495,000円
「4312G」(1本)132,000円→148,500円
「STUDIO 698」(1本)110,000円→121,000円
「STUDIO 680」(1本)77,000円→88,000円
「STUDIO 630」(ペア)99,000円→110,000円
「STUDIO 620」(ペア)77,000円→88,000円
「STUDIO 625C」(1本)55,000円→60,500円
「STUDIO 660P」(1本)132,000円→148,500円
「STAGE A190」(1本)49,500円→55,000円
「STAGE A180」(1本)38,500円→41,800円
「STAGE A130」(ペア)27,500円→30,800円
「STAGE A120」(ペア)22,000円→25,300円
「STAGE A125C」(1本)27,500円→30,800円
「STAGE A100P」(1本)38,500円→41,800円
「STUDIO2 8IC」(1本)46,200円→51,700円
「STUDIO2 8IW」(1本)46,200円→51,700円
「STUDIO2 6IC」(1本)33,000円→36,300円
「STUDIO2 6IW」(1本)33,000円→36,300円
「C8IC」(1本)19,800円→21,780円
「C6IC」(1本)16,500円→18,150円
「C6IW」(1本)16,500円→18,150円
「JS80」(ペア)33,000円→36,300円
JBLというとオールドファンにとってはまさに上記のようなモデルのパッシブスピーカーのメーカーなわけですが、現在はポータブルBluetoothスピーカーやBluetoothイヤホン、ヘッドホン、PC用アクティブスピーカーなどでライトユーザー層には有名になっています。
つまりはゼネラルオーディオメーカーとして現在はうまくいっているわけで、従来のパッシブスピーカーとは市場規模も全然違うようです(薄利多売だとは思いますが)。
従来のパッシブスピーカーを取り巻く状況は、コロナの影響による巣ごもり需要の上昇の一方、各種原材料、輸送費の上昇の両方があり、他社の様子を見ても、コスト上昇のほうが上回り、値上げ傾向になっていると言わざるを得ません。
今回のJBLのパッシブスピーカーの値上げもこうした業界の動きを反映したものと言えるでしょう。
JBLのパッシブスピーカーと言えば「4312」シリーズがまず有名かつ人気があり、現在の最新モデル「4312G」もパッシブスピーカー全体でも売り上げトップクラスの人気モデルです。
この「4312G」も値上げということろに、現在のピュアオーディオが置かれている状況が象徴的に表れているようです。
一方、JBLが扱う幅広いゼネラルオーディオ製品に値上げはないということは、一般ユーザーが使うオーディオ機器とピュアオーディオ愛好家が使う機器の世界との乖離を示しているのでしょう。そうした乖離は以前からありましたが、もはやその溝は埋めがたいほどに広がっているのでしょうか。
コロナがもたらした世界の変革の結果のひとつとして受け止めるしかありません。
値上げがあろうと、JBLのパッシブスピーカーが販売され続けるだけいいのかもしれません。
なお、最新モデルで10月発売予定の小型ブックシェルフ機「L52 Classic」(税込みペア11万円)は、最初からこの価格ですが、本機についてはそれほど高いという印象はありません。レトロな外観でJBL愛好家以外にもアピールできそうな「Classic」シリーズについては、幅広いユーザーを狙う戦略モデルということからの値付けなのかもしれません。