ハーマンインターナショナルは、JBLブランドのサウンドバー「JBL BAR 1000」を2022年11月25日に発売。価格は143,000円。
サウンドバーとワイヤレスのサブウーファーがセットになっているタイプのホームシアタースピーカー。サウンドバー両端にワイヤレス・リアスピーカーが接続されているのも特徴。
サラウンド再生時には、ワイヤレス・リアスピーカーをサウンドバーから分離可能。ワイヤレス・リアスピーカーにはバッテリーも内蔵されており、電源ケーブルもスピーカーケーブルも使わずに、リアルなサラウンド再生を可能にしているのが大きな特徴。
リアスピーカーをサウンドバーに装着したまま一体型の状態でも利用できます。
ワイヤレス・リアスピーカーは約3200mAhの大容量タイプ内蔵充電池で、およそ10時間の連続使用が可能。リアスピーカーには充電用USB-C端子が装備されているので充電しながら使用することも可能。なお、サブウーファーは充電式ではなく、電源ケーブルの接続が必要。
サウンドバー部には2ウェイ構成のセンター/レフト/ライト用スピーカー6基と、サラウンド用ビームフォーミングスピーカー2基、ハイトスピーカー2基を搭載。ワイヤレス・リアスピーカーには、リアチャンネルスピーカーとハイトリアスピーカー2基をそれぞれ搭載。壁を使って音を広く反射させるビームフォーミング技術を使ったJBL独自の「MultiBeam」を使用。
ワイヤレス・サブウーファーには大口径250mmウーファーを内蔵。合計15基による7.1.4chを実現。総合出力は実に880W(このうちサブウーファー300W)と強力。
サラウンドフォーマットは、Dolby Atmosに加え、JBLブランド国内初のDTS:Xに対応。前後左右高低から音が聞こえ、三次元的な立体空間に包まれる「イマーシブオーディオ」での立体的な再生能力にこだわっています。
本製品のために新たに開発したダイアログ・エンハンス技術「PureVoice」テクノロジーも搭載。声の再生能力を大きく高めています。音場測定を行なうキャリブレーション機能も搭載。視聴位置はよりシビアなピンポイント設定と、複数人で楽しむためにスイートスポットを広げた設定も可能。
3系統のHDMI入力と、HDMI eARC端子を装備。光デジタル入力も装備。AirPlay 2、Chromecast built-in、Alexa Multi-Room Musicに対応したWi-Fiも内蔵。
統合型アプリ「JBL ONE」も用意し、Wi-Fi設定やキャリブレーションなどの機器設定や音質調整、各種音楽サービスをまたがった楽曲検索などを、1つのアプリでカバー。リモコンも付属。
外形寸法(幅×奥行き×高さ)は、サラウンドスピーカー装着時で1,194×125×56mm、サウンドバー本体のみでは884×125×56mm。サラウンドスピーカーは155×125×56mm、サブウーファーは305×305×440mm。重量は、サウンドバー本体が約3.7kg、サラウンドスピーカーが約1.4kg、サブウーファーが約10kg。
JBL BAR 1000の比較対象機としては、価格面では同じ程度の実売価格約12万円程度となる、Sonos Arc、DALI KATCH ONE、SONY HT-ST5000、Bowers & Wilkins Panorama 3、Bose Smart Soundbar 900、Denon Home Sound Bar 550 SETあたりがあります。
JBL BAR 1000同様に別筐体のサブウーファーが付いているのは、このうちSONY HT-ST5000のみ。また、JBL BAR 1000のようにリアスピーカーが別筐体に設置可能なのはDenon Home Sound Bar 550 SETのみ。
他はバースピーカー一本タイプで、この価格帯のサウンドバーのトレンドも、手軽な設置性と使いやすさの、いわゆる一本バータイプになっていることがうかがえます。
そのなかではあえて別筐体のサブウーファー、さらには分離可能なリアスピーカーも搭載と、本格的かつリアルサラウンドも可能なJBL BAR 1000の特徴は際立っていると言えるでしょう。
以下は、JBL BAR 1000に対する肯定的な評価のまとめです:
JBL BAR 1000は、多くのレビューにおいて、高音質と豊かな低音が特徴の優れたサウンドバーとして評価されています。特に、映画や音楽の再生時に明瞭なサウンドと迫力ある低音を提供すると述べています。低音が強力ながら、適度に締まりのあるクリアな低音であることもポイントのようです。映画やテレビで重要な人声の再現性も肉声感のあるリアリティーで見逃せない美点となるようです。
また、再生規模や内蔵アンプの出力を考えるとコンパクトでスタイリッシュなデザインと使いやすいリモコンも好意的に評価されています。
サウンドバーとしては高額ですが、リアルサラウンド設置に対応できることを考えると、別々にアンプやリアスピーカーを用意するシステムを考えると、コストパフォーマンスは相当高いという評価があります。
レビューからは、JBL BAR 1000が高品質なサウンドと迫力のある低音を提供し、デザインや使いやすさにも好意的に評価されていることがわかります。
JBL BAR 1000は分離可能なリアスピーカーによるリアルサラウンド設置が可能なことが大きな特徴です。この機能を生かした使い方が本機を評価する重要なポイントです。
リアスピーカーの追加により、以下のような音質上の肯定的な評価が見られます:
サラウンドサウンドの向上:リアルなリアスピーカーの配置により、より広い音場が再現され、より臨場感のあるサラウンドサウンドが実現されます。映画や音楽の再生時に、より迫力のある立体的なサウンドを楽しむことができます。
音場の拡張:リアスピーカーの追加により、サウンドの広がりが増し、実際の演奏に近い音場が作られます。これにより、より自然で没入感のある音楽や映画の再生が可能になります。
イマーシブな体験:リアスピーカーの存在により、サウンドがより三次元的で臨場感のあるものとなります。周囲だけでなく上下方向にも音が広がることで、より臨場感のある映画体験や音楽鑑賞ができます。
以下は、JBL BAR 1000に対する否定的な評価のまとめです:
低音の制御の難しさ: 一部のレビューでは、JBL BAR 1000の低音の制御が難しいという指摘がありました。特に、音量を上げた際に低音が過剰に強調される傾向があるとの意見がありました。低音が強く響くため、サブウーファーを床に直置きすると階下への影響が懸念されるので、設置には工夫が必要との意見もあります。
高音調整は不可:低音は5段階で調節できる一方、高音は調整できないので、高音がもっと欲しいといった好みや要求には対応できないことも指摘されています。
360 Reality Audioには対応しないなど:360 Reality Audioには対応しないなど、オーディオ系の対応は充実していません。この項目はソニーが力を入れているくらいなので、シアター用途がメインのサウンドバーとしては顕著な弱点にはなりませんが。
リアスピーカーの音が小さい:設置環境にもよるようですが、リアスピーカーの音量が小さいと感じる場合があるとのこと。リアの音量は3段階で調整できますが、それでも小さいと感じるということのようです。視聴位置にリアスピーカーを近づけるといった対応で改善はできるようです。
デザインの一般性: JBL BAR 1000のデザインについて、一部のレビューでは一般的なものであり、他の競合製品との差別化が不足していると指摘されていました。
ユーザーインターフェースの改善の必要性: 一部のユーザーレビューでは、JBL BAR 1000のユーザーインターフェースに関して改善の余地があるとの指摘がありました。特に、リモコンの使い勝手や操作性について不満を感じる声がありました。
立体音響効果について: 一部のレビューでは、JBL BAR 1000の立体音響効果について、一本バータイプで使っているときには、もう少し臨場感や広がりが欲しいという意見がありました。
総じて、JBL BAR 1000は強力なアンプと凝ったスピーカー構成により、臨場感に優れた高音質なサウンドバーであると言えるでしょう。とくに、分離可能なリアスピーカーを適切に設置した場合は、広大な音場とDolby Atmosなどによるイマーシブオーディオの三次元的立体感をしっかりと楽しめるようです。一方、一本バータイプ+サブウーファーというコンパクトな構成でも使えるので、設置環境に応じた設置を選べる汎用性に優れたサウンドバーと言えるでしょう。
再生するコンテンツは、ホームシアター用サウンドバーとして、もっともメインとなるであろう、映画やテレビなど、映像・動画コンテンツでDolby Atmosなどの高度なサラウンドデータを備えているものが適しているでしょう。音楽やゲームにももちろん対応できますが、音楽・ゲームがメインだともったいないかもしれません。
サウンドバーとしては結構な高価格帯であり、またサイズも大きめなので、大型テレビとの組み合わせが前提であり、サウンドバーにそれなりの品位も求める向きに適しているでしょう。
内蔵アンプ出力は総合880Wと、同クラスのサウンドバーに比べても非常に強力です。このポテンシャルを生かせるだけの空間と、大音量を出せる環境がなければ宝の持ち腐れになる可能性もあります。
本格的なサウンドバーを意識的に導入したい向きに適した実力モデルと言えそうです。