JBLはJBL75周年を記念した限定スピーカー「L100 Classic 75」とプリメインアンプ「SA750」を「L100 Classic 75」は全世界750セット限定。専用スピーカースタンドJS-120もセットで価格は5,500ドル(ペア)。SA750は3,000ドルで発売しています。
ここではSA750をご紹介します。
アルミのフロントパネルと左右にチーク材の突板を採用したレトロクラシックなデザインが特徴。なんでもJBL往年のプリメインアンプ名機・SA600をイメージしたデザインということです。
SA600というと1965年発表という古いモデルですが、SA750は当時のSA600の中身(バートロカンシー(Bart N. Locanthi)の手になる「Tサーキット」の搭載)とは全く無関係に、極めて現代的な内容。マッキントッシュがやっているような1960年代のアンプを基本的に踏襲する復刻とは違います。
Class Gアンプを搭載、8Ωで120W、4Ωで220Wの出力を発生。
DAC機能やUPnPストリーミング(ネットワークオーディオプレーヤー機能)、Google Chromecast、AirPlay2、MM/MC対応のフォノイコライザーも搭載するという最新鋭の複合機です。
USBメモリ再生、MQAフルデコード、Roon Readyにも対応。さらにDiracのルーム補正機能も搭載。
デジタル入力は光デジタルと同軸デジタルを各2系統、アナログRCA入力は6系統搭載。RCAのプリアウトも備える。なたフロントには3.5mmAUX入力と3.5mmヘッドホン出力を搭載。
JBLがいきなり最新機能満載のプリメインアンプを開発するというのも変な印象です。これにはどうやら裏があって、JBLを傘下に収めているハーマン(ハーマン自体、いまは韓国サムスン傘下)が傘下に収めている英国のアーカム(ARCAM)が開発・発売している・SA30(£1999)というプリメインアンプと機能・スペックが全く同じモデルであるという指摘が複数からなされています。
SA30は海外でのみ発売されていますが、海外サイトの説明を見るとたしかに内容が全く同じです。
だからといっても、音は内部の何らかのチューニングによってSA30とは異なる可能性はあります。
ただ、これほどまでにオリジナルのSA600と異なる内容で、まして他社が開発した中身そのまま(同じ傘下のグループですから、日本でいうとデノンのアンプのなかみがそのままマランツみたいな感じでしょうか)というのは記念モデルとしてはどうなのでしょう。
…とはいえ、たしかにこのSA750(とSA30)の内容自体は結構魅力的です。SA30そのものもWHAT Hi-Fiで5つ星を獲得するほどの評価も得ています。SA750のデザインもレトロでおしゃれと言えるもので、最新の機器としての使い勝手と、インテリアとしての価値を考えるとうまく考えた製品だと思います。
往年のJBLに思い入れのある人にはあまり受け入れられないかもしれませんが。