KENWOOD WS-A1はJVCケンウッドのKENWOODブランドによるアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能搭載完全ワイヤレスイヤホン。2021年1月に税抜き実売約3.5万円程度で発売。
「音声アシスタント搭載スマートヘッドセット」をコンセプトにしており、型番「WS-A1」はAmazon Alexa、「WS-A1G」はGoogleアシスタントを搭載。また、ヘッドセット利用したときの通話品位にこだわっています。
音声アシスタントをより活用するため、同社独自のアルゴリズム信号処理を採用。騒々しい環境下でもユーザーの声を音声アシスタントに正確に認識させるという「トリプルマイクシステム」、周囲音の遮断と取り込みを切り替えられる「アンビエント・サウンド・シームレス・コントロール」、人の声がクリアに聞こえる「ボイス・エンハンスメント・モード」といった機能を搭載。音楽再生メインの一般的な完全ワイヤレスイヤホンとは一線を画するヘッドセット性能と使いやすさを追求しています。
ベリリウムコーティング振動板採用の10mmダイナミックドライバーを搭載するなど、同社がヘッドホン開発で培った技術を活用し、再生音質にもこだわっています。
音声アシスタントのメッセージや通話音声はクリアで聞き取りやすい音質で、音楽はダイナミックかつ繊細なサウンドで再生できるとしています。専用アプリ「KENWOOD Smart Headsets」でのカスタムイコライザー設定も可能。
BluetoothコーデックはaptX/AAC/SBCをサポート。操作系はタッチと物理両方。
イヤーピース部とイヤーサポート部の2段構成で快適かつ安定したフィット感を実現する「イヤーピロー」を新開発し、装着感にもこだわっています。イヤホン本体はIPX4相当の生活防水。屋外でも使えます。
ノイズキャンセリングONの状態で最長約8時間の連続再生が可能。専用ケースでの充電と合わせれば最長24時間の連続利用が可能。ワイヤレス充電にも対応。専用ケースは片手でオープンし、スムーズにイヤホンが取り出せるよう設計されているのも特徴です。
質量はイヤホン本体が約9.6g(片側)、ケースが92.5g。イヤーピースとイヤーサポートはそれぞれL/M/Sの3サイズが付属。
コンセプトはわかりますが、それにしても高額な印象。やはり高いとメーカーも思ったのか?発売してあまり時間が経っていませんが、Amazonの2021年3月の「新生活セール」で早くも税込み26,700円に。今後のセールではもっと安くなっていく可能性もあります。
ソニーやゼンハイザー、ボーズなどの3万円前後モデルよりも発売直後からの購入者は少なく、レビューも少なめですが、アマゾンでのセール(2月にもあり)の影響か、ユーザーは徐々に増えており、レビューも増えてきています。
音楽再生の音質への評価はまちまちといった印象で、非常に高く評価する向きもあれば低音が強い、解像度が低い、ぼわついているなどと厳しい評価もあります。ただ、装着性が独特で、しっかり装着できれば音質はよいような気もします。カスタムイコライザーはかなり有効という感じです。一度イヤホン側のイコライザーを設定しておくと本体に保存され、別なデバイスにつないだ際でも同じ音でたのしめます。
本機は再生音質だけでなく、Amazon Alexa対応ヘッドセットに価値を見出すユーザーも多く、オーディオ用イヤホンというより、最新デジタルガジェットの側面も強いようです。簡単なメールへの返信や、家の家電の操作等もイヤホンから可能というのも便利でしょう。
とはいえ、KENWOODブランドですから、やはり音楽用の高音質機であって欲しいとも思います。
アクティブノイズキャンセリング機能はほどほどのようです。どうしても、このあたりはソニーやボーズのノウハウには他社は及ばないでしょう。
全体に可能性を感じさせる製品であり、今後、aptX Adaptiveに対応するモデルを実売2.6万円程度で出せれば、ポータブルオーディオ愛好家も大いに興味を持ちそうな気がします(完全ワイヤレスイヤホン+KENWOOD)。