光城精工は、MMCX端子を備えたイヤホン本体部のみの販売品「KJB-03:Keyagu S」を6月26日より発売します。価格は45,000円(税抜)。
2019年に69,000円(税抜き)で発売された真鍮ハウジングイヤホン「KJB-01:Keyagu」からおもにMMCX規格で接続する付属ケーブルを除いた製品です。
「KJB-03:Keyagu S」と「KJB-01:Keyagu」を比較しての違いは、この付属ケーブルの有無と一部のイヤーピースの省略のみ。イヤホン本体の内容やスペックは全く同一です。
「KJB-01:Keyagu」にはCrystalline Audio製「Crystal tips」のM/S・M/M・M/L各1ペアずつと、シリコン製イヤーチップS・M・L各1ペアずつが付属。「KJB-03:Keyagu S」ではCrystalline Audio製のみが付属。
「KJB-01:Keyagu」に付属するケーブルにはPC-Triple C導体を採用し、新たに編み出されたという連続鍛造伸延技術を採用したという高品位なもの。シースにはフッ素系樹脂、導体とシースの介在糸には絹糸を採用しているのも特徴です。
付属ケーブルはなるほど高品位ですが、24,000円ちかくの価値があるものだったとは。ただ、オーディオケーブルの世界ではこのくらいの価格は珍しくなく、他社の高級イヤホンでも付属ケーブル単体の価格が万単位ということはよくあるはずです。
とはいえ、付属ケーブル抜きで本体だけ売るというのは珍しいことです。
高級イヤホンの多くは、業界の標準規格的な存在になっているMMCX規格端子を備えているものが多く、また、それゆえに多くのMMCX規格ケーブルが単売されています。
ですから、MMCX端子を搭載したイヤホンなら、イヤホン本体だけ売っても問題はないわけです。MMCXケーブルは安いものもあるので、「KJB-01:Keyagu」が欲しかったけれども、高いからあきらめていたという人には朗報でしょうか。
買う方には合理的でメリットの大きい方法に思えますが、メーカーからすると、付属ケーブルで音質チューニングを取っているのが普通であり、ユーザー側のケーブル変更により、意図した音にならないことは気にならないでしょうか。もっとも、高級イヤホンユーザーは、どんどんリケーブルするという実態がありますから、付属ケーブルにはメーカーもこだわらないのかもしれません。
イヤホンのドライバーサイズは9.65mmで、振動板には高い剛性と高い内部損失を両立したという「スーパーエンジニアプラスチック」を採用とこれも特徴的。
周波数特性は10Hz~40kHzで、インピーダンスは16Ω、定格入力10mW、出力音圧レベル98dB。
「KJB-01:Keyagu」の音質自体は高く評価されているようで、今回のいわば低価格化の手法によって、より多くのユーザーが購入してくれるのかはおおいに注目されるところです。
青森県の津軽地方に会社のある光城精工ゆえ、津軽弁で「友達」の意味を持つ「けやぐ」をモデル名にしたわけですが、これがうまくいけば、次はどんな津軽弁をモデル名に付けるのでしょうか?じょっぱり、ごんぼほりなどでしょうか?