マランツ(marantz)のAVアンプ「CINEMA 40」は、9.4チャンネルの一体型AVアンプです。2023年3月下旬に発売され、価格は506,000円です。
CINEMA 40のおおまかな特徴は以下の通りです。
9chのフルディスクリート・パワーアンプを搭載。
最新のAVフォーマットに対応。
ハイレゾ音源の再生に対応。
HEOS搭載で、ネットワークオーディオが楽しめる。
高品質な外観とデザイン。
CINEMA 40は、映画や音楽を高品質なサウンドで楽しむことができるAVアンプです。
「CINEMA 40」は、ハイエンド・セパレートAVアンプ「AV 10/AMP 10」の下位モデルに位置づけられた一体型AVアンプで、2020年に発売されたピュア・オーディオ用コンポ「MODEL 30/SACD 30n」と同様のデザインを採用しています。本機の詳しい内容・特徴を紹介します。
外観だけでなく内部にも注力し、2chのHi-Fiアンプのクオリティを追求しています。高音質パーツを多数投入し、音のチューニングにも時間をかけているため、AVアンプにもかかわらず、2chで聴いた場合でも高品質な音を実現しているとしています。また、外観も重視しており、ラックの中に設置せずにリビングに置いても調和するデザインを追求しています。機能面では、下位「CINEMA 50」と比較して大きな違いはないものの、アンプとしてのグレードが大幅に高められているとされています。
「CINEMA 40」の特徴は、1chごとに独立した基板の9chフルディスクリート・パワーアンプを搭載していること。この構成により、セパレーションを高めることができるといった音質的メリットがあります。また、肉厚なアルミ押し出し材を使ったヒートシンクにパワーアンプ基板をダイレクトにマウントすることで、高い実用最大出力を実現。スピーカーターミナルはスクリュー式でバナナプラグにも対応。
「CINEMA 40」専用に開発された15,000μF×2のカスタムコンデンサーや大型のEIコアトランスを電源回路に採用することで、余裕を持った電源供給を実現。このような部品選定・設計により、CINEMA 40は高品質な音質を提供することができるとしています。
また、「CINEMA 40」は11.4chのプリアウトを備え、ハイトスピーカーやパワーアンプの強化が可能。サブウーファー出力は4系統。低域も指向性を持たせることで重低音をより体感できるようにする「指向性モード」も搭載。
アナログ回路にはHDAM-SA2回路を採用し、入力セレクター、ボリューム、出力セレクターに特化した高性能カスタムデバイスを使用することで、信号経路を最短化し、音質を向上。音場補正はAudyssey MultEQ XT32を用意し、有料アップデートでDirac Liveにも対応予定。
「CINEMA 40」は、さまざまな3Dオーディオフォーマット(オブジェクトオーディオ)に対応。内蔵した9chのアンプにより、5.1.4chや7.1.2chのシステムを構築することが可能です。また、2chのパワーアンプを追加することで、5.1.6chや7.1.4chまでシステムを拡張することもできます。
従来のチャンネルベースのコンテンツでも、Dolby SurroundやNeural:Xといった技術を使用して、3Dサウンドにアップミックスして再生することができます。また、Dolby Atmos Height VirtualizerやDTS Virtual:Xといった機能も備えており、ハイトスピーカーやサラウンドスピーカーを設置していない環境でも、擬似的に高さ方向を含むイマーシブオーディオを再生することができます。
さらに、IMAX Enhanced認定製品でもあり、IMAX Enhancedコンテンツの再生に最適化されたサウンドモードやAuro-3Dにも対応。MPEG-H 3D AudioやMPEG-4 AACなどの音声フォーマットもサポートしており、360 Reality Audioコンテンツや新4K/8K衛星放送で使用されているMPEG-4 AAC(ステレオ、5.1ch)音声も再生できます。
HDMI入力は7系統、出力は3系統で、8K/60Hzや4K/120Hzの映像のパススルーに対応。全てのHDMI端子はHDCP 2.3に対応しており、HDR10、ドルビービジョン、HLG、HDR10+、Dynamic HDRなどのHDR映像にも対応。また、eARCやHDMI 2.1の新機能であるALLM、VRR、QFTにも対応。
DSD 5.6MHz、PCM 192kHz/24bitまでサポートしたハイレゾに対応したネットワークオーディオ再生やHEOS、Amazon Alexaの対応、Bluetooth受信やBluetooth送信、AirPlay 2などのオーディオ機能も備えています。FM/AMチューナーやPhono入力、さまざまな入出力端子も装備しており、マランツリモートバスやセットアップアシスタントなどの便利な機能も搭載されています。
レビューでは、CINEMA 40の音質に関して高い評価が寄せられており、パワフルなサウンドや正確なイメージングが称賛されています。また、映画や音楽など、あらゆるジャンルの音源に対応する優れた汎用性も評価されています。ホームシアターのサラウンド用としてはもちろん、音楽用のステレオ用アンプとしても十分に活躍できるようです。
操作性も良く、シンプルで使いやすいインターフェースであるなどとも評されています。
4K UHD映像のパススルー、HDR10、Dolby Vision、HLGなどの最新の映像技術をサポートし、Bluetooth、Wi-Fi、AirPlay 2、HEOSなどのハイレゾを含む音声やワイヤレス接続に対応しています。また、USB、HDMI、光デジタル入力などの有線接続も豊富に備えており、ビジュアル・オーディオの最新センターとしてもハイレベルです。
一方で、CINEMA 40のリモコンについて、操作性が悪いという意見もありました。また、一部のレビューでは、サブウーファーの調整が少し複雑であるという指摘もありました。
総合的に見ると、Marantz CINEMA 40は、高品質な音質と最新の映像規格に対応する優れたAVアンプであり、11.2chのホームシアターシステムを構築するユーザーにはおすすめの製品といえます。ただ、その能力を最大限に使いこなすにはそれなりのシステムと、ユーザー側の腕も要求されるような気がします。このクラスのAVアンプにもなるとそのような前提はユーザーも承知して購入するでしょうからあまり問題ではないでしょう。