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marantz NR1711 薄型AVアンプ新モデル!NR1710後継機!比較しての違いは?

マランツの薄型AVアンプ最新モデル「NR1711」

D&Mは、マランツブランドの薄型AVアンプの最新モデル「NR1711」を2020年9月中旬に発売します。価格は90,000円(税抜)。外形寸法は440W×173H×378Dmm(アンテナを立てた状態)で、質量は8.3kg。カラバリはシルバーとブラック。

昨年発売された「NR1710」の後継機

昨年発売された「NR1710」の後継機です。マランツのNR1700番台シリーズはその前の1600番台シリーズも合わせて、AVアンプでは珍しい薄型ボディによるスタイリッシュなデザインと設置場所の自由性の高さなどによって、長期にわたってAVアンプ全般においてもトップクラスの人気モデル。

実際に「NR1710」は2019年6月発売以降、なんとAVアンプカテゴリー全体で市場シェアNo.1を誇っており、2016年モデルの「NR1607」と比べても売り上げが3倍程度に伸びているというまさにAVアンプを代表するモデルです。

マランツの薄型AVアンプが人気の理由

マランツのこのシリーズの人気を支えているのは、単に薄型でスタイリッシュなだけではなく、マランツとD&Mグループならではの基本的な再生音質の高さ(DAC部しかり、アナログ段しかり、アンプ部しかり)がその背景にあると考えられます。

なんでも、このシリーズの購入者の2割以上が、本機をステレオ用の音楽再生用オーディオアンプ(つまり、プリメインアンプ)として使っているという調査結果もオーディオアンプとしての音質の高さを物語っています。

現代的なオーディオアンプとして見れば、HDMI、USB、ネットワーク、さらにはBluetoothなど幅広いデジタル入力に対応したハイレゾ対応のDAC部を搭載し、サラウンドや映像セレクター/コンバーター機能も搭載した、超多機能なDAC内蔵アンプであり、ホームシアター用や音楽用といった用途によらず、非常に利便性の高いアンプであることが魅力です。

繰り返し的になりますが、単に利便性だけでなく、ディスクリート構成の高音質なアンプによる高音質も見逃せません。ステレオ再生派にも、余ったパワーアンプをバイワイヤリング用に転用することで、ステレオ時にもいっそうの高音質で楽しめるのも特筆点です。

「NR1711」と「NR1710」を比較しての違いをご紹介

さて、今回、価格据え置きでモデルチェンジがされましたが、「NR1711」は「NR1710」と比較してどこが違いなのかをご紹介します。

簡単に言うと、HDMI周りの対応規格強化をはじめ、8K/60pやHDR10+、MPEG-4 AACデコードなど、おもにホームシアター用途で重要な音声・映像規格への新対応や、アップスケーリング機能の強化が主な違いです。それに加えて、オーディオ面でも多少の改善があります。

8KやHDRへの新対応

HDMIは6入力、1出力搭載。入力のうち、入力1系統、出力1系統は、8K/60pおよび4K/120p映像信号のパススルーに新たに対応。また6入力/1出力すべてが、最新の「HDCP 2.3」に新たに対応しました。

入力されたHDMI映像信号を、8K/60pや4K/60pなどにアップスケーリングしてHDMI出力することも可能。このうち、8Kへのアップスケーリングが新機能です。

HDRのパススルーは、従来のHDR10、Dolby Vision、HLGに加え、新たにHDR10+、Dynamic HDRにも対応するようになりました。

HDMI入力は従来のARC対応からeARC対応に待望の向上。これで、テレビからAVアンプへのマルチchのリニアPCM信号や、Dolby TrueHD/DTS-HD Master Audioなどのロスレスサラウンドオーディオ、Dolby Atmos/DTS:Xなどのオブジェクトオーディオの伝送が可能になり、最新機器との親和性と利便性が大きく高まります。

HDMI関係が大幅機能強化

HDMI 2.1の新機能「ALLM(Auto Low Latency Mode)」、「VRR(Variable Refresh Rate)」、「QFT(Quick Frame Transport)」、「QMS(Quick Media Switching)」に一挙に新対応。これも大いにうれしいと思うユーザーの多そうな装備です。

「ALLM」はコンテンツに応じて画質優先/低レイテンシー優先を自動的に切り替え、「VRR」は映像ソースとディスプレイのリフレッシュレートを同期し、チラつき/カクつきを抑制。「QFT」は映像ソース機器からの伝送速度を上げることでレイテンシーを低減することができる機能。「QMS」は画面のブラックアウトや表示の乱れを起こすことなくフレームレートや解像度を切り替えることが可能となる機能です。

サラウンドやデジタル音声規格のデコードにおいては、新4K/8K衛星放送で採用されているフォーマット「MPEG-4 AAC」(2chまたは5.1ch)のデコードに新たに対応したことがポイントです。

HDMI入力は7から6に減少

新モデルになって、改善点ばかりが目につきますが、数少ない省略点として、HDMI入力が7から6に減ったことが挙げられます。減ったのはフロントの1入力。この1入力が便利だったという人は要注意の項目です。

オーディオ面の改善

オーディオ面では、HDMI/ネットワークオーディオ系回路の改善をおもに図ったとしています。AVアンプでは使用頻度が高いものの、周囲の環境などによるノイズの影響を受けやすい部分だけに、改善による音質向上も期待できます。パワーアンプに電源を供給するブロックコンデンサーに、NR1711専用に新規開発したカスタムコンデンサー(6,800μF×2)を採用してアナログ段以降の音質の底上げも図っています。

AVアンプとしての基本的な内容は従来同様

そのほか、AVアンプとしての基本的な内容は従来同様。Dolby Atmos、Dolby Atmos Height Virtualizer、DTS:X、DTS Virtual:Xなどに対応した7.2ch AVサラウンドレシーバー。

トップスピーカーやハイトスピーカー、またはドルビーイネーブルドスピーカーを用いる本格的な5.1.2ch構成のオブジェクトオーディオから、ハイトスピーカーやサラウンドスピーカーを設置していないステレオ、5.1ch、7.1chなどの環境でも、高さ方向を含むサラウンドをバーチャルで再現できるサラウンドまで幅広く構築できます。専用マイク付属による自動音場補正機能も搭載しています。

薄型筐体ながら、実用最大出力100W(6Ω、1kHz、THD10%、1ch駆動)のフルディスクリート・パワーアンプを7ch搭載し、全7chを同一構成、同一クオリティとしているのも従来同様。4Ω駆動にも対応しますし、スピーカーのアサインにも柔軟に対応します。

Amazon Alexa、音楽ストリーミングサービス、インターネットラジオ、5.6 MHz DSD再生を含むハイレゾ再生、AirPlay 2、Wi-Fi、Bluetoothなどに対応。独自のネットワーク再生機能「HEOS」も搭載。音声入力はアナログに加え、光デジタル、フォノ、USBを搭載。信号処理用に、32bitフローティングポイントQuad Core DSPを搭載。DACには、旭化成エレクトロニクスの「AK4458VN」を採用しています。

価格据え置きで大幅に内容は向上

価格据え置きで大幅に内容は向上していると言えるでしょう。薄型筐体をしっかり維持しながらこれだけ多機能なのも相変わらずすごい。

実のところ、内容面では同時期に発表された、同じD&MグループのAVアンプ・AVR-X2700H(9万円)と機能面では非常に似ています。多くの部分を共通化して開発しているはずで、その分、コストメリットも大いにあるのでしょう。

AVR-X2700Hはフルサイズの大型筐体で、外形寸法は434W×167H×311Dmm、質量は約9.5kgと、本機よりも大型で重量級です。一方で、アンプ出力が最大出力185Wと大きいですが、一般的な部屋で一般的な音量で楽しむ限りでは「NR1711」の100Wでも十分なので、薄型でスタイリッシュな点などを考慮すると、本機のシリーズが従来から人気なのもやはり頷けます。

最新モデルの「NR1711」もAVアンプの国内販売シェア1位を維持しそうに思います(AVアンプ+marantz)。

2022年6月1日追記:

NR1711について、2022年6月1日から値上げされます。
2021年9月1日にすでに税込み103,400円に値上げされていたところへの再値上げです。

NR1711(シルバーゴールド/ブラック):103,400円 → 119,900円

HDMI入力搭載プリメインアンプ・NR1200が88,000円 → 116,600円になるなど、合計7モデルが値上げになります。

他のメーカーも同様の値上げを行っており、2022年はもろもろの理由で値上げが続くのは仕方がないでしょう。

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