Master & Dynamicの完全ワイヤレスイヤホン新製品でアクティブノイズキャンセリング機能搭載の「MW08」を、4月22日より発売。価格は43,500円(税込)。
2019年11月に40,540円(税込)で発売された「MW07 PLUS」の後継機。
ドライバーは前モデル「MW07 PLUS」より1mm大きな11mmカスタムベリリウムドライバーを搭載。低音から高音まで忠実に再現し、リッチで広がりのある高品質サウンドがさらにパワーアップしたとしています。
音質を損なわずに雑音をカットするというハイブリッドアクティブノイズキャンセリング機能や、ボタンひとつで外音を取り込めるアンビエントリスニング機能も引き続き搭載。
マイクは独自開発のノイズカット機能を取り入れたものを片側3個ずつの計6個搭載し、雑音や風切り音を低減させ、クリアな通話を実現できるとしています。
「MW08」のBluetoothはVer.5.2、コーデックはSBC/AAC/aptXに対応。バージョン5.0。コーデックはSBCとaptXに対応する「MW07 PLUS」から向上しています。
また、「MW08」では新たに用意された専用アプリ「M&D Connect」と接続することで、ノイズキャンセリングやアンビエントリスニングのレベル調整、ファームウェアアップデートなどが可能となっています。このあたりも利便性が向上しています。
「MW07 PLUS」ではハンドメイド製のアセテート素材をフェイスプレートに採用していましたが、「MW08」では軽量かつ高硬度なセラミック素材を採用。深みのある艶出しの表面処理で美麗ですが、これまでとは見た目の質感は異なっています。ただ、音質面では有利になっている可能性はあります。
イヤホン本体の質量は9gで、IPX5の防水性能。重量と防水性能は従来と同じ。
鏡面仕上げのステンレス製充電ケースは素材は共通ですが、形状が少し変わり、コンパクトで携帯性が向上しているようです。
「MW08」の連続再生時間はイヤホン単体で最大12時間、ケース充電込みで最大42時間。「MW07 PLUS」のイヤホン単体10時間、ケース込みで40時間から伸びています。
「MW08」には全5サイズのイヤーピースやキャンパス地のポーチ、充電用ケーブル、USBアダプターが付属。「MW07 PLUS」に付属していた独自のイヤーフィン「FitWings」を3サイズは省かれました。
「MW08」はブラック/ブラウン/ホワイト/ブルーの4色展開。「MW07 PLUS」はTortoiseshell/Steel blue/Black quartz/White marbleの4色。
Master & Dynamicの完全ワイヤレスイヤホンというと、「MW07」をはじめ、石板を思わせるような独特なデザインと、琥珀のような質感や迷彩柄など、これまた印象的でイヤホンとは思えない美観のカラーリングでも知られています。
今回もこれまでの路線を踏襲するのかと思ったら、形状はこれまでの延長の印象ですが、カラーリングや質感はこれまでほど凝っていない印象。たしかに、高級感のある仕上げであり、一般的には十分凝っていますが、それ以上に個性やインパクトのあったこれまでからすると、普通のイヤホンメーカーでも施すような質感の範囲に思えるということです。このことについては意外であるという感想もネット上では見られます。
また、同社のイヤホンは、ルイ・ヴィトンやランボルギーニなど、世界の錚々たるブランド・メーカーの完全ワイヤレスイヤホンのベースモデルとなっていることでも知られており、本機も今後、いずれかのメーカーからベースモデルに使われるのかも注目です。ただ、その場合、価格が相当上昇することも十分に考えられます。
「MW08」は2年以上前の「MW07 PLUS」からすると、確実に機能面では上回っているようです。ただ、ANC性能や再生音質についてはそれほど違いでもないという感想もあり、悩ましいところです。
なにより、Master & Dynamicの完全ワイヤレスイヤホンというと、アセテート製による独特の質感に価値を見出しているユーザーも少なくなく、そのような方々にとっては、多少音質や機能がよくなるよりも、Master & Dynamicにしかない、モノとしてのアイデンティティーが薄れてしまったと捉えられても仕方がありません。
音楽を聴くだけでなく、ファッションアイテムや日常の道具としてその存在範囲を広げた完全ワイヤレスイヤホンならではの難しさが、このモデルの場合は特に表出しやすいと言えます。
それだけに、「MW08」での外観の方向性の転換は不思議に思います(完全ワイヤレスイヤホン+Master & Dynamic)。