地球世界は、水月雨(MOONDROP)ブランドより、新たなフラッグシップモデルとなる有線イヤホン「ILLUMINATION-光」を2020年12月23日に発売しました。オープン価格で、実売予想価格は90,728円前後。
特許取得済みの11mm径高性能ダイナミックドライバーを搭載した有線カナル型イヤホン。
振動板はLCP液晶ポリマードームと高制動PEEKサスペンションリングで構成され、1.6T高磁束密度N52ネオジム外磁型磁気回路を採用。同軸7開穴+真鍮製の独立したバックキャビティ構造によって、共振周波数を正確にコントロールすると謳っています。
同じく特許取得済みの「MOONDROP」カップリングチャンバー構造を採用しているのも特徴。高音の不良な共振を抑制するとともに、再生音に有害な定在波を消す働きがあるとしています。
筐体は5軸CNC切削加工されたチタン合金製で高品位なもの。TiNセラミック(Titanium nitride:窒化チタン)コーティングが施され、「宝石に匹敵する高い強度を持っています」とアピールしているのも特筆点。
付属ケーブルは6N-OCC素材。高純度のワイヤーと銀メッキ銅遮断層の組み合わせで、クリアなサウンドを実現したとしています。ケーブルコネクタは0.78mm 2Pinでリケーブル対応。
入力プラグは新開発された交換式で、3.5mmアンバランスと2.5mm/4.4mmバランス端子へ簡単に変更可能。標準状態で現在主流の3方式のイヤホン端子に対応できるのは大きなポイント。
再生周波数帯域は10Hz~50kHz。感度は124dB/Vrms(@1kHz)、インピーダンスは25Ω(@1kHz)。
外観が美麗で音もよいイヤホンに定評のある水月雨ですが、本機はフラグシップということもあり、美麗さに磨きをかけ、「宝石に匹敵する高い強度」も謳っています。宝石に匹敵する美しさということを訴えたかったのでしょうか?外観の輝きは誰もが認めるところですが、ゴールドのカラーリングは好みが分かれるかもしれません。ただ、中国を中心にした海外では好まれるのかもしれず、このあたりは日本を中心に販売するメーカーとは異なる感覚でしょう。
イヤホンの人気メーカーによる新フラグシップなだけにイヤホン愛好家の間では注目されています。すでに試聴や購入者もいますが、彼らの音質への感想・レビューを見ると、本機の音質の傾向が見えてくる印象があります。イヤホンの音質レビューを文章で見ても、なかなか伝わりにくいものですが、本機の場合は、多くの人が共通して感じ取れ、文章として表現しやすい面があるようです。
つまりは、高級イヤホンの多くで求められがちな音の解像度や情報量を高める志向ではなく、聴感上のレンジ感についてもことさらに広げている印象ではないようなのです。一方で、このブランドが優れていると言われている透明感は備えているようです。
どうも、一聴していかにもすごい、という音ではないものの、自然さや落ち着いた傾向のようです。おそらく本質的には高音質なイヤホンということでいいのでしょうが、派手さがない分、すぐにはその良さがわからない、わかりにくい、という場合もあるのかもしれません。
この価格だけに、驚くような何かを期待して、という向きには肩透かしなのかもしれません。
ただし、オプションのゴールドメッキケーブル「秋月(Autumn Moon)」と組み合わせると大化けするという意見の人もいて(日本発売時予約で先着10名に「秋月」ケーブルがバンドルされるキャンペーンを実施していました)、リケーブルでイヤホンが音が大きく変わりかねない難しい現実も垣間見させるイヤホンなのかもしれません。
(中華イヤホン+MOONDROP)。
https://bisonicr.ldblog.jp/archives/55875362.html
https://www.orefolder.net/2020/12/moondrop-illumination-review/
http://audioreview.m1001.coreserver.jp/moondrop-illumination/