ハイレゾ対応の高音質ストリーミングサービス「mora qualitas」が2022年3月29日をもって、サービス提供を終了
ハイレゾ対応の高音質ストリーミングサービス「mora qualitas(モーラ クオリタス)」が2022年3月29日をもって、サービス提供を終了すると発表しました。
mora qualitasは2019年10月よりサービスをスタート。音楽ストリーミングサービスにおいて、ハイレゾを含む最高の音質を届けられるよう努めてきたが、ユーザーに対し、満足してもらうサービスの継続的な提供が困難であるという判断に至ったためとしています。
2022年3月30日にはアプリの新規ダウンロードとサービスの提供を停止。新規アカウント登録やプラン再開最終日、クーポン適用最終日、新規クレジットカード情報登録、登録済みクレジットカード情報変更の最終日は2022年1月28日15時。以上のような終了スケジュールの流れとなっています。
なお、ハイレゾ対応の音楽ダウンロード・音楽配信サイト「mora」はこれまで通りサービス提供を継続します。
正直、ネット上ではこうなると言われていた事態であり、驚きはありません。直接的にはやはり、アマゾンとアップルの超巨大企業が、そろってハイレゾ対応定額ストリーミングサービスを月額980円という低価格で開始したことが原因でしょう。
mora qualitasはアマゾン、アップルに比べて、同じ24bit/96kHz品位だとしても音質的に優位(PCでASIOを使えるなど)であるとも言われ続けてきましたが、これは決定的なメリットにはならなかったようです。そもそも、アマゾン、アップルに比べて、音源数が大幅に少ないというデメリットが大きすぎたというのもあります。
海外ではTIDALやQobuzなどのハイレゾ対応ストリーミングサービスがあり、今後はこれらの日本上陸も予想されます。この2つは高音質再生という面でも優れており、海外での定評も考えると、十分にこれまでのmora qualitasの代わりになると思われます。
mora qualitas終了はそれでも残念。ソニーはDSD規格のオリジネーターなのですから、たとえば、DSDの定額ストリーミングサービスを世界ではじめて行って差別化を図るとかはできなかったのでしょうか?国内ではPrimeSeat(プライムシート)がDSDストリーミングを、定額ではないものの行っており、技術的には可能なはずでしたが…。
SACDになっているものの、DSD販売はされていないようなクラシック音源の定額ストリーミングサービスはどこも行っていないようですが、いろいろと実現が難しい事情があるのでしょう。