NF AUDIO 「NM2+」は、2020年11月27日に、税込み実売価格2万円程度で国内発売された有線カナル型イヤホン。
従来機「NM2」をベースにした上位モデルで、モニタリングや音楽制作、電子楽器といったプロ用途に最適化していると謳っているのも特徴のイヤホン。
「NM2」で採用していた独自の10mmダイナミックドライバー「MC2L-10」をベースに、より高精度なチューニング回路で音質向上を図った「MC2L-10II」ドライバーユニットを搭載。
「MC2L-10II」は、一般的なダイナミックドライバーが1つだけ備えている リアキャビティをもう1つ追加した「ダブルキャビティ設計」を採用しているのが特徴。これにより、空気圧をより正確に制御し、振動板の動作を滑らかにすることで、空間表現と音のディテールが豊かになったとしています。
2つの高性能ネオジムマグネットで1テスラ以上の強力な磁束を生み出す「デュアル磁気回路」を採用しているのも特徴。駆動力や解像度、音の切れ味の向上をはじめ、全体的な音質の底上げが期待できます。
ハウジングは精密な5軸CNC加工で削り出された航空機グレードのアルミニウム製。「NM2」では樹脂製(ポリカーボネート)であっただけに、見た目の質感は大幅に向上しています。アルミの質感を生かしたシンプルで上質なデザインとなっています。
ケーブルは2pin端子での着脱に対応。付属ケーブルはシルバーコート5N OFC導体とリッツ構造を採用。付属ケーブルも「NM2」よりもグレードアップしています。ケーブル長は約1.2mで、プラグ形状は3.5mmステレオミニ。
イヤホンケース、6.35mm標準プラグへの変換アダプターが付属。またシリコンイヤーピースはBalance/Bassの2種類が同梱。
再生周波数帯域は9Hz~40kHz、インピーダンスは18Ω、感度は108dB・質量は片側約6g。
もともとモニター系でフラット志向とされている「NM2」をグレードアップしたという上級機。国内発売前から海外から購入した人をはじめ、多くの中華イヤホン愛好家が購入したようなのも目につきます。
その音質については、中華イヤホン界では有名なレビュアーによると、「中高域寄りの非常に明瞭なモニターサウンド」で、「モニター系のフラット傾向の「NM2」を大幅にグレードアップした製品で、より明るく明瞭なサウンドが印象的です。音質的にも個人的にトップクラスに好みのイヤホン」と、極めて高い評価を与えています。もちろん、価格も考慮した評価ではありますが。
非常に多くの中華イヤホンをレビューしている方の意見であり、他のイヤホンのレビューと比べて見ても、基本的には主観的な評価とはいえ、そうとうな説得力を感じます。
一方で、2chの「中価格の中華イヤホン」スレには、本機を購入した方たちの忌憚のないレビュー・意見がたくさんあり、音質傾向については上記のレビュアーの評価そのものに見えますが、その音に対しては賛否両論の印象もあります。
中高域寄りで非常に明瞭、情報量も豊富、という音に対して、クッキリハッキリしているものの、聴き疲れるような音、高音が強いといった意見もあるようです。
どうもたしかにモニタ―系のドライで乾いた音であって、それはMDR-CD900STのような中高音中心に音源のチェックには適しているものの、自然でナチュラルな温かみのある音とは違う、といったところから意見や好みの相違が出てきているのかもしれません。
いわゆるモニターライクなサウンドが好きなユーザーにとっては非常に評価の高いイヤホンとなりうる一方、自然なサウンドでゆったり音楽を鑑賞したいという目的には合わないのかもしれません。
ただ、いわゆる多ドライヤホンとは異なり、D型1発にシンプル構造による位相の正確さによる定位感の良さはモニター系のダイナミック型イヤホンという範疇のメリットにはなりそうです。
イヤホン初心者がこれ一本、という形で買うのもどうか、という面もあるようです。