生産終了機器情報。「H500M」はONKYO(オンキヨー)による有線ヘッドホン。2015年に税別26,800円で発売されました。2021年現在は生産終了。
本機の内容とレビュー情報、中古購入の展望などをお届けします。
オンイヤー密閉型の有線ヘッドホン。
口径40mmの強磁力希土類マグネット搭載ドライバーを搭載する。このドライバーを最適化設計し、再生周波数帯域7Hz~40kHzをサポートする“ハイレゾ仕様”としています。また、ハウジングにアルミ素材を採用することで、本体の共振を抑えながら遮音性も高めたとしています。
イヤーパッドは人間工学に基づいて開発したものを採用しており、装着性を向上。また、本体をフラットにできるスイーベル機構で持ち運びにも便利です。カラバリはブラックとホワイト。
ケーブルは片出し式で1.2m長、3.5mm端子で着脱も可能。プラグ部は金メッキを施した3.5mmステレオミニ。通話切替え機能付きコントロールマイクも搭載。
本体質量は179g。インピーダンスは16Ωで、最大入力は50mW、感度は105dB/mW。
当時のオンキヨーは、従来の据え置き型コンポからイヤホン、ヘッドホン、さらにポータブルオーディオプレーヤーなどのポータブルオーディオ機器にも手を広げて、売り上げの拡大を狙っていました。それらの製品自体は決して悪くはなく、現在でも通用する実力のモデルもありますが、オンキヨーのオーディオ自体が厳しい状況となり、ついには2021年にオーディオ部門の譲渡(シャープなどに)に至ってしまいました。
「H500M」についても、単体で見ると決して悪くはないのですが、どうしてもこのモデルでなければ、とか、デザインなどにオンキヨーらしさのようなもののいずれもが希薄だったのがいけなかったのか、当時からあまり話題にはなっていなかった記憶です(ヘッドホン+ONKYO)。
2021年の現在では新品の税込み実売価格が12,800円となっていますが、オンキヨーの状態を考えると今後の安定的なアフターフォローは望めない可能性もあるので、欲しい方はお早目になさったほうがいいでしょうし、それなりの覚悟も必要かもしれません。なお、新品実売価格は2019年ごろには8,000円ほどにまで下がっていました。
音質的にはオンキヨーのミニコンポやスピーカーにも通じるような、クリアで明るく、わかりやすい高音質といったもののようで、ややドンシャリ傾向のようです。さすがにハイレゾ対応でもあり、レンジ感や情報量も不足はないようです。リスニング寄りのチューニングと言えそうです。
179gの軽量とオンイヤー設計は、ヘッドホンに軽快さを求める方や女性にも向いていると思われます。
ケーブルが汎用性の高い規格でリケーブルできるので断線してもかんたんに交換可能なのはメリット。一方、バランス接続には対応せず、そこまでマニアックに追求できる製品ではありません。
イヤーパッドの交換も難しいようで、オンキヨーの今後のアフター体制なども含めて、長きにわたって使うのは難しそうです。イヤーパッドの劣化についてはミミマモで対応しているユーザーも目につきます。
中古価格は5,000~8,000円ほど。この価格となると、意外とリスニング寄りで高音質の国内メーカー製有線ヘッドホンというのが少ない印象なので、案外ダークホース的なモデルかもしれません。