生産終了機器情報。「Integra A-1E 」はONKYO(オンキヨー)によるプリメインアンプ。1992年に税別18万円で発売されました。
薄型でスタイリッシュな外観ながらも、クオリティ志向の思想で開発・設計され、高品位素材や高品位パーツを導入して展開されていたQUESTシリーズのプリメインアンプ。
超安定で、理想の動作機能を発揮する増幅回路、音質劣化を解消した画期的な出力バイアス温度補償回路を新搭載(もちろん当時として)、高品質のためにあえて量産性にこだわらない設計を導入、高剛性・非磁性体のオールアルミ押し出し成型モノコックシャーシを採用するなどの特徴。
トロイダル型の高効率特性を生かした小型・大容量、低リーケージフラックス特性を実現した新開発のトロイダル型LASERトランスを搭載しているのもポイント。
量より質のような雰囲気を持っていますが、意外にも、Pc=80Wのトランジスターをパラレルで使用、さらに、120W/chクラスのトランスを使用した強力な電源部をもっているため、薄型でも十分な駆動力とパワーを持っています(プリメインアンプ+ONKYO)。
おもな仕様など
●定格出力 50W+50W(8Ω)85W+85W(4Ω)
●消費電力(電気用品取締法規格) 155W
●外形寸法 幅435×高さ85×奥行374mm ●重量 9.1kg
ヘッドホン出力搭載
トーンコントロール類は非搭載
リモコン非対応
オンキョーの薄型プリメインアンプはこのあと2000年代にはD級動作を採用したA-1VLなども登場。音質面での評価も上々で、オンキヨーの得意分野になるかと思われましたが、マランツの薄型コンポが結局、薄型コンポの代表格となり、オンキヨーのこの路線は2010年代以降は継承されませんでした。
とはいえ、本機は単体で見ると、薄型のアナログプリメインアンプとして今日でも十分に通用しそうな内容であり、まるで海外製アンプのような上質で上品な外観も相まって、中古でなければ入手できない名機のひとつと言えるでしょう。
物量的には2021年現在、同様のモデルを作るとなると30万円は超えそうな内容です。オールアルミ押し出し成型モノコックシャーシなど、現在ではこの価格では望みえないでしょう。
音質的には低歪みで鮮度の高いピュアなサウンドのようで、当時としても今日でもなかなかないような意外なくらいの実力派のようです。当時のオンキヨーは高級ミニコンポも含めて、上品な音であったことも思い出します。本機の音に関するオンキヨー自身の宣伝文句は「こだわれば、透明な音が見える。」でした。
1994年にスピーカー端子やコンデンサーの一部を変更したVer.2モデルが出ますが、初期型の本機のほうが音質は良かったという意見もあります。
古いモデルですので、レビュー情報はなかなかありませんが、それでもアマゾンの製品ページになかなか詳しいレビューを載せている人がいます。
中古相場としては3~4万円くらいで入手したいところ。修理やメンテナンスを現在のオンキヨーが受け付けてくれるかは不明ですが、オンキヨーの今後の状況(シャープなどへの譲渡)からするに、あまり期待はできないでしょう。