オンキヨーホームエンターテイメントは9月8日、VOXXとシャープの合弁会社「オンキヨーテクノロジー」へ、家庭向けAV事業の譲渡を完了したと発表しました。
加えて、事業譲渡後も、日本国内の家庭向けAV製品の販売はオンキヨーグループが行なうことも発表されました。
マレーシアの製造工場・オンキヨーアジアエレクトロニクス(OAE)もオンキヨーが引き続き運営し、VOXXグループへ製品提供を行なうことも発表されました。
オンキヨーブランドの存続の瀬戸際まで来たところ、VOXXとシャープが拾ってくれましたが、その後のブランド継続(製品開発や製造、販売)については不明なことが多く、不安がありましたが、ひとまず、劇的な変化ではなく、これまでのオンキヨーの製造・販売の流れがそのまま活用されるようです。
家庭向けAV事業の譲渡を行った当のオンキヨー本体は、今後、BtoC事業とBtoB事業および研究開発に注力するとしています。
当面は上記のオンキヨー製品の製造・販売に携われるほか、海外ブランドの輸入販売、インストールビジネス、VOXXグループからのアーン・アウト、加振機などのOEM提供。また、発酵や医療分野といった新規ビジネス分野の研究開発も行なう予定のようです(すでに、お酒にモーツァルトを聞かせるとか、しいたけ栽培に関与などいろいろ話題になっているののがあります…)。
オンキヨーブランドについては、新会社となる「オンキヨーテクノロジー」にその維持と発展をゆだねることになります。しばらくは従来のオンキヨーのノウハウも継続して投入できる体制ではありますが、長期的な視点では生き残りのために新たな戦略が不可欠であり、その動向が注目されます。
シャープを再生させたホンハイの力を持ってすればオンキヨーブランドの復活自体はできないことではないかもしれません。ただ、それがもとのオンキヨーではないかもしれません。
それでも、国内屈指のオーディオブランドであったオンキヨーが今後どうなっていくのか、いちオーディオ愛好家として見守るしかありません。サンスイのようになっては欲しくないとは多くのオーディオ愛好家も思ってはいるでしょうが…。