オンキヨーホームエンターテイメントは2月8日、子会社であるオンキヨーマーケティングとオンキヨーサウンドの事業活動停止を決定。破産申請の準備に入りました。
オンキヨーマーケティングは、元上場会社のオンキヨーホームエンターテイメントの連結子会社。親会社が2021年8月に上場廃止、主力事業のホームAV事業をシャープなどに譲渡以降も、ホームAV製品やデジタルライフ製品の国内販売を続けていました。しかし、継続的な資金難の改善の見通しがたたない状況になったとしています。
また、オンキヨーサウンドは2020年10月、オンキヨーホームエンタータエイメントから会社分割して設立。OEM事業を行なっていましたが、こちらも継続的な資金難の状況に陥っていたとのこと。
オンキヨーホームエンターテイメントは、「両社とも、第三者の資本参加や事業の譲渡など、事業継続のためのあらゆる可能性を模索してまいりましたが、それらの協議も難航し、結果、事業を継続することが極めて困難となり、事業活動を停止せざるを得ないとの決定に至りました」と説明。
また、オンキヨーホームエンターテイメントは、「ホームAV事業譲渡に伴う手数料収入を得ながら、経営管理業務を外部から受託する形で、小規模ながらビジネスを継続していく」としています。
ついに、来るべき時が来たようです。残念ながら、オーディオ愛好家にとってはわかっていたことでしょう。
オンキヨーおよび、パイオニアブランドのオーディオ製品既存モデルについては、市場在庫のみを持って、販売を終了するということになるのでしょうか。
オンキヨーの単品コンポを何台も使ってきた身ととしては、個人的にも非常に残念です。時代の流れというほかないのでしょうか。
去年夏に発売されたONTOMO MOOK「これならできる特選スピーカーユニット 2021年版 オンキヨー編」の評判が良かっただけに、まだまだ高い技術力と、時代に合わせたオーディオ製品作りのノウハウ(小型のアクティブスピーカー的なものを中心に)は持っているメーカーだけに、その知的資産・遺産が無駄にならないようになってほしいものです。
オンキヨーの元社員の方々も、元シャープや元パイオニア、元ビクターの方々が、それぞれ他のオーディオメーカーを立ち上げたり移籍し、しかも出身メーカーの技術を活かしているように、新たな道を取れないものでしょうか。
今後は、オンキヨーのホームAV事業を引き継いだシャープなどに期待するしかありません。シャープとて、かつて1bitデジタルアンプを開発したときのシャープでもなく(台湾の鴻海)、オンキヨーがこれまで築いてきた、偉大な中級機メーカー的なポジション・内容を引き継いで発展させられるのか(させる気があるのか)も不透明です。
5月14日追記:ついにこの日がきてしまいました。オンキヨーの本体と言える「オンキヨーホームエンターテイメント」が2022年5月13日に自己破産申請をしました。負債総額は約31億円。
もはや驚きはありません。繰り返しになりますが、今後は、シャープなどが引き継いだオンキヨーブランドに期待するしかありません。
オンキヨー本体に対してはお疲れさまでしたとでも言えばいいのでしょうか?